Eighter -Chaos Desorder-
46ther 〜四神像を贄に神を B〜



#3
四神の像は盗まれ、最早手遅れか……と思われたその時、まだ、黄龍の像が残っている……と住職。
住本朏狩ひかる「どういうことですか!?神主さん!?」
住職「……うむ。もともとあの四神像はいつ、誰が作ったかは不明だが、京都府の中心にあった……今は
 無き寺院に安置してあったものなのじゃ……」
警官「ほうほう……」
住職「いえの青龍……其は見たものの心を癒やし、萌の朱雀……其は見るものに萌えを与え、やみの白虎……
 其は見たものの心を病ませ、そして、なえの玄武……其は見るものに萎えを与えたという……」
朏狩ひかる「なるほど。参考になります」
警官(ンないつ作られたか分からないような代物に現代の言葉たる『萌』があるってのは……おかしいような
 ……)
などと警官がどうでもいいことを考えてると……
梓與鷹よたか(こいつぁ……)
白拍子かんな(ええ、オーパーツです)
かんなと與鷹よたかはこの像はオーパーツであると看破し、話を続ける
住職「そして……その中央の寺院には……萌、なえいえやみ……全てを包括した幸の黄龍なる像があった
 のだ……」
朏狩ひかる「ふぅむ……つまり、今の話を総合すると……四神像は今は無き中央の寺院にあるかもしれない……
 と……」
一同「いや、だから、それ、どこよ!?」
朏狩ひかる「ふっふっふ……僕は分かったぞ!!」
一同「ええ!!?」
朏狩ひかる「運の女神に聞けば分かる!」
一同「……ンなことは誰だってわかるわい!!」
かんな「……」
與鷹よたか「……」
かんな「……はぁ……じゃ、その場所に案内しますね……」
ため息をつきつつかんなは一行をその中央の寺院らしき場所へと案内することに……
與鷹よたか(いいのか!?かんな……)
かんな(まぁ、とりあえず、像のある場所へ行かないことには話は進みませんし……)
與鷹よたか(なら……いいが……)
かんな(ルシャさんに頼んで、一応レプリカを作成する手筈は整っています)
※何事にもぬかりのないかんなであった……
・
・・
・・・
京都府、某所
*「ぬぅ!?何だ貴様!!?……なぜここが分かった!!?……」
その場所には……1人の漢が……

#4
與鷹よたか「……どうやら、ここに四神像があるってのは確かなようだな……」
何とも分かりやすい構図に與鷹よたかは呟く
*「……運の女神だと!!?くそっ……あと少しで終わるところだったというのに!!」
この漢、名前を神降かんこう大二郎と言った……
スラッ
そんな中、かんなは炎の記憶を抜刀して、問いかける
かんな「……何をここに呼び出すつもりだったんですか!?」
神降かんこう大二郎「フッ……まずは縊屡鐶ククルカンを呼び出し、中央の寺院を復元させる!そして、柴硫ジバルバを呼び出し、
 歯向かうものを蹴散らす!!」
一同「……」
警官(警部……こいつ……堂々と叫んでますよ……)
朏狩ひかる(うむ、思いっきり悪役全開だな……ここまでくると僕、感動しちゃうよ……)
物凄くわかりやすい漢であった……と、言うかここまで素直に暴露するのもなかなか珍しいと思うのだが
警官「だが、貴様の野望もそこまでだ!!」
警官「大人しく縛につけぇ!!」
ジャカカッ
警官隊、銃を構える
大二郎「ハッ!もう遅い!!お前らが来るまでに既に像の配置は済んでいる!」
バッと手を広げる大二郎……その背後には5つの像が魔法陣の上に安置されていた
一同「なっ!」
大二郎「今こそ、ここに……縊屡鐶ククルカン柴硫ジバルバをぉ!!!」
ゴコオオアアアアッ
警官「しまっ!!?」
光がそこへ差し込み……
・
・・
・・・
一同「……」
光が止んだ時……そこには何も変わってなかった……
大二郎「な……何故だ!!?何故……」
何も起きなかったことに対し、大二郎が叫びだす。
かんな「……何も知らないのに……よくもそんなことを考え付きましたね……」
狼狽える大二郎を前にして、かんなが歩みつつ答える
與鷹よたか「かん……な!?」
大二郎「ハッ!?何を!!?」
かんな「力量を弁えないと……こういうことになります……そもそも、貴方の力量では、神を呼び出す事
 は出来なかった……そんな貴方が……1つの術式で2つの存在を呼び出すことなんて、不可能です」
大二郎「んなぁにぃい!!!?」
愕然としながら叫ぶ大二郎
朏狩ひかる「とにかく、今のうちに逮捕ッ!!」
一同「はっ!!!」
ドタバタッ
ゲスンッ
バキッ
大二郎「んぎゃぴぃ〜〜〜!!?」
……かくして……この事件は呆気なく幕を閉じることとなった……
住本朏狩ひかるは犯人を逮捕したことに満足し、そのまま四神像を元の場所へ返さず部下と共に大二郎を連行して帰って
行った……
與鷹よたか「あの警部……像を置き忘れていったぞ……」
かんな「まぁ、その方が実は好都合ですが……」
與鷹よたか「……あ、ああ……オーパーツだから、こっちで管理すべきだし……」
と、言うわけで、ルシャに頼んでレプリカを作ってもらい、本物はEighterで預かることになったのであった
※勿論、東西南北の寺院にはアトランティスでコピーしたレプリカが届けられています。
……こうして、この実は仕様も無い事件は幕を閉じたのであった……


END

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