Eighter -Chaos Desorder-
40ther 〜ネット世界に消ゆ B〜



#3
暇だからといって、こっそりとチャットを楽しんでいたあろえとおぼろ……だが、與鷹よたかにバれ、2人はしぶしぶと
Eighterの業務へと戻る
※ときに、Eighterの業務って……何!?(おいおい……)
雨水おぼろ「うぁれ!!?」
梓與鷹よたか「どうした?」
と、そんなとき、おぼろが可笑しなことに気が付く……
おぼろ「……迷惑メールっぽいのが届いているんですけど……」
與鷹よたか「……おかしいな……迷惑メールは全てアトランティスの力で排除されるはずなんだが……」
オーパーツCPは現存するネットワークからしてみれば情報独立網スタンドアローンのようなもので……その庇護により、迷惑な
情報は完全にシャットアウトされている……また、先日、ムーに対して攻撃を送信したのだが、かんなは
アトランティスでは基本的に物理情報を受信しない設定にしているので滅多なことがない限り、この防御壁を
突破されることはない……はず……
百鬼あろえ「どんなメールなんですか?」
おぼろ「IPアドレスとMACアドレス……・そして、助けて……の文字……とサイトのURL」
興味を持ったあろえも話に乗ってくる。
與鷹よたか「……嫌がらせ……じゃないとすれば……依頼かなぁ?」
あろえ「このアドレスの人が困っているってこと!?」
與鷹よたか「……うん、そうなる……んだろうけど……」
依頼なら、メールか直接やってこればいいわけで、なぜ、こんなことをしているのか……と考えていると……
おぼろ「このURLに飛んでみたら何か分かるかも……」
與鷹よたか「おいおい、不用意にそんなものをクリック……」
パッ
與鷹よたかの制止も聞かず、リンクをクリック……すると、そこに3D映像の漢が映し出される
*「た・・助けてくれ……出られなくなったんだ!!」
與鷹よたか「……出られなく!?」
いきなりそんなことを言われても、わけが分からない與鷹よたか……
白拍子かんな「……詳しく説明してくれますか?」
かんな、登場と共にディスプレイに語りかける
あろえ「いや、かんな……これに話しかけても……」
*「……俺は……昨今の情報化の時代に合わせてネット世界で生きてみようと決意したんだ……」
おぼろ「うえええ!!?」
與鷹よたか「……まさかネット世界に生きるって……本当にネット世界の中で生きてみようなどと思ったわけじゃ
 あるまいな!?」
*「……」
一同「図星かよッ!!」
かんな「どうやら、オーパーツ、電子情報変換器サイバー・インをどこからか入手してそれを組み込んでネット世界に入り込んだ
 みたいですね……まぁ、入り込んだのはいいけど、出る方法が分からなくなった……と、そういうこと
 でしょう」

#4
かんなの説明に……一同、オカしな人物もいたもんだ……と沈黙……
與鷹よたか「……出すにはどうすればいい?」
かんな「物質情報変換器サイバー・アウトを使用すれば可能です」
あろえ「まず、それを探すわけ!?」
ああ、なんか凄く骨が折れそう……とあろえ……
與鷹よたか「……いや、前にルシャーティーが送ってくれたオーパーツのリストの中にあったような……」
おぼろ「それだ!!」
・
・・
・・・
と、言うわけで早速取り寄せる一行、そしてアトランティスで彼の居場所を特定し、そこへと急行する
東京都、糎練せんちねる研究所
與鷹よたか「……ここか!?」
ウオオオオオオオッ
部屋中のパソコンがめまぐるしく稼動している……
あろえ「……あの筐体の中にいるんですかね?」
おぼろ「ふぅ〜〜む……」
かんな「じゃ、早速やりますよ……」
OCTUに物質情報変換器サイバー・アウトを繋げて彼をサイバー世界から現実世界へと引き戻す……
プシュ〜〜〜
ガコンッ
根源亮「ふぃ〜〜〜、戻ってきたぜ〜〜!!」
肩をならしつつ漢は……反省の色なさそう……
與鷹よたか「ったく、もう二度とこんなフザけた真似をするんじゃないぞ……」
と、電子情報変換器サイバー・インを取り上げる與鷹よたか
亮「ああ。そんな殺生な……」
あろえ、おぼろ「殺生も後生もあるか……」
亮「……あれ?……」
あろえ「……何か?」
亮「……何か……ヘンな感じが……」
かんな「……それは当然です」
亮「え!?……俺、何したの!?何があったの!?教えて、運の女神様!!!」
運の女神に縋り付く亮
かんな「あなたはオーパーツを現代科学の製品に繋げて利用し、サイバー世界へ飛び込んだものですから……」
與鷹よたか「ふんふん」
かんな「小数点以下の情報データが四捨五入されたんですよ」
あろえ「……それって……」
かんな「……視力が0.5上がり、身長が0.3cm下がり、体重が0.4kg増量……といったところでしょうか……
 」
亮「ほげああ!!?……視力はともかく、身長、体重はイタイ!!……たた、助けてくれ!!」
一同「はぁ……」
・
・・
・・・
……結局、OCTUに電子情報変換器サイバー・インを繋げて彼を再びサイバー世界へ投入し、さらに物質情報変換器サイバー・アウトにて
再変換してもとの状態に戻したのであった……
かんな「これに懲りたらもう二度とおかしな真似はしないでくださいね……」
亮「そんな、ネット世界で生きていけなくなったら俺は……どうすれば!」
一同「だから、ネット世界で生きるの意味が違う!!」
妙なことで絶望に打ち拉がれる亮を置き去りにして一行は電子情報変換器サイバー・イン物質情報変換器サイバー・アウトを確保して帰ったの
であった……


END

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