Eighter -Chaos Desorder-
25ther 〜闇にかそけし綺羅星 B〜



#3
ジュオオオオッ
地面をかしながら見えざる炎の刃がかんなに迫る……そして、かんなの扱える技……虚無舞刃きょむぶじんの氷点では
炎を相殺することは敵わぬ……
白拍子かんな「根源舞刃こんげんぶじん」
バアッシュッ!!
一同「!!!?」
絶体絶命の……そんな最中……突如、かんなの前方の空間が爆ぜ、見えざる炎の刃は掻き消える
白拍子かれん「なっ……!?かんな……あなた……今、何をしたのよ!!」
かんな「……分かっているんじゃないですか……姉さん……」
かれん「くっ……」
ギリっと歯を食いしばるかれん
かれん「……相手の存在そのものを消し去る羅神綺無らじんきむ流の……禁術」
梓與鷹よたか「んなっ!?……」
百鬼あろえ「そんな反則な!!?」
相手の存在を打ち消す最強にして究極……そして反則な技……故に禁術……かんなはこの大一番でそれを
やってのけた……
かんな「……まだ……やりますか!?」
チキッ
炎の記憶を突き付け、かんなが迫る
かれん「くっ……」
かんなの気迫に気圧され……ジリッと後退するかれん……
歳殺陽天さいさつようてん(落ち着け……根源舞刃こんげんぶじんは確かにこれ以上なく反則な技だ……)
と、その時、かれんの頭の中に歳殺陽天さいさつようてんの囁きが響く……
歳殺陽天さいさつようてん(だが……反面、最も制御に難しい技……)
……そう、そんな反則で究極で絶対な技が……ポンポン使われては困る……だからこそ、禁術となっている
わけだが……何もそれだけではない……この根源舞刃こんげんぶじん羅神綺無らじんきむ流の技の中で格段に扱いの難しい技……
なぜならば……もし、この技が暴発したならば……
かれん「……随分と危険な橋を渡ったみたいじゃない……かんな……分かっちゃったんだから……その
 技……もし、暴走したならば……」
かんな「……私を中心に……全ては無に帰す……」
一同「んなぁああ!!?」
巨大すぎる技にはそれ相応の代価が必要である……それを思い知らされた一行……
かんな「……」
今度はかんなが後退する番……そして、ここぞとばかりにかれんが責め立てる
かれん「灼炎極舞刃しゃくえんきょくぶじん灼炎極舞刃しゃくえんきょくぶじん灼炎極舞刃しゃくえんきょくぶじん!」
ドドドッ
またもや見えざる炎の刃がかんなに襲い掛かる
かんな「根源舞刃こんげんぶじん!!」
バアッシュッ……
だが、やはり消し去られる……
與鷹よたか「か……かんな!!?」
その技の危険性に……與鷹よたかも気が気じゃない……たまらずかんなに呼び掛けてみる

#4
かれん「くっ……かんな……あなた……死にたいの!!?」
かんな「……私は私の運に自信と誇りを持っています」
チキッ
炎の記憶を突きつけてかんなが吼える
與鷹よたか(……だから……信じてほしい……と……そう言いたいのか!?……)
かれん「ええい……」
歳殺陽天さいさつようてん(信念か……実にも恐ろしきものよ……)
かれん(くっ……かんなぁ……)
ダッ
かんな「はっ!」
ガギンッ
かんなの信念に圧倒されたのか、それとも灼炎極舞刃しゃくえんきょくぶじんではかんなを斃せないと感じ取ったのか……かれんは
技を使うことを諦める
かれん「かんなぁ!!人間ごときが神の力を手にした私に適うと思わないことね!!」
かんな「姉さんこそ……神の力を手にしたというのなら……その御力をもってして一掃したらどうですか?」
ガギギギンッ
ギギギギンッ
ギンギンッ
そして両者は激しい鍔迫り合いを繰り広げる
與鷹よたか「くっ……かんな……」
與鷹よたか(神の……邪神、歳殺陽天さいさつようてんの力を手にしたかれんと……素で互角に渡り合える……かんな……
 お前は……)
※これぞ、まさしく『運の女神の真骨頂!』(いや、どこがだよ……)
ザダンッ
ババッ
暫く鍔迫り合いを行った後、また距離を置いて対峙する……
一同「……」
そのまま動かない両者を……一行は固唾をのんで見守る……
かれん「はあああ!!!」
と、先に動いたのはかれん……ガイア、シエルを上段から一気にX字を描くように……渾身の一撃を放つ
かんな「てぇええいい!!!」
対するかんなは迫る兇刃を横に薙ぎ払う
ズギャイィィィインッ
キュラキュラキュラキュラッ……
かれん「はっ!!?」
ガイア、シエルの刃が切り裂かれる
かんな「勝負ありです!姉さん!!」
かれん「くぅ……かんなぁ……」
奇しくも……前回の死合と同じ敗北……
歳殺陽天さいさつようてん(ここは、退くぞ……)
かれん「うふふ……かんな……私たちの死合は……まだ始まったばかりなのよ!!」
ズズズズズッ
歳殺陽天さいさつようてんに提案され……かれんが闇に包まれていく
かんな「逃がしませ……」
ガインッ
かんな「きゃうっ!?」
追いかけようとしたかんなだが、かれんが何かを投げつけたことにひるみ、そして逃げられてしまう……

#5
かんな「姉さん……」
かれん……無事に逃走……そして、かれんが最後に投げつけたものは・・
投げつけられたものは……紅い宝石が中に入っている巨大な緑色の宝石
與鷹よたか「なっ!?それは……王宮一級品ロイヤルコレクションの1つ……マクログリーン!!?」
一同「えええ!?」
かんな「……リーダー……ひとまず帰り……」
ふらりっ
與鷹よたか「お、おい、かんな……」
倒れそうになったかんなを與鷹よたかが抱きかかえる
・
・・
・・・
こうして……九星団との最終決戦は終わり……九星団は瓦解した……だが……かれんVSかんなの死合は
……まだ、始まったばかりなのである・・
2人の死合にケリがつくのは……いつの日か!?


END

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