Eighter -Chaos Desorder-
42nder 〜月輪がちりん旭陽きょくようの激闘 B〜



#3
かれんがかんなを憎む、その最大の理由が分かったのだが……それはとばっちりみたいなものであり……
かくて、世界の存亡を賭け、かんなとかれんは死合いだす!
白拍子かんな「姉さん……あなたは間違っています!」
白拍子かれん「黙りなさい!!間違っているのはあなたの方なんだから!」
※いや、間違っているのはかれん、お前だ!
ドギャインッ
ギャギャインッ
打ち込みあい、そして距離を置く2人
かんな、かれん「はああ!!」
ゴッ
かれん「煉獄極舞刃れんごくきょくぶじん!」
かんな「煉獄舞刃れんごくぶじん!」
ジュドゴアアアアッ
そのまま両雄は炎の剣閃を打ち放つ。
かれん「無駄よ!無駄!!私のこの燃ゆる想いの炎はあなたには砕けないんだから!」
ボジュアアアッ
かれん「ぬ!?」
アハハハハ……と哂っていると……炎の剣閃同士が相殺される
かんな「……私だって姉さんに譲れない想いがあるんです!……この死合!絶対に負けられない!!」
梓與鷹よたか(……なんだか修羅場っぽい……)
與鷹よたかを巡る攻防……だが、與鷹よたかはかんなしか見ていない……
かれん「ええい!幽黒極舞刃ゆうこくきょくぶじん」
ズアアアッ
そんな與鷹よたかを忌々しげに眺めつつ、闇の波動をかんなに襲わせるかれん
かんな「はっ!嵐渦舞刃らんかぶじん!」
ズギョギャルアッ
大気の渦が闇の波動を掻き消す……
かれん「ふふ……やるじゃない……かんな……」
かんな「……」
かれん「だったら……これはどう!?光焔熾こうえんしKR耀こくげんよう!」
ドゴアアアッ
ギャウウアアアッ
與鷹よたか「な……に!?」
炎と闇がかれんを覆う
かんな「姉さん……!?」
かれん「さぁ!あなたも全力でかかってきなさい!さもないと……死ぬわよぉおおお!!!!」
ズオオオオアアアアッ
一面に迸る邪悪な殺気
與鷹よたか(くっ……息が……苦し……)
結構離れた場所で見ていても……かれんの……歳殺陽天さいさつようてんの邪気に息が詰まる與鷹よたか……
かんな「……神鳴舞刃しんめいぶじん」
ギョキョアアアアアッ
かれん「ハッ!霹靂極舞刃へきれききょくぶじん」
チュギョギョギョオオアアアアッ
かんなの打ち下ろした雷は……かれんの巻き起こした雷にかき消される
かんな「くっ!?」
かれん「はあ!灼炎極舞刃しゃくえんきょくぶじん!」
ズオアッ
透明な炎がかんなに迫る
かんな「磊地舞刃らいちぶじん!」
ドゴガガガガガッ
大地を巻き上げ、その飛礫つぶてで炎をかき消そうとする……
かんな、かれん「はああああ!!!」
ガカアアッ
ズオオオオオオオオオオオムッ
そして、2つの技はぶつかり合い、爆発を巻き起こす

#4
かんな「くっ……」
ザザザザッ
爆発の余波は凄まじく、後退するかんな
かれん「あはははは……どうよ!かんな……あなたの使う技なんて私には通用しないのよ!……何せ、
 私の第四の力フォース・フォースには黒の獣王ネロ・ビスティアの力が取り込まれているんですからねぇ!!」
ぶしゅうっ
勝ち誇ったかのようにかれんが叫ぶ……だが、そのとき、かれんの左肩に裂傷が……
かれん「くっ……何!?」
かんな「……私の炎の記憶にだって……黒の獣王ネロ・ビスティアに対成す白の新星ビアンコ・ノヴァの力と毘留帝主ビルタスの想いが込められている
 んですよ、姉さん!!」
かれん「小賢しい真似をおお!!」
かんな「はああっ!」
ギュンッ
一気に間合いを詰めて斬りかかるかんな
かれん「ぬああああああ!!!」
ガギャインッ
ギギギンッ
ギギンッ
そして、それを受けるかれん……勝負は激しい鍔迫り合いへと移行する
與鷹よたか(……お互いに技が切り札にならない以上……あとは生命のせめぎ合い……か!?)
いけるのか……かんな!?と與鷹よたかはまたしても、かんなの身を案じる
かれん(どうして……あなたは私を見てくれないの!?)
かれん「死になさいッ!!かんなぁあああ!!!」
ギインッ
ガガンッ
叫びながら剣を振るうかれん……
かんな「くっ……姉さん……」
かんな(もう……姉さんは……元には戻れないの!?……たおすしか……無いの!?)
ジリジリッ
狂気に近い想いを込めかれんは咆える……その……力に、かんなな徐々に圧されていく……
ぼやああっ
そして、その時、かんなだけにいつぞやのもやが……
*(……分かっているはずです……)
かんな(……貴方は……)
*(この死合は……迷いのある方が死ぬ……)
かんな(でも……)
*(……今、貴方がすべき事は何か……既に分かっているはずです……)
かんなが今、すべき事……それは、鵺帛主ヤヌスの均衡を築き、世界の崩壊を防ぐこと……そして、その為には姉
をたおす以外に道は無い……という残酷な事実……
*(『人』であるが故に出来ないのであれば……)
かんな(……私が……やります!!)
かんな「姉さんッ!!」
ガギャギイインッ
もやとの会話も終わり……覚悟を決めたかんなは決意を新たに炎の記憶を振る
かれん「かんな……かんなぁあああ!!!」
ギリギリギリギリギリッ
組み合ったまま動かぬ2人……
かんな「……姉さん……」
かんなは実の姉たるかれんを斬り捨てることができるのか!?……そして、それは鵺帛主ヤヌスの均衡を築く足掛かり
となるのか!?


続

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