Eighter -Chaos Desorder-
40ther 〜ネット世界に消ゆ A〜



#0
情報化社会が進む中、ある漢はネット世界に生きると言い出し、間違ったことを行った……これは……そんな
漢の物語……

#1
東京都、糎練せんちねる研究所
カタカタカタカタッ
大量のパソコンに囲まれながらもくもくと作業を続ける漢……彼は、名を根源亮と言った……
根源亮「頼むぞ……うまくいってくれよ……」
カタカタカタカタッ
細心の注意を払い、プログラミングを行う亮
カタカタッ……カタッ
亮「……まずは、実験……行くぞ……」
カチッ
Enterキーを押し試験を実行……プログラムが起動しいくつもの関数が呼び出されてはコンソールにログを
出していく
キュウウウウ〜〜〜〜ンッ
亮「おし……おし……おし……」
実験が終了し、ログが全て吐き出されると、今度はエラーが無いかを確認することに……
・
・・
・・・
亮「いよっしゃああああ〜〜〜!!!成功だ……」
思わずガッツポーズを取る亮
亮「……これで……やっと俺はネット世界に生きられる……」
カタカタ……
今度はタイマーを設定して、プログラムを始動……そのまま筺体の中へと入っていく亮
亮「来い!!!!」
キュウウウウウ〜〜〜〜ンッ
部屋にある全てのスパコンが一斉に演算を開始……
ヴオムッ
亮「うはあああ!!!?」
シュパアアアッ
そして……そこで、一旦、亮の意識は途切れる……
・
・・
・・・
亮「くっ……ここは!?」
亮が気が付くと……そこは……2進数が飛び交う、右も左も、上も下も無い世界……
亮「……成功……したのか!?」
ピポパポパッ
手を動かしていろいろと操作してみる……
亮「お……」
飛び交う2進数は文字データや画像、映像データへと変わっていく……
亮「移転装置……サイバー・ダイバーは……成功だ!!」
……そう、この漢……ネット世界に生きると言い出し、本当にネットの中で生きていこうと考えたおかしな
人物なのである……
亮「さっそく探検……おっと……そのまえにウィルスにかからないようにファイアーウォールで覆って
 おかなきゃな……」
ふんふん……と空間にコンソールを出現させ、値をいろいろといじくってみる亮……
この後、彼に悲劇が襲おうとは……誰も知らない……

#2
天四斗あまよと、Eighter本部
百鬼あろえ「あ〜〜、今日は依頼が無くて暇ねぇ〜〜」
とある日のEighter本部……あろえは一人そんなことを呟く
梓與鷹よたか「だからといってここでチャットとは感心できないなぁ……」
あろえ「わわわっ!リーダー!?」
バタンッ
と、そこに背後からコッソリと與鷹よたか……自分が実は遊んでいた……ってなことに気付かれ、咄嗟にノーパソ
を閉じるの。
あろえ「ダメですよ!リーダー勝手に女の子のノーパソを覗いたりしちゃ……痴漢で訴えられますよ……」
それに、覗いたときに丁度『いやぁ〜〜んな画像』が表示されていたらどう責任とってくれるんですか!?などと
変なことを心の中で付け足す。
與鷹よたか「いや、あのな……俺は仮にも職務中にチャットをするなと言っているわけで……」
雨水おぼろ「そうよ、あろえ、あなた間違っているわ……」
與鷹よたか「だろ!?」
おぼろ與鷹よたかの言葉に乗っかって宣言。
おぼろ「仕事用のパソコンでチャットをするなんて言語道断!するなら個人用のパソコンでしなさい」
と、仕事用のパソコンとは別に個人のノーパソで内職をしているおぼろ
與鷹よたか「うぉい!そっちも間違ってるから……」
おぼろ「……あれ!?このOsって人……落ちちゃった!?」
與鷹よたか「ってお前もチャットかよ!?」
暇だからって遊ぶんじゃないよ……と與鷹よたか……しかし、2人には蛙の面に水……
あろえ「オーエス……じゃなくってゼロの複数形でゼロスって読むのよ」
おぼろ「あ、そうなんだ……」
與鷹よたか「……ってか2人して同じチャットに入ってたのかよ……」
あろえ、おぼろ「……」
あろえ「じゃ、このlo-ngってのは……おぼろだったの?」
おぼろ「そ、ローングじゃなくってナーガだけどね」
※lo-ng……long(長)の『な』と『が』の間に『ー』でナーガ
與鷹よたか「……あのなぁ……お前ら……」
おぼろ「あら!?誰か入ってきた……えっと、こん、はつよろです。>孤独な蠱毒こどくさん」
あろえ「それにしても、孤独な蠱毒こどくとはまたおかしなHNね……」
一同「はい!?」
あろえ「蠱毒こどくと言うのはね、壷のなかに無数の生き物を入れて殺し合わせ、最期に残ったものが蠱毒こどくになると
 いう呪術。孤独1人では出来ないことを言うのよ」
おぼろ「出た!あろえのトリビア」
あろえ「何?悪い?」
與鷹よたか「いや、誰もそんなことは言ってないと思うんだが……」
おぼろ「あら?この人のタイピング能力、ずば抜けているわね……」
あろえ「あ、本当だ……こっちが何か言ったとたんすぐさま返事返ってくる……」
與鷹よたか「……人間業じゃねぇな……こいつ……」
と、感心する與鷹よたか……
與鷹よたか「じゃ、なくって……お前ら……仕事しろ仕事!!」
あろえ、おぼろ「は〜〜い」
プツンッ……
そして、一行は仕事に勤しむのだが……さっきのチャットの相手は今回の事件に関わっていた事に……
まだ気づいていない……


続

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