Eighter -Chaos Desorder-
15ther 〜漢は消え猫は残る B〜



#3
虹色の順番通り+αで猫を並べると出来上がる言葉は『ダイ、スゥ、シィ、スゥ、アン、コゥ、タン、キィ』
……だが、これが何だと言うのだ!?
梔曹くちなし・つかさ「……まぁ、麻雀でそんな役満があるって聞いたことがあるけど、それがどうしたんだ!?」
雨水おぼろ「分かったのよ……私がどこで彼を見かけたのか!!」
顔主秋桜かおす・あきさ「本当ですか!?」
おぼろ「ええ……」
百鬼あろえ「……ねぇ……それって……もしかして……」
おぼろが見かけたなんてことがあるとしたらそれは……雀荘しかないのでは……とあろえは思う
おぼろ「そう、雀荘よ!!」
一同「……」
そんな馬鹿な……と一同
おぼろ「ちょっと……ちゃんと私の話を聞きなさいよ……いいこと、ちょっと前に、北のツバメ、南のカラス
 って名うての玄人バイニンがいたのよ!」
そして、北のツバメこそ、秋桜あきさの兄、顔主天次かおす・てんじだったのだ……
おぼろ「いや〜〜、伝説の大一番以降ぱったりと姿を消していたからすっかり忘れていたわ……」
あろえ「何!?その物凄く気になる単語……」
おぼろ「うん、なんでも伝説の大一番ってのは、その2人の玄人バイニンがあるものをかけて闘牌したんだけど……おかしな
 ことに誰も事の顛末を知らないのよね……これは麻雀界の7不思議の一つなのよ!」
つかさ「……は……はぁ……」
秋桜あきさ「兄は……その勝負に勝ったのでしょうか?」
おぼろ「……そうねぇ……なぜか勝敗……だけは分かっているの……勝ったのはもちろん、北のツバメ……
 あなたのお兄さんだったそうよ……」
秋桜あきさ「そう……ですか……」
ちょっとだけ安堵してみる秋桜あきさ……
明日は晴れるかなぁ?明日は晴れるかなぁ?明日は晴れるかなぁ?
と、そこに突如謎の音声が……
つかさ「何だ!?この声」
おぼろ「おっと……私の携帯だ……」
ピッ
と、いうわけで、おぼろ、携帯を手に取る
白拍子かんな「あ、おぼろさんですか?」
おぼろ「ごめんね〜〜かんな」
かんな「……ええと、先ほどの話を続けてもいいでしょうか?」
おぼろ「うん?……ああ、えっと、なんだっけ……アトランティスで調べたの?」
かんな「はい。伝説の大一番のことですが……」
おぼろ「うんうん……」
そして、おぼろはかんなから伝説の大一番についての一部始終を聞く……

#4
パタンッ
おぼろ「……まさか……そんな出来事があったなんて……」
かんなとひとしきり会話を終えたおぼろは……表情を陰らせて携帯を閉じる
あろえ「……な、何……何があったの!?その伝説の大一番」
おぼろ秋桜あきさ……あなたは全てを受け入れる覚悟がある!?」
秋桜あきさ「え!?な……何ですか!?いきなり……まさか……兄は……もう!?」
おぼろ「……いや、ちゃんと……生きているわ……多分」
つかさ「……随分と歯切れが悪いな……」
おぼろ「……とりあえず、南のカラスって玄人バイニンの話をするわね……」
つかさ「おいおい、いきなり何だ!?」
兄の話はどうなったんだ!?とつかさ……しかし、秋桜あきさおぼろの話を聞く……と言うので、暫くおぼろの話を聞くこと
に……
おぼろ「ええっと……南のカラスってのはね……」
麻雀界では随分と荒れた男だったそうであり……無茶なイカサマを駆使して随分と悪どく稼いでいたらしい。
黒マントに身を包み、そして、玄人バイニンに害をなすその姿は……いつしか『カラス』などという呼び名に昇華し、
雀荘を恐怖に包みこんでいたらしい……
※ちなみに、南の地方から北上してきたらしいから『南のカラス』という名前なんだそうです……
そして、そこに、北から南下してきた玄人バイニン……北のツバメがカラスのあまりの悪どさに正義を気取り、勝負を
申し込んだそうである。
南のカラスは……イカサマの腕もさることながら当然、麻雀の腕もある。そして、北の大地から逃げてきた
という北のツバメもまた、ここへやってきてからはまざまざと麻雀の腕を見せつけていた……
おぼろ「そして……行われたのが伝説の大一番……」
一同、ゴクリと固唾をのんでおぼろの言葉を聞く
おぼろ「すさまじい勝負だったらしいわ……」
実力伯仲の両雄の闘牌は3日3晩続き……このままでは埒が明かないと悟ったカラスは自分の持つあるものを
賭けて最後の大勝負に出た……
そして……カラスは敗北し、全てを失った……
つかさ「……そ……そうなんだ……」
あろえ「それが伝説の大一番……でも、なんでそんなことを、誰も知らないの!?」
おぼろ「カラスが賭けたものが問題だったのよ……」
つかさ「……一体、奴は何を!?」
おぼろ「人身……」
あろえ「へ!?」
おぼろ「南のカラスはね……自分の妹をかけたのよ……」
一同「んなっ!?」
秋桜あきさ「で、でも……兄が……私以外の女を連れていることなんて……見たことありませんよ……」
おぼろ「それよ……いいこと……なぜ南のカラスが卑怯な真似までしてお金を稼いでいたのか……稼がなきゃ
 ならなかったのか……全ての原因は事故で眼が見えなくなってしまった妹のためだったのよ!」
秋桜あきさ「事故で……眼が……!?」
その事実を知った時……秋桜あきさが後退する
秋桜あきさ「……う……そよ!?……そんな……そんなこと……」
つかさ「……おぼろ……ま、まさか……」
兄、天次てんじが南のカラスから奪った彼の妹と言うのは……秋桜あきさなのか!?


続

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