Eighter -Chaos Desorder-
17ther 〜異世界漂流幻想譚 C〜



#5
某敢それがし・いさむ「……」
いさむいさむでとある国へ……
ザザッ
いさむ「むっ!?」
バッ
取り囲まれた……事を察知したいさむは突如跳ね起き、ー砕がんさいに手をかける
兵士「……新領主様殿……どうか、刃を御御御おんおみ御納め下さいませです。はい……」
いさむ「……ぬ!?」
兵士「不肖、この私めこそがこの御御御おんおみ御国、サグラードの警備、統治を勤めさせて頂いていますので
 ございます、神聖帝国騎士団きよらかなナイツにございますです。はい」
いさむ「……お主、敬語が無茶苦茶でござるよ」
兵士「これはこれは新御御御おんおみ御領主候補様殿。申し訳ありませぬでございますです。はい」
しかし、注意しても変わらぬ騎士団……
いさむ(……これは言っても無意味でござるな……)
と、いうわけで、無茶苦茶な敬語は無視することに決めたいさむ
兵士「……つきまして、新御御御おんおみ御領主様殿、本日はどのような用件にてサグラードへ御御御おんおみ御参りになられ
 ましたのでございますでしょうか。はい?」
いさむ「如何様な用件と申されても……拙者は……気が付いたらここにいたでござるが……」
どうしたらいいものか……と困るいさむ
いさむ「……ときに、先ほどから拙者のことを新領主と呼んでいるのでござるが……それは……?」
兵士「はっ……その指のルミナスリングは……八大帝国領主様の御御御おんおみ御証……それはつまり、この
 サグラードの後継者の資格を得たものの御御御おんおみ御証でございますです。はい」
更に間違った敬語で話は懇切丁寧に続く……
ここ、サグラードは八大帝国一敬語を多重して使う国。敬語に敬語を重ねる故、おかしな喋り方になっているの
だが……誰ひとり気にしない。
いさむ「……なるほど……話は分かったでござる……つまり、拙者がこの国の後継者とやらになれば、現実
 世界への門は開かれる……でござるな?」
一同「左様でございますです。はい」
いさむ「あい、分かった……某敢それがし・いさむ……これより領主の証を引き取りに参る!」
畏まって叫ぶいさむ
兵士「左様ならば……不肖、この私めが……先代御御御おんおみ御領主様殿……レイ・D・アション様殿の御御御おんおみ御
 遺しなられました御御御おんおみ御品の元までの案内をさしあげますでございますです。はい」
いさむ「うむ、任せたでござるよ……」

#6
と、いうわけで、オカしな敬語は最早無視して、いさむはサグラード領主の城へと出向く
兵士「こちらにございますです地下通路が、先代御御御おんおみ御領主様殿の御御御おんおみ御遺しになられました御御御おんおみ御証が
 安置されている祭壇への通路にございますです。はい」
いさむ「うむ、承知したでござる」
ザッザッザッ
見送りの兵士とそこで別れ、いさむは地下を進む……
いさむ「……なかなかに厳かな雰囲気でござるな……」
霊験あらたかな通路を進むいさむ……と、そのとき……
レイ(サグラードを継ぎし者よ……)
いさむ「ぬぅ……何でござるか!?」
頭の中に声が聞こえる
ババッ
咄嗟に頭を振り、辺りを見渡すいさむ……そして、声は続く。
レイ(我が名はレイ・D・アション……サグラードを継ぎし者よ……我が元まで来るのだ……そして、
 サグラード領主の証、明星幻爪を手に取るのだ……)
いさむ(この声……これが先ほどの御仁の申していた……先代領主殿の……)
しかし、何故、先代の声はまともで、現在の民の声はおかしくなっているのか!?領主不在の1000年の間に何が
あったのか……疑問でならないいさむいさむ「……いや、今はそんなことを考えている場合ではござらぬな……」
ジャリッ
かくて、いさむは地下を進む……
やがて、地下には開けた場所と……祭壇……そしてそこに突き刺さる1振りの刀……
いさむ「これが……明星幻爪でござるか……?」
その刀は……明星の名が示す通り、金色の刃を持っていた……
いさむ「……某敢それがし・いさむ、参る!」
スッ
気合を込めて、明星幻爪を抜くいさむ……が、思った以上に簡単に明星幻爪は抜け、拍子抜けしてしまう。
レイ(汝、サグラードの新たなる領主なり)
コアアアアッ
先代領主の言葉とともに、明星幻爪が光り輝く……
いさむ「……拙者……これにて……領主に……なったでござるか……?」
・
・・
・・・
そして、いさむは帰還すると……
兵士「新御御御おんおみ御領主様殿が御御御おんおみ御帰還になされましたでございますです。はい!!」
やっぱりオカしな敬語軍団に出迎えられるいさむ
いさむ「……」
兵士「おお、あの御御御おんおみ御刀は……確かに先代御御御おんおみ御領主様殿の……ものでございますです。はい」
明星幻爪を見て1人の兵士が呟く
兵士「やはり、貴方様殿は……誠に正しい、この御御御おんおみ御国……サグラードの後継者でございますです。
 はい」
一同「新御御御おんおみ御領主様殿〜〜〜」
ザザッ
と、一行、いさむを前に盛大に敬礼を行う
いさむ「……む……して、拙者は……どのようにすれば、現実世界へ戻ることができるのでござるか!?」
そして、当初の疑問を投げかけるいさむ
兵士「はっ……新御御御おんおみ御領主様殿……現実世界へ御御御おんおみ御帰還なされるためには……」
そして、兵士の1人は語る……現実世界に戻るための方法を……
と、いうわけで、いさむもまた、元の世界へ戻る方法を知ったのだが……残りのメンバーは……!?


続

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