Eighter -Chaos Desorder-
15ther 〜漢は消え猫は残る D〜



#7
ここにきてかんなの口から驚愕の事実が……全ての発端は南のカラスにあり……彼こそが悪の根源だった
顔主秋桜かおす・あきさ「だから、私はあなたを兄などと呼ばない!」
キッと睨みつけて啖呵を切った後、彼女は育ての兄である天次てんじの元へ……
秋桜あきさ「兄さん……大丈夫!?」
顔主天次かおす・てんじ「……全てを知った上で……なお、俺のことを兄と……呼んでくれるのか!?」
秋桜あきさ「ええ……もちろんよ……兄さん……」
南のカラス「……何故だ!?何故……何故俺はまたしても全てを失う!!?何故だ!!?」
ギャア〜〜〜ギャア〜〜〜ギャ〜〜〜
南のカラスの怒りに呼応するかの如く、烏も咆える
梔曹くちなし・つかさ「……救いようのない奴なんだな……南のカラス……」
白拍子かんな「天次てんじさん……」
天次てんじ「……な……んだ!?」
かんな「あなたは伝説の大一番以降、足を洗い、牌に触れてすらいなかった……だからこそ、今回の大一番
 で敗北を喫してしまった……」
天次てんじ「……ああ、その通りだよ……」
かんな「ですが、それだけじゃ、ありません」
一同「はい!?」
ここにきて、かんなが天次てんじに追い打ちでも仕掛けるのか……と一同びっくり
かんな「私がここまでやってきたのにはもう一つ理由があります……」
そして、かんなは雀卓に歩み寄る
南のカラス「させん……させんぞ!!」
ギャ〜〜ッ
南のカラスが叫ぶと同時に、烏が1羽、雀卓からさいを南のカラスの元へ……
雨水おぼろ「かんな……どういう……あれってグラさいだったりするわけ!?」
かんな「……正確にはオーパーツ……暗黒の魔賽まさい……天次てんじさんはこの勝負……絶対勝てない状況だった
 んです」
一同「んなっ!?」
……暗黒の魔賽まさい……それはその場を所持者の思いのままに支配する魔の確率操作アイテム……
そして、かんなは與鷹よたかからお願いされてそれの回収のためにここにやってきたのだ……
與鷹よたかがどこからこの情報を掴んだのかは……不明です。……べ、別に考えてないわけじゃないんだから
 ね!(何故ツンデレ風!?)
かんな「暗黒の魔賽まさいはEighterが管理します。……それを渡してください」
南のカラス「だが、断る!!」
まぁ、当然の答えだろうな……と一同は思う
ぐぐっと暗黒の魔賽まさいを握り締める南のカラス
南のカラス「……一つだけ教えておく……この暗黒の魔賽まさいはなぁ……何も麻雀の場を支配するだけの
 アイテムじゃ……無いんだよぉお!!」
一同「……どういう……まさか!?」

#8
南のカラス「もう、遅い!!」
シャッ
一同が、麻雀の場だけを支配するものだと思い込んでいた矢先、南のカラスはこの空間を支配するべくさいを振る
南のカラス「フフフ……フハ〜〜〜ハハハハ!!これで……この場は俺の……」
だが、次の瞬間、南のカラスは硬直する……
南のカラス「3……だと!?」
出目は1と2の3……
おぼろ「……ん〜〜、残念ね〜〜〜」
秋桜あきさ「……へ!?な……何!?」
いまいち状況がつかみ切れていない秋桜あきさ……
おぼろ「これがピンゾロだったら……良い結果……だったんだけど……さいの振りをミスったのね……」
南のカラス「馬鹿な……ありえん!!この場は……俺の支配下にあったはずだ……さいをミスるなんて……
 俺がそう望まない限り起こり得ない……そして、俺はそんなこと微塵にも望んでいない……」
おぼろ「……あぁ、分かったわよ……」
秋桜あきさ「え!?何が!?」
おぼろ「ふっふっふ……南のカラス……ここにいる彼女を誰だと思っているわけ!?」
南のカラス「は!?何をいきなり!?」
おぼろ「彼女はねぇ……運の女神、白拍子一族の娘……」
かんな「……」
ズズズズッと無言のプレッシャーが……南のカラスにだけ見える
南のカラス「ば……馬鹿な!?」
おぼろ「そうよ……かんなの超運は……魔の確率操作をも凌駕する!」
※すごいな!かんなの超運!……ってことは、かんなが暗黒の魔賽まさいを使ったら無敵じゃないか!?
南のカラス「……く……くっ……」
がっくりとくずおれる南のカラス……その間にもかんなは暗黒の魔賽まさいを回収し……そして、この事件はようやく
幕を閉じる
南のカラス「お……おのぉおおれぇ……貴様らぁ……この恨み……必ず……晴らす!!」
ギャ〜〜〜
バサバサバサバサバサバサッ
一同「くっ!?」
烏が不気味に鳴き、そして、一斉に烏が飛び立つ……
天次てんじ「消えた!!?」
そして、烏がいなくなったころには……そこに南のカラスはいなかった……
かんな「……彼はもう……人間ではない……」
一同「んなっ!?」
……復讐の為だけに生きてきた南のカラスは……とうの昔に人間をやめていた……
・
・・
・・・
でもって、一行は天四斗あまよと繁華街へ……
秋桜あきさ「御世話に……なりました……」
おぼろ「あ、そうそう……私、こう見えても東のおぼろって通り名があるのよ……」
天次てんじ「……」
おぼろ「今度、一局ちましょう」
そして、おぼろは強引に闘牌の約束を天次てんじとする……
※ちなみに、その後、南のカラスの消息を知る者は誰もいない……
南のカラス……彼は今もどこかで、復讐の牙を研いでいるのだろうか……それとも……
それは……誰も知らない……


END

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