Eighter -Chaos Desorder-
61ster 〜鵺帛主ヤヌスは舞い降り B〜



#3
紅の墓標にて、ついに陰轟留牡鴉アンゴルモア出現……かんなは鵺帛主ヤヌスの均衡を築くため、牡鴉モアに勝負を挑む!
白拍子かんな「はああっ!」
ヒュオアッ
かんなは暫くを溜め、そして牡鴉モア目がけて一足飛びにかかる
陰轟留牡鴉アンゴルモア「フン、猪突猛進……としか言えない攻撃ぶり……万策尽き果てた……」
ギュゴアアアアッ
陰轟留牡鴉アンゴルモア「な……なにぃ!?」
白拍子かれん「なっ!?火の鳥……が2匹!?」
所詮、人の子に神を斃せるわけがない……などと過信していた牡鴉モアだったが……突如牡鴉モアに対して左右から
2匹の火の鳥が襲い掛かる。これには牡鴉モアも……観戦していたかれんも驚愕す
かれん(鳳鸞舞刃ほうらんぶじん2連……これだったら……もしかして……)
かんな「はああああ!!」
ドッ
迫り来る2匹の火の鳥
陰轟留牡鴉アンゴルモア月天げってんんんん!!!!……オオオッ!負轟対消滅ふごうついしょうめつ!!」
キュゴガアアアアアッ
ズムウウウウンンッ
かれんもまた、かんなの勝利を信じていたのだが……しかし、巨大な闇の球体が出現し、2匹の火の鳥を相殺
する牡鴉モア……
かれん「な……!?」
2匹の……火の鳥を一瞬で!?……とかれんは戦慄す……更に牡鴉モアは余裕の笑みを浮かべて言葉を続ける
陰轟留牡鴉アンゴルモア「フフフ……我が恐怖はまだここからぞ!」
ダダンッ
ザザッ
火の鳥2匹を撃破され、突進してきたかんなは急ブレーキをかけてその場に留まる
かんな「……麟廻舞刃りんねぶじん!」
ズギャオオオオオッ
体勢を立て直して間髪いれずに剣気で具現化した麒麟を解き放つ
陰轟留牡鴉アンゴルモア「ぬ……ぐおああああ!!!?」
バキバキバキバキバキバキ……
地割れを起こしながら牡鴉モアを飲み込んでいく麒麟……かれんはこれを見て、今度こそいけるか!?と思った
のだが……世の中、そんなに甘くは無い……
陰轟留牡鴉アンゴルモア「小賢しい真似をおおおおお!!」
ドギュオアアアアアアッ
かんな「くっ……」
邪悪なオーラで地割れを破壊し、麒麟から逃げおおせる牡鴉モア
陰轟留牡鴉アンゴルモア「フフフ……」
かれん(強い……)
……四堕天しだてんの生みの親……流石に強い……四堕天しだてんが束になって襲いかかってくることよりも……下手
したら陰轟留牡鴉アンゴルモアの方が強いんじゃないか!?とかれんは冷や汗をかきながら思う
かんな「……やりますね……牡鴉モア陰轟留牡鴉アンゴルモア「人は誰しも心の奥底に恐怖を飼っている……その恐怖こそ我が糧であり、その恐怖がある限り
 我には勝てん!!」
かんな「……でも、いずれその恐怖に打ち勝つことができますよ……」
チャキッ
碧聖刃シアンセイクレドを構え直すかんな
陰轟留牡鴉アンゴルモア「フン……だが、打ち勝つことはできても無くなる事は無い!それが恐怖というものだ!」
ジキッ
牡鴉モア牡鴉モアで刀を構え直し……両者は再び対峙したまま動かない……

#4
陰轟留牡鴉アンゴルモア「ハアッ!負轟滅風車ふごうめつふうしゃ」
ドギャオアアアアアッ
暫く重い沈黙が流れたのち、先に牡鴉モアが動く……
闇のオーラを纏った刀を回転させて竜巻を発生、かんなに襲わせる
かんな「龜鎧舞刃きがいぶじん!」
ドンッ
陰轟留牡鴉アンゴルモア「ぬ……ぐ!?」
一方のかんなは……剣気で具現化したかめをもってして牡鴉モアの動きを封じ込める
かんな「はああああ!!!!」
ドギャアアアアアッ
そして、そのまま牡鴉モアを一刀両断しかかる
陰轟留牡鴉アンゴルモア「くああああああ!!」
ドグオオオオオオオオオオオオオンッ!!
かれん「くっ……かんな!?」
かんな「……はぁ……はぁ……」
牡鴉モアから巻き起こる大爆発……それによりかんなの斬撃は回避される……
かれん(やった……の!?)
シュオオオオ〜〜
やがて……煙が晴れると……
かれん「ああ!?」
そこにはかんなと牡鴉モアの姿が……
かんな「……しぶといですね……牡鴉モア陰轟留牡鴉アンゴルモア「……人間の小娘が……まさかここまでやるとは思っても見なかったぞ……」
ガクリッ
互いに咆えるが……体力が限界に近く、両者ともども、片膝をつく
かれん(かんなも体力的にそろそろ限界……かといって私が太刀打ちできるような相手では無い……ヤバイ
 わね……)
陰轟留牡鴉アンゴルモア「……だが、そろそろくたばってもらうぞ!月天げってん!!」
グゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ
牡鴉モアの邪気が増す
かんな「……くたばるのは貴方の方ですよ、牡鴉モア」
ぐぐぐぐっ
立ち上がるかんな
コオオオオッ
碧聖刃シアンセイクレドの刃も一際輝きだす
かれん「ちょ、かんな?」
かんな「大丈夫です、下がっていてくださいね、姉さん」
かれん(大丈夫ったって……ボロボロじゃないのよ!!)
陰轟留牡鴉アンゴルモア(ほう……まだ希望を燈した眼をしている……これ以上何をするつもりだ!?)
陰轟留牡鴉アンゴルモア「よかろう……ならばその最後の希望までも恐怖に変えてくれるわ!」
コオオオオオオオオッ
かんな、陰轟留牡鴉アンゴルモア「……」
両者、構えから動こうとしない……
かれん(かんな……あなたが……もし、死んだら……與鷹よたかは私のものね♪)
※こんなときに何考えているんですか!?アナタ!?
……さてさて、牡鴉モアは斃せるのか!?鵺帛主ヤヌスの均衡は築けるのか!?そして、與鷹よたかはかれんの魔手に
堕ちてしまうのか!?(それはまず無い!)


続

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