#3
中川邦武（ほうむ）「運の女神さま……どうか、この事件をスパっと解決してやってください」
一同（いや、まずはお前がもう少し頑張ってよ……）
かんなにまる投げする中川警部に一同は呆れる
白拍子かんな「……」
梓與鷹（よたか）「……かんな……まぁ、別に無理して答えなくていいんだが……」
かんな「……あ、いえ……ですが、この事件にはオーパーツが関与している……んで……」
與鷹（よたか）「何！？そうなのか！？」
オーパーツが絡むとなると目の色が変わる與鷹（よたか）……そして、オーパーツが絡んでいるということは、通常の
方法では解決できないということだ……
かんな「……現場に硝煙反応が出なかったのは、犯行に使われたのがエアガンだからです」
一同「何ぃ！！？」
「ガス式のエアガンも硝煙反応が出ないのか！？」
一同「おい……そこ……」
中川警部の発言に呆れる一行……
警官「だがなぁ……どうやってエアガンで人を殺すと……？」
與鷹（よたか）「そこでオーパーツの出番だ……そうだろ？かんな？」
かんな「はい……今回の事件で使用されたオーパーツは増幅器壱号（ブースター・ワン）……物質の能力を極限まで強化する
　試作品です」
與鷹（よたか）「ふむ」
アトランティスの検索結果を見る與鷹（よたか）
梔曹（くちなし・つかさ）「なるほどな……極限まで高められた射撃の威力……それはBB弾を致死の魔弾へと変えるってわけだ」
かんな「はい」
邦武（ほうむ）「つまりだ、エアガンを持っているヤツを片っ端から逮捕すればいいわけだな……」
またしてもトンでもない発言をする中川警部
與鷹（よたか）「……あの人、黙らせて……」
流石に與鷹（よたか）、愚痴を漏らす
警官「すみません……バカな警官で……」
一同「……」
と、いうわけで中川警部には暫く黙ってもらうことに……
・
・・
・・・
與鷹（よたか）「……じゃ、話を続けますが……」
警官「しかし、そんな相手にどう立ち向かうと言うんだ！？」
かんな「……策はありますよ。この増幅器壱号（ブースター・ワン）は試作品的オーパーツ……能力を極限まで高める代物で
　あっても、素材の強度はそのままです」
警官「……それは、どういう……？」
與鷹（よたか）「つまり、アレか……エアガンそのものや、BB弾はそのままの強度でしかない……と」
かんな「はい。そうです」
曹（つかさ）「……なるほど、だから、現場にはBB弾が残らないのか……射撃の衝撃にBB弾が耐えられなかったから
　……粉々に砕けてしまった……」
曹（つかさ）（……そうと分かれば……早速、先日テーレノで入手したアレを使うか……）
ポケットの中に手を突っ込む曹（つかさ）……そこには黄金に輝く弾丸が……

※その弾丸は穿ちし黄金の刃（ゴールデンセイバー）……オリハルコンで作られた至高の逸品である。もとより八大帝国ではまだ銃器
　が存在しなかったのだが、曹（つかさ）がテーレノの新領主になったことでたちどころに現実世界の銃火器の情報が
　八大帝国に流れ込んだのである。

#4
そして、曹（つかさ）はかんなと共に、事件解決のために東京都へと飛ぶ
東京都、某所
かんな「……あ、来ましたね……」
ジャキッ
迷彩服に身を包んだエアガンを構えた漢がやってくる。アトランティスによる検索の結果、彼の名前は佐波豹架（ひょうか）
ジャリッ
曹（つかさ）「……お前の凶行もここまでだ……」
佐波豹架（ひょうか）「なっ！？何だ……てめぇは！？」
早速ターゲットを物色していた豹架（ひょうか）……の前に現れる曹（つかさ）
曹（つかさ）「遊びで人を殺すなよ……」
豹架（ひょうか）「うるせぇよ！このッ！」
ズドオンッ
銃声一発……極限の威力で打ち放たれたBB弾は空気抵抗の摩擦で真っ赤に燃え尽きながら曹（つかさ）を横切った
豹架（ひょうか）「んなっ！？……避けた……だと！？だが！まぐれは2度も続かないんだよ！！」
ズドンッドオンドオンッ
続けて3発……しかし、その全ては回避される
豹架（ひょうか）「バカな……貴様……人間か！！？」
尻込みしながら、豹架（ひょうか）は叫ぶ……
※ちなみに、BB弾とはいえ、通常の銃弾より速いその弾道を見切り、回避できるのは鬼眼鏡（きがんきょう）のおかげです。
曹（つかさ）「銃（ガン）の扱いがなってないぞ……」
チャキッ
曹（つかさ）、ワルサーP-99を構える
豹架（ひょうか）「う……うああああ！！！」
ズダンダガンダアンドオオンッ
ご乱心の豹架（ひょうか）、拳銃乱射……だが、狙いの定まらない銃弾なんかに当たるような3流ではない曹（つかさ）は難なく回避
し……
ダンッ
カウンターとして銃声一発
バキャイイッ
豹架（ひょうか）「ごわっ！！？なななあぁ！？」
その1発がエアガンを粉微塵に叩き壊した……
豹架（ひょうか）「え……えええ……えええ！！？本物の拳銃！！？ず、ずりぃ！！そんなの卑怯だ！！」
警官「……実銃よりも強いかもしれないエアガンを使っている方が卑怯だろうが……」
そして、後方に構えていた警官隊もその場に登場、豹架（ひょうか）を囲む
豹架（ひょうか）「うげげっ！？サツぅ！！？」
邦武（ほうむ）「逮捕だぁ！！！」
一同「おおお！！」
ドドッ
ガチャリッ
こうして……謎の無差別発砲事件の犯人はお縄についた……
豹架（ひょうか）「ぐ……ぐぅうう……」
・
・・
・・・
後日、どうやら豹架（ひょうか）はサバイバルゲームにはまり、それが度を越えて実際に殺し合いをしたくなったのだと供述
……全く、世の中にはフザけたヤツもいたものである……


END