Eighter -Chaos Desorder-
59ther 〜邪王窟に眠る悪夢 A〜



#0
アロッティ……そこは八大帝国の属国にして、第九帝国に滅ぼされかけた帝国……
そこで……一行はテーレノに封印されている四堕天しだてんの話を聞く……更に……ルシャからの入電で、その
封印が解けかけている……と……かくて、一行は現実世界への帰還を後回しに、テーレノへと向かったので
あった……

#1
テーレノ、テーレノ坑道最奥、邪王窟
梓與鷹よたか「……ここが……邪王窟か!?」
いかにも何か邪悪なものを封じ込めた気配が漂ってくる……
白拍子かんな「……行きますよ……」
一同「ああ……」
すっ
ガカアアアッ
ソルダーノから託されたペンダントを翳すと、邪王窟への道は開かれる
ズオオオオオオオッ
白拍子かれん「くっ……この……邪気は……」
與鷹よたか「……四堕天しだてん……か!」
ダムッ
一行が、中に入ると……そこは、カオサイトやアルティマイトで造られた巨大な祭壇……真ん中には巨大
な魔法陣と……1本の赤い剣が……
與鷹よたか「……アレが……朱の追放者クレムゾン・バニッシャー」
テーレノへ赴く前、ソルダーノから知らされていた四堕天しだてんを封印している剣の名前を口にする與鷹よたか
*「ク……クククク……」
ドオンッ
一同「なっ!?!」
ズズズズズッ
突如、魔法陣に突き刺さっていた朱の追放者クレムゾン・バニッシャーが弾き飛び、宙を舞う……そして、一層邪悪が収束し……
四堕天しだてんが1人……ここに復活す……
*「来たな……月天げってん……」
……ここに封印されていたその邪神の名は……黄幡暗天おうばんあんてん……四堕天しだてんの中で一番強いと噂される存在である
與鷹よたか(くっ……まさか、ここで四堕天しだてんで一番強いと噂の黄幡暗天おうばんあんてんが出てくるなどと……)
かんなの身を案じつつも、1000年もの間、黄幡暗天おうばんあんてんを封印し続けていたアロッティの猛者に敬意を払う與鷹よたか
かんな「……」
スラッ
無言で碧聖刃シアンセイクレドを抜刀し、構えるかんな
黄幡暗天おうばんあんてん「……来い!月天げってん!!我を陽天ようてんなどと同じと思うな!!」
ギュルンッ
バッ
空間をゆがめて刀を取りだした暗天あんてんはそのままかんなに斬りかかる
かんな「ハッ!!」
ガギインッ
ギリギリッ
かんなも一足飛びにかかり、それを受ける
黄幡暗天おうばんあんてん「……碧聖刃シアンセイクレド……か……」
かんな「てえぇぃい!!」
キインッ
月天げってんの力と共に、碧聖刃シアンセイクレドが輝き、暗天あんてんを圧し返す
黄幡暗天おうばんあんてん「お……おおお!!?」

#2
ガガッ
ギギインッ
……かくて、かんなと暗天あんてんは激しい鍔迫り合いを繰り広げる
與鷹よたか「かんな……」
暗天あんてんを……陽天ようてんと同じようにたおすことができるのだろうか!?と與鷹よたかはかんなの身を案じる
ルシャーティー・エィユゥミス「38分10秒ぶりです」
一同「うおっ!?」
と、そこへ、ルシャが契約の指輪を通じて連絡を取ってくる。
ルシャーティー「そういえば、お伝えし忘れておりましたが……四堕天しだてんが1人、歳刑星天さいぎょうせいてんは……既にたおされ
 ております」
與鷹よたか「な……んだって!!?」
百鬼あろえ「一体……誰に!?」
ルシャーティー「閣氏カクシ新撰組……斎藤そう様にですね……」
與鷹よたか「……」
そ、そうなのか……いや、情報ありがとう……と與鷹よたか……
・
・・
・・・
そして、話は戻り……
黄幡暗天おうばんあんてん黄幡棘離おうばんきょくり」
ズザガアアッ
かんな「はっ」
暗天あんてんの斬撃を回避するかんな……かんなが先ほどまで居た場所は斬撃を受け、溶け出す
與鷹よたか「なっ!?」
黄幡暗天おうばんあんてん「……我が毒に触れたが最期……貴様は死ぬ……」
かんな「……そうですか……」
チャキリッ
刀を構えなおすかんな
黄幡暗天おうばんあんてん「そうと分かったら死ね!月天げってん!!黄幡棘離おうばんきょくり」
ジュドガキッ
全てを溶かしつくす毒の刃を振り下ろす暗天あんてん、そしてそれを受けるかんな
黄幡暗天おうばんあんてん「ぬ……うう!?」
シュオオオオ〜〜
毒気は碧聖刃シアンセイクレドによって浄化されている
かんな「はあっ」
バヒュンッ
黄幡暗天おうばんあんてん「うおうっ!?」
ババッ
かんなの横薙ぎを回避するとともに距離をとる暗天あんてん
黄幡暗天おうばんあんてん「……やはり、碧聖刃その刀は危険すぎる……今のうちに始末させてもらうぞ!」
パシッ
グゴゴゴゴゴッ
刀を逆手で持ち、邪悪なオーラを纏わせる
かんな「……龍咬舞刃りゅうこうぶじん!」
キンッ
暗天あんてんの準備が整った事を見計らって、光の龍を解き放つかんな
黄幡暗天おうばんあんてん「ハッ!黄幡熔朿おうばんゆうし」
シュドガッ
ドジュアアアッ
影も見えぬ刺突が光の龍を捉え、そのまま溶かし尽くす
一同「なっ!!?」
黄幡暗天おうばんあんてん月天げってん……貴様の浄化の光も……我の前には無力だ!」
奥義ですら無効化され、一同は驚愕する……のだが……
かんな「自分が最強などという慢心は……死を呼びますよ?暗天あんてん」
バシュアアッ
黄幡暗天おうばんあんてん「ぬううぅッ!!?」
光の龍を消しされたことに満足していた暗天あんてんに、かんなの一閃が走る
かんな「……行きますよ、暗天あんてん!」
ゴアッ
黄幡暗天おうばんあんてん「ぬ……お!?」
そのまま暗天あんてんの間合いを一気に浸食するかんな……
黄幡暗天おうばんあんてん「ハッ!」
バギンッ
暗天あんてんも負けてはおらず、すぐさま反応して刀を振り下ろす……
ギリギリギリギリッ
かんな、黄幡暗天おうばんあんてん「おおおおお!!」
激突する刃と刃……果たして、かんなは無事に、黄幡暗天おうばんあんてんたおすことができるのか!?


続

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