Eighter -Chaos Desorder-
15ther 〜漢は消え猫は残る C〜



#5
驚愕の事実!自分の兄は……本当の兄では無かった……
その事実を知り、愕然とする顔主秋桜かおす・あきさ
顔主秋桜かおす・あきさ「で……でも……」
眼が見えるようになってから……ずっと天次てんじが兄だと思い込んでいた……つまり、それほどまで
に彼女にとって南のカラスとの思い出は薄かった……
梔曹くちなし・つかさ「……で、秋桜あきさの出自は分かったけど……それで、なぜ兄は失踪したんだ!?」
百鬼あろえ「そういえば……繋がらないわね……」
雨水おぼろ「……それは……」
あろえ「あ!もしかして……血がつながってないから妹じゃなく、1人の女性として見てしまって……この
 ままじゃイカン!!ってなことで離れて行ったとか!?」
つかさ「をいをい……」
おぼろ「……違う……わ……かんなからの情報によると……南のカラスは今も妹を諦めていない……の」
つかさ「何ぃ!?」
秋桜あきさ「じゃ……まさか……兄……は……」
おぼろ「ええ、伝説の大一番……再来……よ……」
かんなから場所を聞いているおぼろ……ここで、全てを知った秋桜あきさに……兄に逢いに行くのか……そして、
どっちを本当の兄にするのか……その覚悟は決まったのか……
秋桜あきさ「……私は……」
そして、彼女は……過去よりも今を選んだ……
おぼろ「……それで……後悔しないのね?」
秋桜あきさ「……はい。ですから……兄の元へ……」
おぼろ「……分かったわ……じゃあ……行きましょう……天四斗あまよとの暗黒街……その最深部へ……」
つかさ「おいおい、そんな場所で闘っているのかよ!?あの2人は!?」
おぼろ「……南のカラスはね……、今や復讐の2文字でしか生きていないのよ……」
※あ、そうそう、凄く言い忘れていたけど、北のツバメが北のツバメと呼ばれているゆえんは……彼の得意技
 が燕返しだったからです。(今更だな……)
・
・・
・・・
その頃……
天四斗あまよと、暗黒街最深部
南のカラス「フフフ……どうした!?北のツバメよ……そろそろトビだぞ!?」
顔主天次かおす・てんじ「くっ……」
着実に点棒を殺がれていく天次てんじ
天次てんじ(……伝説の大一番以降……足を洗い、牌に触っていなかったツケか……だが……これが潮時
 なのかもしれん……南のカラス……お前の妹を分捕った俺の……)

#6
天四斗あまよと、暗黒街
つかさ「……本当に……こんな場所……俺達が乗り込んで大丈夫なのか!?」
おぼろ「……まぁ、かんなも助っ人として来てくれたことだし大丈夫でしょ」
白拍子かんな「頑張ります」
あろえ「……なら、いいけど……」
と、言うわけで、かんなと合流したおぼろは南のカラスと北のツバメが死合う暗黒闘牌場へと足を運ぶ
・
・・
・・・
かんなの超運のおかげでヤクザなどとはち合わせることなく、かつ、最短距離で2人が死合っているばしょへと
辿り着き……
南のカラス「残念だが……トビだ!」
ギャ〜〜〜ギャ〜〜〜ギャ〜〜〜〜ギャ〜〜〜
烏が不気味に鳴き響き……天次てんじに引導が渡される
天次てんじ「……くっ……」
南のカラス「フ……フハハハハ……ハハハハハ……俺の……勝ちだ!!」
秋桜あきさ「兄さん!!?」
タタッ
そして、駆けつける秋桜あきさ
南のカラス「おお、我が妹よ……」
秋桜あきさ「兄さん……!?」
だが、しかし、その言葉は実の兄ではなく、育ての兄にかけられていた……
天次てんじ秋桜あきさ……」
南のカラス「な……何を言う!?妹よ……そいつは……俺からお前を奪った悪の玄人バイニン!」
秋桜あきさ「……ごめんなさい……南のカラスさん……でも、私にはあなたとの思い出が何一つ……思い出せ
 ないの……」
南のカラス「北のツバメ!!貴様ぁ!!俺の妹に……何をしたぁ!!」
ギャ〜〜〜ギャ〜〜〜ギャ〜〜〜ッ
烏が鳴き叫ぶ中、南のカラスは天次てんじを締めあげる
かんな「……そうですね……強いて言えば、優しく接してあげた……くらいでしょうか?」
南のカラス「何ぃ!」
と、そこでかんなが語る
かんな「イカサマを使い非合法な手段で悪どくお金を稼いでいいた南のカラス……全ては妹の為……それは
 分かります……ですが、それほどお金が足りなかったのですか?」
南のカラス「!!!?」
ドサッ
天次てんじ「ぐおっ!?」
天次てんじを投げ飛ばす南のカラス
天次てんじ「……くっ……確かに、俺は……伝説の大一番でお前から……妹を奪った……そして、お前が
 妹の為に金を稼いでいるのを知った……」
だから、南のカラスから妹を奪った天次てんじは……今度は自分が荒稼ぎをして、治療しようと決めた……
天次てんじ「しかし……秋桜あきさの手術費用は思ったほど高くなかった……いや、確かに一般の人から見ればそれは
 手が出せない金額だった……だがなぁ……お前が俺と伝説の大一番をした際のお前の持ち金……その
 半分……いや、1/3で妹は手術が可能だった!!」
南のカラス「……貴様……気付いてはならんことを!!」
全ては妹の為……と言いつつ、実は自分の為にしか金を稼いでいなかった南のカラス
かんな「……秋桜あきさに南のカラスとの思い出がないのも当然です……第一、秋桜あきささんの眼が見えなくなった事故
 を巻き起こしたのは……」
一同「まさか!?」
妹のため……という大義名分さえできれば許される……そう考えていた南のカラス……もはやそんな人物
は兄などと呼べない……


続

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