Eighter -Chaos Desorder-
23rder 〜闇に煌めく綺羅星 D〜



#7
與鷹よたか……双狼拳そうろうけんの伝承者としてゆたかに格の違いを見せ付ける……と、そんな折、ゆたか與鷹よたかの知らない双狼拳そうろうけんを
使い出す……
天宮ゆたか「背中がガラ空きだぜ!與鷹よたかぁ!」
梓與鷹よたか「むっ!?」
ドドガガッ
咄嗟に後ろを振り向く……や否や拳の嵐……
與鷹よたか「ぐ……ぐくう!!?」
ザザザザッ
後れを取ったために防御に徹するしかない與鷹よたか……だが、無情にも……拳は荒れ狂う
ゆたか「はあ!!魔狼幻惑まろうげんわく」
ボバババッババッ
そこへ追い討ちをかける分身による一斉拳打
與鷹よたか「チイイッ……聖狼躱虚しょうろうたうろ!!」
ヒュゴアアッ
與鷹よたかゆたかの拳打を全て回避しつつ、反撃に出る
ゴガアアアアッ
ゆたか「ハハハハ……その技を使わない限り俺には勝てんと悟ったか……だが……甘いぜぇ……」
聖狼躱虚しょうろうたうろ……まず、相手の技を回避して、それから強力なカウンターを打ち込むというもの。ちなみに、
 與鷹よたかは回避率100%です。(ンな反則な……)……これが拳帝の力……!?
與鷹よたか「……チッ……受けられたか……」
だが、しかし、與鷹よたかの渾身の一撃はゆたかの本体が受け止めたのであった……
ゆたか與鷹よたか……これが俺の双狼拳そうろうけん!!フフフ……この奥義はなぜ先人達が後世に残さなかったもの……
 なぜだか知らんが……不思議なもんだな……こんな力を自ら捨て去るなんざ……愚かだ……」
かれんが見つけ出さなければ……この技は永遠に封印されたままであっただろう……
ゆたか「ふふ……これが……俺の拳……そして、『拳の魔王』の力!」
與鷹よたか(……そうか……あの邪悪なは……天狼を魔狼へと変える殺戮の奥義!!)
今、與鷹よたかは理解した……先人が何故その技……など一切を封印したのか……
與鷹よたか「……愚か者は貴様の方だ!ゆたか!」
ゆたか「何ぃ!?」
與鷹よたか「俺には分かる……何故、貴様が今使っている技が封印されたのか……」
ゆたか「はぁ!?」
毅然と語る與鷹よたかに何を言い出すんだ!?と言わんばかりのゆたか
與鷹よたか双狼拳そうろうけんの本質は天狼の如く拳……即ち、蒼天に座す天の狼……貴様のその邪悪な拳は……天狼を
 地獄へと叩き落とす……天に座す狼を地獄を這う狼に貶めるような技など……双狼拳そうろうけんには不要……」
ゆたか「ハッ……何を戯言を……そんなこと……本当にあったら……馬鹿な先人じゃねぇか……これほど
 の力を……捨てるなんざ……」
與鷹よたか「……力に溺れし者が……そのような者が現れないように……先人は魔奥義を封印したんだろう」
與鷹よたか(だが、その試みも……虚しく……崩れてしまった……)
そう、かれんの運により、発見されてしまった……そして、現代に黄泉帰ってしまった……これは……
双狼拳そうろうけんの先人にとっては、一番恐れていた事態であろう……
グッと拳を握り締める與鷹よたか
與鷹よたか「ならば……俺が……先人に代わって再び封印してやるが双狼拳そうろうけん伝承者の定め!」
ゆたか「ハッ!ほざけぇ!!」
ズドムッ
邪悪な殺気で與鷹よたかを弾き飛ばす
ゆたか「俺こそ……双狼拳そうろうけん、『拳の魔王』!與鷹よたか……我が『拳の魔王』の伝説の礎となりて……この場で
 くたばるがいいわ!!!」

#8
力こそ正義……力に溺れし者……そのような奴に双狼拳そうろうけんを継ぐ資格は無い……與鷹よたかは決意を新たに拳を
構える
與鷹よたか「……双狼拳そうろうけん伝承者として……貴様の拳を封じる!!……おぉおっ!神狼九断しんろうくだん!」
ドドドドドドドドドッ
と、ゆたかに対して瞬時に9回の打撃を加える
ゆたか「ハッ!見える……見える、見える、見える……見えるぞ!與鷹よたか!!貴様の動きがまる分かりだぁ!」
ヒュババババババババッ
9回の打撃全てを見切る
ダダンッ
ぐおっ
與鷹よたかの奥義を回避したのち、拳を構えるゆたか……
ゆたか「今度はこっちの番だ……死ね!!與鷹よたか!!!双狼拳そうろうけん・裏奥義!戮狼戴天ろくろうたいてん」
ドギョアアアアッ
拳に纏ったオーラが狼の顔を形成しそのまま喰らい付き闇へと引きずり込まんとする。
その邪悪な拳は……まさしく魔奥義と言うに相応しい拳
ゆたか與鷹よたか……死ねぇええああああ!!!!」
ゴアッ
與鷹よたか「……冥狼舞吼めいろうぶこう!」
フッ
ゆたか「な……何だ!?」
兇刃が……與鷹よたかを捕えたかと思われた次の瞬間、いきなりゆたかの視界が真っ暗になる
與鷹よたか「おおおおおおおお!!!」
ドガガガガガガガガッ
そして狼が群れ成し敵を襲うかの如く放たれる拳の嵐
ゆたか「お……ごええあああああ!?」
ズオオオオオオッ
ダガンッズムッ
そのまま弾き飛ばされ、壁に激突するゆたか
ゆたか「ぐ……ぐぐぐ……ぐく……」
與鷹よたかの奥義をまともに喰らい、身動き一つ取れないゆたか……
ジャリッ
與鷹よたか「所詮裏奥義など……紛い物の強さに過ぎん……」
ゆたか「……おの……れ……與鷹よたか……」
ぐぐぐっと力を振り絞り……拳を與鷹よたかに突き出そうとするのだが……もはやその拳に邪気も覇気もない
與鷹よたか「……そして……そんな紛い物の力に頼るようなお前に双狼拳そうろうけんを扱う資格は無い!!失せろ!!」
ゆたか「……く……そ……」
ドタリ……
……ゆたか……師匠に代わって與鷹よたかより破門宣言
……だがゆたかの打倒與鷹よたかの野望は……潰えたわけではなかった……まぁ、それはまだ別の話であるが……
今は……決着がついた……ということである。


続

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