Eighter -Chaos Desorder-
18ther 〜異世界漂流数奇譚 A〜



#0
ある日、與鷹よたかの提案で歴史の墓場と呼ばれる異世界の……八大帝国と呼ばれる古代国家へ探索に出ることに
なったEighter一行……しかし、移転の際、突如契約の指輪が輝きだし……Eighterの8人はそれぞれ別々の
国へと飛ばされてしまう……與鷹よたか以外のメンバーは現実世界への切符を手に入れることに成功したようだが
……果たして……

#1
梓與鷹よたか「……ん……むぅ!?」
ドッ
*「わははははは……」
*「あはははは……」
與鷹よたか「……な……何だ!?」
與鷹よたかが気が付くと……あちこちから笑い声が聞こえる……
ここは異世界……歴史の墓場、八大帝国が1つのはず……
與鷹よたか「……何だ?お笑いのライブでも……やっている……のか!?」
*「よぅ、兄さん、目ぇ覚めたかいな!?」
と、そこに1人の漢が……
*「あんさん、見かけない面ぁやねぇ……ここ、八大帝国が無、セロに何しに来たん?」
與鷹よたか「……セロ……?」
首をかしげる與鷹よたか……と、その時……
*「おお、そいつぁ……領主の証……ルミナスリングちゃうんか!?」
與鷹よたか「へ!?……ああ……契約の指輪か!?」
*「なっ!?ってことはあんさん……新領主候補なんか!?」
ダッ
そして、漢はお笑いライブが行われているステージに駆け寄る
*「ライブはここで一旦終いや……」
一同「え〜〜〜!?何言うてん!?こっからや……」
*「アホぬかすなや!新領主がお目見えなんやぞ!」
一同「な……なんやて!?」
ざわっ
一同、與鷹よたかを見る
*「お前らも……早ぅ着替えや!」
一同「はいな」
ドタバタッ
そして、お笑い芸人は鎧を着込みだす
與鷹よたか「……ええっと……」
兵士「はい、お待っとさんでした……ワイら、新喜劇警備隊ラーフアンドピース、ここ、セロを警備しつつ、セロに笑いを広めて
 いる一団や」
與鷹よたか「は、はぁ……」
與鷹よたか(街の治安を護る舞台が……お笑い!?)
與鷹よたかがびっくりしていると……兵士の1人が話しかけてくる
兵士「あんさん……先代、ルート・O・オリジン様ぁの遺志ぃ継ぐもんやんな……」
與鷹よたか「……あ……ああ……」
多分、そうだと思う……と與鷹よたか。
兵士「OK、任しとき、ワイらがキッチリ案内してみせるわ」
と、言うわけで、與鷹よたかは笑う自警団と共にセロ、領主の城を目指す
・
・・
・・・
兵士「でな、我らの領主様は『人に笑われるようなことはしてはあきません』と名言を残されたンや……どや
 いい言葉やろ?」
與鷹よたか「……いい言葉なんだろうが……今のアンタたちにとっては矛盾した言葉なんじゃ!?」
兵士「何や、兄さん、つれへんなぁ……そういうときはなぁ……」
一同「なんでやねん!」
ドッ
兵士「って突っ込むモンが筋ぃっちゅうもんやで!」
実演しつつ叫びだす一団
與鷹よたか(……突っ込み待ちだったのか……)

#2
そして、その後もお笑いトークを弾ませつつ、與鷹よたかはセロの領主の城……その地下の入り口へと案内される
兵士「ほな気ぃつけてお入り……」
與鷹よたか「ん!?道案内はここまでなのか!?」
兵士「そやで……いいか、あんさん……こん中はなぁ……決められた人しか入れへんのや……例えば
 領主様とかな、領主様とかな、領主様とかや……」
與鷹よたか「……全部同じだっつの!」
ぺしっ
與鷹よたか、さりげなく突っ込む
一同「おう!それやそれ!!」
兵士「……ただ、あかんなぁ……もっと突っ込みは激しゅう……」
兵士「まぁ、それは、また、別の機会に磨いてもらうとするわ……」
與鷹よたか「あ……ああ……」
と、いうわけで、與鷹よたか、地下へ……
・
・・
・・・
與鷹よたか「……A:『猫が寝込んだ』……B:『ギニャァ〜〜』……なんだこりゃ!?」
よく見ると、通路の壁にネタが書き込まれている
與鷹よたか「……この国は……」
※無の帝国、セロ……ここは常に笑いが絶えない帝国……そして、なぜか関西弁……
與鷹よたかが若干呆れつつ、通路を進むと……
ルート・O・オリジン(……セロを継ぎし者よ……)
與鷹よたか「……先代の……領主か!?」
與鷹よたかの頭の中に声が響く
ルート(セロを継ぎし者よ……来るのだ……我が元へ……虚無垂飾きょむすいしょくを受け取るがいい)
與鷹よたか「……」
そして、與鷹よたかは声に導かれるまま、地下を進み……祭壇へと辿り着く
與鷹よたか「……ここは!?」
祭壇の中央に、ペンダントが安置してある。
與鷹よたか「あれが……虚無垂飾きょむすいしょくか!?」
と、いうわけで、ペンダントの前にやってくる與鷹よたか……そのままペンダントを手に取ると……
ルート(汝、セロの新たなる領主なり……)
最後に頭の中にルートの声が響き……そして、セロの後継者として認められる……
與鷹よたか「……しかし、後継者になったはいいが……みんなは無事なのか!?」
・
・・
・・・
そのまま與鷹よたかは地上へと帰還し……
兵士「では、これより、新領主歓迎会を閉じたいと思いますぅ〜」
一同「閉じてどないすんねん!開けやぁ!!」
歓迎パーティームード一色であった……
與鷹よたか「……あ、いや……歓迎も有難いんだが……」
兵士「どないしたんや!?」
兵士「ほか……現実世界へ帰りたいんやな……」
與鷹よたか「あ……ああ……」
兵士「分かっとるで……現実世界へ帰るにはなぁ……」
そして、與鷹よたかも現実世界への切符を入手する……これで後はみんなと合流できればいいのだが……


続

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