Eighter -Chaos Desorder-
60ther 〜紅い厄刃神邪神への扉 A〜



#0
邪王窟で四堕天しだてんで一番強いと謳われた黄幡暗天おうばんあんてんを撃破したかんな……だが、全てはまだ終わってはいない!?
次なる魔手は、既にこの場に現れていた……

#1
テーレノ、テーレノ坑道最奥、邪王窟
*「ククククク……ようも気付いた……」
バリバリバリバリッ
かんなが睨んだ先……その何もない空間が突如歪みだし、1柱の神が現れる
梓與鷹よたか「あいつは……」
白拍子かんな「四堕天しだてん最後の砦、太陰邪天だいおんじゃてんですね……」
與鷹よたか「……やはり、太陰邪天だいおんじゃてんか!?」
與鷹よたか四堕天しだてんの中で一番危険な存在……と言われている……太陰邪天だいおんじゃてん……)
突如出現した邪天じゃてん與鷹よたかはかんな以上に気を引き締める。
太陰邪天だいおんじゃてん「……月天げってん……貴様は何故に我らをたおす?」
かんな「……当然、崩れた鵺帛主ヤヌスの均衡を築くためです」
太陰邪天だいおんじゃてん「ご苦労なことだ……だが、そんなことをしても、誰からも褒められはせんぞ?」
ギュルンッ
問答を行いつつ、空間を歪めて刀を取り出す太陰邪天だいおんじゃてん
太陰邪天だいおんじゃてん「世界の崩壊を止めるなどと、貴様には無理!……貴様の行いは無駄な行いでしかない!」
かんな「無駄かどうかは……あなたが判断することではありません!」
チャキッ
碧聖刃シアンセイクレドを構えるかんな
太陰邪天だいおんじゃてん「……月天げってん……貴様も知っているのだろう!?……貴様がどう頑張ろうとも、人間がいる限り
 鵺帛主ヤヌスの均衡はいつしか崩れる!」
百鬼あろえ「え……ええ!?」
突然の宣言に一行は驚愕……だが、かんなは顔色を変えずその言葉を受ける
太陰邪天だいおんじゃてん「……そして……死者に生者の世界をどうこうできるわけがないわッ!」
ギュゴガッ
與鷹よたか「なっ!?速い!!」
瞬時にかんなの間合いを侵食し、斬りかかる邪天じゃてん
太陰邪天だいおんじゃてん「消えろ!月天げってん!」
ブオンッ
かんなの背後を簡単に取り、そのまま一刀両断を繰り出す邪天じゃてん
與鷹よたか「か、かんなぁ!!?」
ガギンッ
太陰邪天だいおんじゃてん「な……に!?」
與鷹よたかの叫び声が虚しくこだまする……と、思いきや邪天じゃてんの刀を受けるかれんの第四の力フォース・フォース
かんな「姉さん……?」
白拍子かれん「貴方は少し休んでいなさい……邪天じゃてんは……私がたおすわ!」
バチインッ
そのまま邪天じゃてんを薙ぎ飛ばすかれん
ザザザザッ
太陰邪天だいおんじゃてん「ハッ……貴様が我の相手になると!?」
弾き飛ばされつつも体勢を立てなおす邪天じゃてん
かれん「ええ……」
チャキッ
かれん「……元陽天ようてん……かれん……参る!!」
第四の力フォース・フォースを構え、邪天じゃてんを睨みつけるかれん

#2
太陰邪天だいおんじゃてん「ハッ!笑わせる!!元陽天ようてんだと!?」
四堕天しだてんの……歳弱な存在の加護を受けただけの人間が……我に挑むなど、笑止!と邪天じゃてんは一笑に附す
かんな(……つまり、今は何の神の力も引き出せないって意味なんですけどね……大丈夫なんでしょうか
 ……姉さん……)
かれん「さぁ!来なさいッ!!」
太陰邪天だいおんじゃてん(ふざけた女だ……神の力も無きものが神に敵うはずがない……よかろう……瞬殺してくれる
 わ!)
かんなもちょっとだけ、かれんの身を案じつつ……かれんと邪天じゃてんとの死合は始まる……
太陰邪天だいおんじゃてん太陰叉割だいおんさかつ」
かんな「はっ!」
ドギャギインッ
1度に3回の斬撃が繰り出されるが、それを難なく回避するかれん
太陰邪天だいおんじゃてん「ぬ!?」
かれん(さぁて、どう戦おうかしらね……)
技を回避されたことに対して、眉一つ動かさない邪天じゃてん……今のは単なる小手調べにすぎないということか
かれん「ここはさっさと勝負に出るべきね……光焔熾こうえんし!」
ゴウンッ
第四の力フォース・フォースの刃に炎を纏わせるかれん
太陰邪天だいおんじゃてん「その程度の炎で我をたおせると思うな!」
ギュンッ
所詮、人間如きに神をたおせるわけがないッ!と瞬時にかれんの背後を取る邪天じゃてん
太陰邪天だいおんじゃてん「死ねや!……太陰叉割だいおんさかつ」
ゴギャギャギャァッ
1度に3回の斬撃をかれんに繰り出す……が……
太陰邪天だいおんじゃてん「ぬ!?」
至近距離からかれんを捉えたかに思われたが……その場のかれんはおらず……
かれん「こっちよ、馬鹿!!灼炎極舞刃しゃくえんごくぶじん」
ズゴアアアアッ
上空から声とともに熱気が迫る
太陰邪天だいおんじゃてん「ナメた真似をおおお!!!太陰火束だいおんかそく」
ゴギャウウウッ
炎の剣閃で応戦し、熱気をかき消す
かれん「あらら……」
太陰邪天だいおんじゃてん「む!?」
かれんの繰り出した『見えない炎』にちょっと戸惑っている模様の邪天じゃてん……
太陰邪天だいおんじゃてん「……フン……面白い技を使うな!」
だが、次の瞬間にはその本性をアッサリと看破される
かれん「それはどうも……次はもとっとスゴイわよ……」
ゴゴウ……
第四の力フォース・フォースの炎が猛る……
太陰邪天だいおんじゃてん「フフフ……ならば我も手加減なしで参ろうではないか!」
ズゴゴゴゴゴゴゴッ
邪天じゃてんの邪気も禍々しく膨れ上がる……
かんな(……姉さん、大丈夫でしょうか……運も神の力も……察知できませんし……)
かれん(……フ……かんな……見てなさい……私の真の力を!!)
太陰邪天だいおんじゃてん(……殺す!!)
ゴオオオオオオオオッ
動かない2人……巨大な闇の力を前にかれんに勝算はあるのか!?


続

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