Eighter -Chaos Desorder-
20ther 〜本物を超えた贋物 A〜



#0
それは突如起こった不可解な偽札事件……
そして、この事件の一番の不可解な点は……どちらも正しくあること……

#1
天四斗あまよと、南海銀行
銀行員「……な……何だ……何なんだ……これは!!?」
2つの紙幣を見比べて……1人の銀行員が驚きの声を上げる……
銀行員「おい、どうした!?……」
銀行員「この……2つなんだが……」
2つの新1万円札
銀行員「これが……どうしたんだ……」
普通のお札ではないか!?一体どこに何の問題が!?と首をかしげる銀行員
銀行員「いや、おかしいんだよ……これ……」
……それが……事件の発端であった……
・
・・
・・・
天四斗あまよと、Eighter本部
早速銀行員は、その2枚のお札を手にEighterへとやってくる
梓與鷹よたか「で、今回はどう言った?」
銀行員「まずはこれを見てください」
と、2枚の新1万円札を見せる
某敢それがし・いさむ「……して、これが……何で……ござるか!?」
與鷹よたか「要するに、片方が偽札なんだろ?」
いさむも訝しむ中、與鷹よたかが答える
銀行員「……そうなんですが……」
雨水おぼろ「え?なんで分かるの?」
おぼろもビックリ……だが、何故一発で偽札と見分けられたのか……その答えはいたって簡単だった……
與鷹よたか「通し番号が同じだ」
おぼろ「あ、本当だ……」
銀行員「しかし……偽札かどうかを判定した結果、両方とも本物……と鑑定されるのです」
一同「は!?」
一同、これには驚きを隠せない……どちらかが偽札ならば……判定の結果本物はただ1つに絞られるはず
……そして、日本の紙幣に使用されている偽札防止策は世界トップレベルであり、まして、数年前に新造された
ばかりの紙幣を……素人が簡単に凌駕できるはずがない……
銀行員「……これは……ありえない……なぜ、通し番号のまったく同じ2つの紙幣が……本物と判定
 されてしまうんだ!?」
おぼろ「もし、可能性があるとするならば……造幣局で間違って同じ通し番号の紙幣を作っちゃった……とか
 !?」
一同「いや、それは……ないだろう……」
おぼろ「だよね〜〜〜」

#2
暫く沈黙が続き……そして、依頼人クライアントは口を開く
銀行員「私が考えた末にたどり着いた答えは……入り○みミラーで鏡面世界に入り、そこでフ○ルミラーで
 さらに鏡面コピーしたのではないか……と」
一同「いや、それこそありえない展開だろう?」
銀行員「……そ、そうなんですよねぇ……」
※入り○みミラーとフ○ルミラーさえあればどんなものでも偽造し放題!(しかも、『本物』として)
……と、まぁ……そんな戯言はおいといて……
與鷹よたか「えっと……つまり、依頼内容としては……どちらが偽札なのかの判定と、犯人の特定……という
 ことでいいんですかね?」
銀行員「……そ、そうですね……出来れば犯人は逮捕してほしいんですが……」
一同「それは警察の仕事でしょ!」
そこまでウチに求められても……と與鷹よたか。
銀行員「……」
・
・・
・・・
與鷹よたか「……分かりました。とりあえずやってみましょう」
とりあえず、世界最高水準の偽札防止策を駆使して作られた日本の紙幣と存分に違わぬというかどう見ても本物
みたいに偽造する技術となると……オーパーツが絡んでいると與鷹よたかは踏み、Eighterはこの依頼を引き受ける
ことにした。
銀行員「ありがとうございます。では、依頼料ですが……」
ゴトッとジュラルミンケースを取り出し……
銀行員「実は、このお金……先ほど銀行の金庫から仕入れてきたお金でして……」
一同「ちょっと待て!それ、犯罪だろ!」
※人は、それを『仕入れる』ではなく『くすねる』と言う。
銀行員「……と、言うのは冗談でして……」
與鷹よたか「……いや、笑えない冗談だな……」
依頼、取り消しちゃおうかな……などと考えてしまう與鷹よたかであった……
・
・・
・・・
が、しかし、オーパーツが関わっているこの事件、與鷹よたかは受けないわけにはいかなかった。
※どんなオーパーツが使用されているのかとか興味があるからね……
與鷹よたか「……かんな、何か分かったか?」
かんなにアトランティスで解析を行ってもらうことにする與鷹よたか……
白拍子かんな「はい。……アトランティスでの照合結果、偽札はこちらですね」
『贋物』という烙印を押した紙幣をみなに見せるかんな
おぼろ「……それにしても、よくこんなアッサリと偽札を見破れるものね……オーパーツCPって……」
與鷹よたか(……だからこそ、オーパーツなんだけどな……)
と、與鷹よたかが思うのであった……
かんな「それから、アトランティスの解析の結果、使用されているオーパーツも判明しました」
與鷹よたか「何!?」
かんな「歪視の被膜ディストーション……真実を歪めるオーパーツです」
アトランティスで検索結果を表示して見せるかんな
與鷹よたか「……なるほどな……」
おぼろ「いや、一人納得されていても……真実を歪めるって……どういう……意味?」
かんな「ただの紙切れ……それを歪視の被膜ディストーションを駆使して外見を歪ませ、あたかもお札であるかに見せかける
 ……」
その逆の作法を行えば……とかんなはアトランティスを操作すると……
スウッ
一同「うわっ!?」
偽札の印刷が消え、烙印のみが残る。
おぼろ「……これはまた……」
と、いうわけで、依頼の半分、偽札の判定は終わった……あとは、犯人を捜し出すだけだが……


続

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