Eighter -Chaos Desorder-
43rder 〜月輪がちりん旭陽きょくようの終焉 A〜



#0
辛うじてかれんを撃退したかんな……と、そのとき、歳殺陽天さいさつようてんが具現化、そして、次の瞬間にはかれんを
滅ぼす……かれんはただ、陽天ようてんに踊らされていただけに過ぎなかったのか!?
……裏切られたかれんをよそに、かんな……怒りの月天げってん覚醒……そして、陽天ようてん月天げってんの死合が始まった!

#1
歴史の墓場、Kくろの墓標
歳殺陽天さいさつようてん歳殺創破さいさつそうは!!」
ドドドッ
邪悪な虎が鋭い爪で抉り取るかの如く黒き剣閃がかんなを襲う
白拍子かんな「当たりません」
バヒュッ
それをいとも簡単に回避するかんな……月天げってんに加えてかんなの超運は……陽天ようてんを軽く凌駕する
歳殺陽天さいさつようてん「ぬ……ぐうう……!!!」
ギギンッ
ギャギイイッ
月天げってんの加護を受けたかんなの運は、もはや神運……その神運をもってして軽やかに陽天ようてんに攻撃を仕掛ける
かんな……さしもの陽天ようてんもその動きには完全については行けず……
かんな「龍咬舞刃りゅうこうぶじん!」
キュオアアアアアッ
そして、至近距離からの一撃……
歳殺陽天さいさつようてん「ぐうう……」
ドガンッ
光の龍がそのまま陽天ようてんを弾き飛ばす
ザザザッ
かんな「……はっ!龍咬舞刃りゅうこうぶじん!」
キュウオアアアアッ
陽天ようてんが飛ばされた後、間髪入れずにもう一度光の龍を繰り出すかんな
歳殺陽天さいさつようてん「なめるなぁッ!!月天げってんッ!!!歳殺世破さいさつせいはッ!!」
ギャオアアアアッ
梓與鷹よたか「ぬなっ!?」
邪悪な剣閃で作った虎の頭部が迫り、光の龍を噛み砕く
歳殺陽天さいさつようてん「はっ!」
ダムッ
ゴギャンッ
そのまま勢いに乗って間合いを浸食し、かんなに斬りかかる陽天ようてん
かんな「く……ぬぬ……」
ギリギリギリギリギリギリッ
上段からの重い一撃を受けるかんな……そして、組み合う2人……
歳殺陽天さいさつようてん(……くっ……神たる我が力を受け止めるなどと……やはり、この女……ただものではない
 ……)
歳殺陽天さいさつようてん「だがなぁ!!」
ズギャンッ
かんな「ぐ……うううう!!?」
ドギャアアアッ
あまり言い気になるなよ!よと陽天ようてんはそのまま刀を振り下ろし、力尽くでかんなを弾き飛ばす
ザガガガガガガッ
與鷹よたか「か……かんな!?」
タタタッ
居てもたってもいられず弾き飛ばされたかんなの元へ駆けつける與鷹よたか

#2
かんな「……大丈夫です、リーダー……危険ですから、下がっていてください……」
だが、手を突き出し、制止するかんな
與鷹よたか「いや、しかし……」
かんな「……リーダー……」
私が、何とかします……だから、私を……月天げってんを信じてください……と眼で訴えるかんな……
その決意に満ちた目を見た與鷹よたかは、再び安全な場所へと退避し、死合を見守る
與鷹よたか(かんな……)
與鷹よたかが安全な場所に行ったことを確認し、かんなは陽天ようてんを睨む
歳殺陽天さいさつようてん「……遺言はそれで終りか!?……月天げってん!!」
かんな「……あなたこそ、遺言として残すことはありませんか!?」
歳殺陽天さいさつようてん「フ……戯言を……」
チャキッ
刀を構え直して呟く陽天ようてん……
ズゴゴゴゴゴゴゴゴッ
殺気と邪気が高まる
かんな「……」
ズズズズズズズズズッ
かんなも負けじと殺気を吊り上げる……その張りつめた空気は……重く……息も出来ないほどに……
與鷹よたか(次……で、決まる……か!?)
ゴクリ……と固唾をのんで見守る與鷹よたか
・
・・
・・・
かんな「はああ!!鳳鸞舞刃ほうらんぶじん!」
ドギュオアアアアアッ
剣閃で具現化した火の鳥が歳殺陽天さいさつようてんに向かう
歳殺陽天さいさつようてん歳殺黝衝さいさつゆうしょう」
ドギュオアアアアアッ
禍々しい剣閃で具現化された黒き虎が火の鳥に飛び掛る
ドズガアアッ
2つの鳥と虎がぶつかり合い……
歳殺陽天さいさつようてん「ぬううああああ!!!」
ズズズズズズッ
均衡が続くかと思いきや、火の鳥を押し返す黒き虎……
與鷹よたか「ヤ……バ……」
このままではかんなが……月天げってんが……しかし、與鷹よたかはかんなを信じる……
かんな「……てえええええい!!!」
その想いが……かんなを強くする……
ゴバッ
歳殺陽天さいさつようてん「な……にぃ!?」
ズバウアアアアッ
歳殺陽天さいさつようてん「お……ごあああ!!?」
そして、そのまま黒き虎を、歳殺陽天さいさつようてんを、貫き両断する火の鳥
ズガガガガガガガガッ
火の鳥はそのままはるか地平線の彼方まで大地を焼き砕き、そして、見えなくなる
かんな「はぁ……はぁ……はぁ……」
魂の一撃……それを放ったかんなも……もはや……限界寸前……炎の記憶を地面に突き刺し、ひざまず歳殺陽天さいさつようてん「ク……クククク……クハハハハハハ!!!!」
與鷹よたか「ま……さか……あれでもダメなのか!?」
もはや、打つ手はないのか!?……と與鷹よたかが絶望しかける……
歳殺陽天さいさつようてん「クハァ〜〜〜〜ッハッハッハッハッハッハ!!!」
なおも、Kくろの墓標に……歳殺陽天さいさつようてんワラい声がこだまする
かんな「はぁ……はぁ……陽……天……」
もはや、立ち上がる気力も無いのか……かんなはひざまずいたまま陽天ようてんを見据える
歳殺陽天さいさつようてん「フ……フフ……」
ボウッ
絶体絶命……に見えたその時、陽天ようてんを炎が包み込む
歳殺陽天さいさつようてん「……月天げってんんん……貴様ぁあああ!!!!!!」
サラサラ……サラサラサラサラ……
陽天ようてんの体が崩壊していく……
與鷹よたか「……勝った……のか!?」
ここに……陽天ようてん VS 月天げってんの死合は幕を閉じたのだった……
※で、話はもうちょっとだけ続くよ……

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