Eighter -Chaos Desorder-
60ther 〜紅い厄刃神邪神への扉 B〜



#3
邪王窟で黄幡暗天おうばんあんてんたおしたかんなの元にさらに太陰邪天だいおんじゃてんが現れる。連戦……と思いきやそのときかれんが
やってきて太陰邪天だいおんじゃてんを引き受けることに……
白拍子かれん「KR耀こくげんよう杳冥極舞刃ようめいきょくぶじん!」
ドギャオッ
短期決戦を決めるべく刃に闇を纏わせ、さらに小さなブラックホールを作り出し、打ち出すかれん
太陰邪天だいおんじゃてん「フン……太陰叉割だいおんさかつ」
ドジャジャジャッ
だが、小さなブラックホールは邪天じゃてんの前に一蹴されてしまう
太陰邪天だいおんじゃてん「そんな程度で……我をたおすことは出来ん!!」
ヒュオアッ
一気に間合いをつめ、斬りかかる邪天じゃてん
かれん「ちいいっ」
ガガギイイッ
迫る邪天じゃてんの太刀を……辛うじて受けるかれん
ギリリッ
太陰邪天だいおんじゃてん「受けたか……だがな……」
かれん「ここからが本番よ!」
ドギャウッ
太陰邪天だいおんじゃてん「ぬ……な!?」
よく受けることができたな……だが、終わりだ!と邪天じゃてん……
しかし、そんな邪天じゃてんの思わくを撥ね退けるかれん。
かれん「アアアアアアアッ!闇龍極舞刃あんりょうきょくぶじん!」
ドゴアッ
と、同時に闇の剣気で具現化させた龍を邪天じゃてん目がけて解き放つ
太陰邪天だいおんじゃてん「愚かなッ!!太陰火束だいおんかそく」
ズジャウウッ
四堕天しだてんは元々闇の神……我らの様な闇の眷属に……闇の剣気で具現化させた技を使うなどと愚の骨頂……
事実、炎の剣閃が闇の龍をかき消すのだが……
太陰邪天だいおんじゃてん「ぬ!?」
かれん「ハッ!」
ゴギャインッ
すぐさま間合いを詰めて斬り飛ばすかれん
太陰邪天だいおんじゃてん「ぬお……ぐ!?……何!?」
かれん「ふふふ、驚いた!?……まだ私の中には陽天ようてんの力が残っているのよ!」
太陰邪天だいおんじゃてん「馬鹿な……邪悪なる力を秘めていながら邪悪なる神を討つというのか!?」
これには、流石に邪天じゃてんも驚きを隠せない……
白拍子かんな(……あれは……おそらく陽天ようてんが生まれながら持っていた最後の良心……)
かれんが邪天じゃてんと死合っているのを見たかんなは1人そんなことを考える
太陰邪天だいおんじゃてん「……フン、陽天ようてんの残り滓が使えたところで……我をたおせると思うなよ!!太陰火束だいおんかそく!!」
ドドドドドドッ
陽天ようてんの力を使える……ということに驚きはしたが、所詮四堕天しだてんの中でも最弱だった陽天ようてんの力など恐るるに
足らず……と四方八方に炎の剣閃を飛ばす邪天じゃてん

#4
かれん「フフ……ご乱心かしら……」
バッ
一方……迫り来る炎に対し突撃をかけるかれん
太陰邪天だいおんじゃてん「どっちがだ!?」
迫りくる炎に突進するなど……気でもふれたか!?と邪天じゃてん……しかし、次の瞬間、考えを改めざるを得なく
なる
かれん「暝鳳極舞刃めいほうきょくぶじん」
ドッ
カウンターとして、闇の剣気で具現化させた火の鳥を解き放つかれん
太陰邪天だいおんじゃてん「なっ!!」
ズドンッ
もろにカウンターが極まり、邪天じゃてんは盛大に吹き飛ぶ
ドドン……ドンドンッ
かれん(浅かったかな……)
太陰邪天だいおんじゃてん「なめ……おってぇええええ!!!」
グゴゴゴゴゴゴゴッ
すぐさま体勢を立て直した邪天じゃてん……更に邪気を高め、かれんを睨みつける
かれん(四堕天しだてん中1番危険とされるのはキレやすいからかしらねぇ……)
太陰邪天だいおんじゃてん「貴様は殺してやる!!絶対にだ!……ハアアアアア!!!」
ゴウンッ
邪天じゃてんの刀に邪気が纏わりつく……それは……邪天じゃてんの執念を現しているかの如く……
かれん「死ぬのはあなたよ!邪天じゃてん!!」
太陰邪天だいおんじゃてん「ほざけ!太陰歿翳だいおんぼつえい」
ドゴガアアアッ
かれんも第四の力フォース・フォースを構えなす……と、それよりも早く邪天じゃてんが巨大な闇のオーラを纏った凶鳥を解き放つ
かれん「ハッ!暝鳳極舞刃めいほうきょくぶじん!」
ゴッ
対するかれんは再び闇の火の鳥で応戦
……炎の鳥と闇の鳥……2つの鳥は……果たして……
太陰邪天だいおんじゃてん「のああああああああ!!!!」
かれん「はあああああ!!!」
カカッ
ズグオオオオオオオオオオンッ
炎の鳥と闇の鳥とがぶつかり合い、爆発が巻き起こる
一同「ぐっ……ぐうう……!?」
爆煙と土砂などが巻き上がり、視界が暗転する
・
・・
・・・
雨水おぼろ「ど、どっちが……勝った……の!?」
太陰邪天だいおんじゃてん「我……は……死ねん……まだ……負けるわけには……」
ぐぐぐぐぐっ
頽れるは両者……だが、邪天じゃてんが先に立ち上がろうとする
かれん「しぶといわね……邪天じゃてん」
ぐぐっ……
かんなも第四の力フォース・フォースを杖代わりに立ち上がる
太陰邪天だいおんじゃてん「だが、遅いわッ!!」
ゴアッ
……立ち直り、間合いを詰め、至近距離からの一撃をくらわす邪天じゃてん
一同「かれん!!」
かれん「甘いのは、そっちよ!」
バシュッ
太陰邪天だいおんじゃてん「がああっ!!?」
かれんも気力を振り絞り、第四の力フォース・フォースで腕ごと邪天じゃてんの刀を斬り飛ばす
太陰邪天だいおんじゃてん「貴様ぁ!!!」
ぐあっ
今度は、左手でかれんを捕まえようとする
かれん「ふふん……遅いッ!!」
ザバッ
邪天じゃてんを一刀両断するかれん
太陰邪天だいおんじゃてん「ガッ!!?」
ボシュアアアアッ
……だが、かれんの一閃の方が早く……ここに、太陰邪天だいおんじゃてんとの死合は幕を閉じる……
かれん「……危険だったわねぇ……」
かんな「……ええ……」
……四堕天しだてんで一番危険な太陰邪天だいおんじゃてん……それは神としての誇りを捨て、相手を道連れにしてでもたおそうという
心意気のせいだった……
ともかく、四堕天しだてんは全員たおした……あとは……陰轟留牡鴉アンゴルモアたおして……鵺帛主ヤヌスの均衡を築くだけだが……
果たして……


END

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