Eighter -Chaos Desorder-
36ther 〜女壬生狼みぶろ明殺みょうさつ者 B〜



#3
閣氏カクシ新撰組の本部に堂々と……ヌケヌケとやってきた明殺みょうさつ者……そして、そうが殺すと宣言し……かくて死合
は始まった……
斎藤そう「はあ!」
河上沢斗たくと「よっ……」
ガギンッ
ギギギンッ
余裕でそうの剣を受ける沢斗たくと……遊んでいるがの如く……実に楽しげではある……
そう「くっ……」
沢斗たくと「ふふん……」
近藤iいさみ(この漢……)
土方歳四(ええ……間違いなく強い……)
沖田総花「そう……」
尋常ならぬ力を秘めた相手だ……と一行は認識……そうの身を案じる
そう「はあああ!!」
ズガンッ
と、その時、力任せに沢斗たくとを弾き飛ばすそう
沢斗たくと「おっと……」
そう天狼碎牙てんろうさいが」
ドッ
沢斗たくとが怯んだ隙に左片手一本刺突を入れる。
総花「そう!!」
と、その時、総花が叫ぶ……
バチインッ
そう「なに!?」
沢斗たくと「はい、納刀」
そして……刺突は沢斗たくとに決まることなく、いつの間にか盗まれたそうの刀の鞘に納められる
そう「……」
バッ
何が起きたのか分からず……とりあえず退くそう……
総花「……弾き飛ばしたあの時、鞘を奪ったのよ……」
そう「なっ!?あの一瞬で!?」
これには驚きを隠せないそう……
沢斗たくと「……強いと思っていたけど、結構弱いんだね……」
はぁ……とため息をもらしながら沢斗たくとが呟く
そう「何を!?」
沢斗たくと「これじゃあ……幕末から続いた最凶の死合もあっけなく終わってしまうよ……」
iいさみ「幕末!?……何を言っているの?!この漢……」
突然何を言い出すんだ!?沢斗たくとは……と一行は混乱……しかし、そんな中、萌だけが真実を見抜く……
冥時みょうじ萌「……そうか、明殺みょうさつ者……お前は河上沢斗たくと……」
沢斗たくと「うん。そうだよ」
松原忠美「ふぅん、明殺みょうさつ者って河上沢斗たくとってな名前なんだ……」
そう「……そういうことか……お前こそ、幕末四大人斬りが1人……河上彦斎げんさいの子孫……と、言うわけ
 か……」
そして、そうも悟る……斬り殺したい衝動は……彼が因縁のライバルの子孫であったからこそである……と
総花「つまり、時を越えて、今再びその2人が邂逅であったのね……?」
そう「ならば、手加減はせん……お前を殺して華を添える!!」
グオオッ
殺気がほとばし沢斗たくと「……」
そう「さっさと死ね!!天狼碎牙てんろうさいが!」
ドッ
先程よりも遥かに早く突き出す

#4
だが、何のこともなく回避される
スカアッ
そう「な……なに!?」
チャキッ
そして、虚を突かれたそうに刀を突き付ける沢斗たくと
沢斗たくと「……詰まらないや……」
ふぁ〜〜と欠伸あくびをしながら沢斗たくとは残念そうに言う
一同(この漢……強すぎる……!!?)
沢斗たくとの力を目前に、一同は戦慄……
沢斗たくと閣氏カクシ新撰組って言うから面白そうと期待したのに……単なるお遊びだったんだね……」
総花「遊びですって!?」
沢斗たくと「……だってそうでしょ?ここにいる全員……孤高の剣鬼以外誰1人として俺の遊び相手にもならないよ
 ……」
一同「うっ……」
萌「……」
確かに……今まで積極的に人を斬ってきた萌と……子孫だから集まって結成してみよう……などと言う
集団とでは……くぐった修羅場の数が違いすぎる……
沢斗たくと「と、言うわけで……孤高の剣鬼様……俺の相手をしてくれない!?」
そうに背中を向け、萌と話し込む沢斗たくと
萌「……フン……死にたいのなら……遠慮はせん……」
ズラッ
沢斗たくとに言われ、萌も元屠歳殺げんとさいさつ流、四屠しとの陣で抜刀しかける
そう「待ちなさいよ……沢斗たくと……」
沢斗たくと「何?」
そう「あなたは……私が殺す!そう言ったでしょ」
ゴアッ
咆えると同時に一足飛びかかる
総花「そう……退きなさい……」
iいさみ「怒りに任せた攻撃は隙を……」
気持ちは分かるがここは退きなさい……焦ると生命を落とすわよ!と一行……
沢斗たくと「分からない人だなぁ……」
ピッ
沢斗たくと「むう……」
ザザザッ
だが、油断していたのか沢斗たくとの顔に切り傷が……そのまま距離を置く沢斗たくと……傷を指でなぞる
歳四「一矢……報いた!?」
沢斗たくと「……ふぅん……油断しちゃったのかな……それとも……」
そして……沢斗たくとから笑みが消える……
そう「殺すから本気でかかって来い!」
ドギュンッ
一同「速っ!?」
さっきよりもさらに速い踏み込み、そのまま一気に沢斗たくとの間合いに侵食し、斬撃を繰り出す
沢斗たくと「おおっとっ……」
ガギギンッ
それを受ける沢斗たくと
ギリギリギリッ
そして、2人はそのまま組み合う……
沢斗たくと「……ふぅん……憑祖ひょうそか……」
萌「何だ?それは……?」
歳四「憑祖ひょうそ……優れた先人の意志を取り込むことによってパワーアップを図るというものよ」
萌「……フンなるほど……そうには今、斎藤一の意志がついている……と?」
沢斗たくと「執念か信念か知らないけど……同じ土俵に上がってこれたみたいだね……いいだろう……本気で
 相手をしてあげよう……」
ズオオオオッ
沢斗たくとの殺気が上がり……
そう沢斗たくと「はあああ!!!」
ズガギンッガガガンッドガギンッ
そして激しい鍔迫り合いへと移行する……
果たして……2人の死合の結末やいかに……


続

前の話へ 戻る 次の話へ