Eighter -Chaos Desorder-
17ther 〜異世界漂流幻想譚 D〜



#7
*「フッ……」
ゴアッ
杜季良やまなし・きよし「はっ!?」
ズガムッ
ゴロゴロッ
突如殺気……それを察知した季良きよしは転げ回り回避……そして、今しがた自分の頭があった場所に斧が……
季良きよし「なっ!?」
*「気が付いたか……新領主ぅ!」
不穏な空気が漂う異世界……咄嗟に構える季良きよし
ババッ
*「ふふん……ようこそ、八大帝国、闇のアンブリオへ……」
ザッ
*「俺たちはこの国の自警団……闇黒の帝国自警団ダークネス・セキュリティーの一員よ……」
季良きよし「……どう見ても自警団には見えないが……」
どうみても、ならず者の集団にしか見えない
兵士「その指のルミナスリング……てめぇが、このアンブリオの新領主ってわけだ……」
兵士「そうか……1000年不在だったこの国にも、遂にヘッドが戻ってきたわけか……」
ぐぐっ
季良きよし「……」
一触即発の空気の中、季良きよしは拳に闘気を纏わせる……
兵士「待ちな……新領主……」
ザッ
そこに1人のヤクザが歩み出る
季良きよし「アンタは!?」
兵士「ワイはなぁ……この闇黒の帝国自警団ダークネス・セキュリティーのリーダー、セン・リー・アクズィよ」
季良きよし「……で……?」
センもセンで尋常ならざる殺気を放出している……
セン・リー・アクズィ「……てめぇ、ここは初めてだな……ワイがここがどんな国か教えてやるぜ」
季良きよし「……大体予測できるが……聞くだけ聞こう……」
セン「……フッ……臨戦態勢を整える……その意気やよし……」
そして、相変わらず殺気を放出しつつ、センは語る
セン「まずは先代からだ……先代は……名をザード・バ・イオハと言う。1000年前におっんだ奴だ……
 そいつは……何よりも差別を嫌っていた……」
季良きよし「……それで……?」
セン「だから……奴は全ての差別を撤廃した……いいか、ここでは差別は無い、罪人も一般人も死刑囚も、
 王家貴族も全て同じポジションに立つ。誰もが同じ権利と同じ階級を持つ……それがアンブリオ……
 八大帝国が闇……」
季良きよし「それは差別の撤廃ではないぞ」
※全ての差別が撤廃されたこの国……犯罪者たちはこぞってこの国へ押し寄せてきたという……故にこの国
 はならず者の集う無法地帯になった……
セン「……まぁ、なんだっていい……肝心なのは……てめぇが新領主の候補ってことだ……」
季良きよし「だったら?」
セン「四の五の言わずに領主の城へ行き、認められて来いや!」
ビシっと親指を地面に向けてセンは叫ぶ

#8
そして、季良きよしはアンブリオの領主の城へ……
兵士「アンタがか……まぁ、せいぜい死なない程度に頑張りな……」
ずおおおおおっ
凄まじい殺気、邪気が地下通路から迫ってくる
季良きよし「……フン……」
コツコツコツ……
地下通路を進むと……
*「ごおあああ!!?」
季良きよし「ハッ!重殴気じゅうおうき!」
背後から迫る殺気に対し、オーラと拳による2連打を叩き込む
スカアアアッ
季良きよし「……なっ!?……誰も……いない!!?」
*「おおおおおおおお〜〜〜!!」
*「ぐおおあああえええああ!!!」
だが、しかし、確実に叫び声は聞こえる
季良きよし「……そういうことか……ここは……亡者が集う場所……と、いうことか……」
ばばっ
しゅおおおおっ
理解した季良きよしは両の拳を構え、気を蓄える季良きよし
季良きよし「……いいだろう……俺も復讐鬼だ……かかって……来い」
*「おおぅらあおああああ〜〜〜!!?」
ドドッ
季良きよし……迫る亡者を闘気の拳で片っ端から成仏させていく
季良きよし「おおおううああ!!!てめぇらの執念ってのはこんなものかああ!!?」
*「ぐるうあぁああ〜〜〜!!!」
ズドンッ
ドゴガアアアッ
バギャアアアンッ
・
・・
・・・
季良きよし「はぁ……はぁ……はぁ……」
迫る亡者を千切っては投げ、千切っては投げ、どんどん地下を進み、開けた場所へたどり着いた季良きよし
ザード(アンブリオを継ぎし者よ……)
季良きよし「親玉か!?」
ババッ
頭の中に響く声に咄嗟に身構える季良きよし
ザード(我こそザード・バ・イオハ……万難を排しよくぞここまでたどり着いた……お前こそ、アンブリオ
 を継ぐに相応しい……さぁ、受け取れ……アンブリオの支配者の証……覇気胸針はききょうしんを)
ボウッ
そして、祭壇にあるブローチに光が……
季良きよし……構えを解き、祭壇へと向かう……
季良きよし「……試練は……終了……と、言うことか……」
季良きよし……祭壇へと向かい、ブローチをゲットする
ザード(汝……アンブリオの新たなる領主なり……)
シュコオオッ
その時、光が風と共に走り……地下通路に立ち込めて居た亡者の思念が全て祓われる
季良きよし「……行くか……」
そして、季良きよしは地上へと戻る
セン「ほぉう……やるじゃねぇか……新領主……」
地上で待っていたセンが労っていない労いの言葉を投げかける
季良きよし「……」
差別の無い国なので、やっぱり目上の人に対してもフランク
※フランクってなレベルじゃねぇだろうが!!
季良きよし「……それで……現実世界へ帰るにはどうしたらいい?」
セン「ハン……だったらなぁ……」
またもや不穏な空気……が、しかし、一応教えてはくれる……
と、いうわけで、季良きよしもまた、現実世界への切符を手にしたわけなのだが……


続

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