Eighter -Chaos Desorder-
59ther 〜邪王窟に眠る悪夢 B〜



#3
邪王窟に封印されていたのは、四堕天しだてんの中で最も強いと言われている黄幡暗天おうばんあんてん……しかし、鵺帛主ヤヌスの均衡を築く
ためにはたおさねばならぬ……かくて、かんなは黄幡暗天おうばんあんてんと死合う……
白拍子かんな「はっ!」
黄幡暗天おうばんあんてん「ぬ……ぬううう!!」
ガギギンッ
ギギインッ
梓與鷹よたか「……怪訝おかしい……」
百鬼あろえ「へ……!?何が!?」
鍔迫り合いが行われているが、かんなが優勢であることに、與鷹よたかは疑問を抱く。あろえはどこの何が怪訝おかしいの
か分からず逆に質問をしてみると、與鷹よたかは続ける。
與鷹よたか「かんながいくら月天げってんの力を借りて、碧聖刃シアンセイクレドの力を引き出しているからとはいえ、優勢すぎる」
雨水おぼろ「……いや、いいことじゃないの!?」
白拍子かれん「うん、別に劣勢じゃないんだから、いいんじゃないの?」
おぼろとかれんも問題にすることではないんじゃないの?などと呟くと、再びルシャが通信を行ってくる。
ルシャーティー・エィユゥミス「……黄幡暗天おうばんあんてん四堕天しだてんの中で一番強いと謳われている邪神です。……その
 邪神の実力があんな程度だとは到底思えません……」
與鷹よたか「……何かトンでもないものを隠している……かもしれん……と、いうことだ……」
一同「……」
一同は絶句し……一縷の不安を抱えながら観戦する
・
・・
・・・
そして、話は戻り……
かんな「はっ!龍咬舞刃りゅうこうぶじん!」
キイインッ
暗天あんてんの攻撃を巧みにかわし、反撃の光の龍を解き放つかんな
黄幡暗天おうばんあんてん「ムダだ!黄幡熔朿おうばんゆうし」
ズガンッ
すかさず刺突を繰り出し、光の龍を消し去る暗天あんてん
かんな「……」
チャキッ
先ほどから奥義を何度も打ち消され……しかし、それでも眉ひとつ動かさず碧聖刃シアンセイクレドを構えるかんな
黄幡暗天おうばんあんてん「ハッ!……どうした!?月天げってん!貴様の力はその程度か!?」
かんな「……暗天あんてん、あなたこそ……四堕天しだてんの中で1番の強さというのは……その程度の強さを言うんです
 か!?」
黄幡暗天おうばんあんてん「ぬうう!?」
挑発を……挑発で返すかんな。そのかんなの言葉に眉をピクリと動かす暗天あんてん……
黄幡暗天おうばんあんてん月天げってん……見抜いているのか……我が……いや、我ら四堕天しだてんの力が今はまだ不完全であるという
 ことに……)
ズズズズッ
かんなへの侮りを捨てる暗天あんてん……邪悪なが濃密になる……
※ちなみに、現時点では何故四堕天しだてんが不完全な力しか発揮できないのかなどは……不明です。
 ……いや、断じて設定を考えてないってわけじゃないからね……本当だよ……?

#4
黄幡暗天おうばんあんてん「フン……ならば、見せてやろう……我が真の力をおお!!!」
ぐおおっ
バリバリバリバリッ
左手にを天に掲げ、邪悪なエネルギーを収束させて球を作る
黄幡暗天おうばんあんてん「死ねぃ!歳殺月天さいさつげってん!!……黄幡獄潰おうばんごくかいッ!」
ゴギャウウウッ
先ほど作った左手のエネルギー弾を飛ばし、ぶつけて相手の動きを封じ、次に逆手刺突を繰り出す
かんな「龜鎧舞刃きがいぶじん!」
ゴアアアアアアッ
剣気で具現化されたかめ暗天あんてんの動きを封じる
黄幡暗天おうばんあんてん「ぬ……ぬおおあああ!?」
ビタアアッ
ギリギリギリッ
一同「なっ……なああ!?」
お互いがお互いを束縛し……死合は膠着状態へ……
黄幡暗天おうばんあんてん「なめるなッ!!月天げってんンンッ!!!」
ドゴアッ
與鷹よたか「か、かんなッ!!?」
暗天あんてん……気合でかんなの束縛をぶち破り、そのまま兇刃はかんなへと迫る
黄幡暗天おうばんあんてんったりぃいい!!!」
ズッ
ドバガシャアアアッ
黄幡暗天おうばんあんてん「ガ……ガハアアア!?」
一同「え……えええ!!?」
だが、暗天あんてんの刃はかんなに届くことなく……逆に弾き飛ばされる暗天あんてん
黄幡暗天おうばんあんてん「キ……サマ!!!」
バシュウウウッ
暗天あんてんの体を横真一文字に剣閃が走り……その傷からは闇に塗れた血が噴き出す
あろえ「え……何!?……がおきたの!?」
明らかに、かんなが絶体絶命のピンチだったのに……どうして、それを乗り越えられているの!?とあろえは
軽くパニック……
與鷹よたか「……暗天あんてんが縛ごとかんなを貫こうとした瞬間に、反撃に出たんだ……」
おぼろ「……ど、どういう……意味!?」
そんな中、與鷹よたかが解説を行うのだが……いまいちよくわからなかったおぼろは更に質問を行う
かれん「……相手にかけた束縛を一瞬だけ緩め、こちらにかけられた束縛をぶち破って、攻撃に転じたのが
 暗天あんてん……その一瞬の束縛からの解放を逃さず、迫る暗天あんてんにカウンターを仕掛けたのがかんな……って
 ことよ」
あろえ、おぼろ「そ、そんな一瞬を……!?」
かれんの解説を聞き、あろえとおぼろはかんなを見る……つくづく、運の女神である……と思う2人であった
黄幡暗天おうばんあんてん「……月天げってん……だが……我をたおしたところで……貴様はぁ!!!」
バシュアアアアッ
気になる台詞を残し、暗天あんてんはここに消滅す……
かんな「……」
チャキッ
しかし、暗天あんてんたおしたにも関わらず、かんなは虚空を睨み、碧聖刃シアンセイクレドを構え続ける
與鷹よたか「かんな……?」
かれん「はい……はいはい、バトンタッチよ……かんな……」
と、そんなとき、かれんがかんなの元へ赴き、声をかける
かんな「姉さん……」
……邪王窟の……この空間に……まだ何かいると言うのか!?


続

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