Eighter -Chaos Desorder-
14ther 〜九星は暁に敗れて〜



#0
Eighterに挑みて大敗を喫した九星団……だが、しかし、それは終わりではなかった……
そして、これはそんな九星団のちょっとした後日談

#1
某所
……そこは一面漆黒の大地に覆われていた……空も暗く……
白拍子かれん「……」
そんな場所にてかれんは1人、折られた大河の記憶を見つめて立っていた……
*(フン……力任せにダイヤなど斬り裂くからだ……)
かれん「……あの土壇場で、こんなことをやってのけるなんて……かんな……」
大河の記憶が折られたその理由……それは、以前、かれんが怒りに任せてスコーピオ(レプリカ)を叩き
割った際にできた見えないひび……かんなは運を天にそこを狙って攻撃してきたのだ……
※あれ!?ってか、今、かれんに話しかけたのは誰なの!?
かれん「……仕方がないわね……羅神綺無らじんきむ流は……一旦保留にしましょうか……」
・
・・
・・・
タッタッタッタッタッ
火渡れんじ「はぁ……はぁ……」
そのころ、火渡はひたすら走っていた……いや、逃げていたと言った方が正しい……
れんじ双狼拳そうろうけん……俺が敵う相手なんかじゃなかった……」
ザッ
かれん「……」
れんじ「うおっ」
そして、逃げた先に……かれんが待っていた……
かれん「……双狼拳そうろうけんには敵わないって悟って逃げるの?」
れんじ「……」
かれん「まさしく、負け犬ねぇ……」
はぁ、とため息をつくかれん
れんじ「黙れェエエエ!!獄門双襲ごくもんそうしゅうッ!」
ゴウアッ
そして、逆上したれんじは神速でかれんを狙い、双方の拳で殴り、潰す……のだが……
スカッ
かれん「まぁ、確かにこんなお粗末な技じゃあ犬も殺せないわねぇ……」
完全に回避して背後を取るかれん
れんじ「な……馬鹿な……!?奥義の1つをこうもアッサリと!?」
かれん「いいわ、逃げたいというのなら……逃げなさい……地獄に!」
ズズっと黒い笑みを浮かべて促すかれん
ジリッ
れんじ(くっ……くそっ……これだけは使いたくなかったが……仕方あるまい)
グオオオッ
かれんに気圧されつつも、両手にて引っ掻くような形を構えて体勢を立て直す
れんじ「受けてみよ!奥義ィ!光牙神襲破こうがしんしゅうは!!」
キョゴアアアアッ
光の爪がかれんの動きを封じ、そして、迫り来るれんじ
れんじ「殺ったり!!」
かれん「魔剣・ガイア!」
ズオオオンッ
れんじ「な……ああ!!?」
かんながそう叫ぶと、突如虚空から一振りの刀が出現し、れんじの影を縛る
かれん「煉獄舞刃れんごくぶじん」
ゴバウッ
動けないれんじを横眼に、かれんはガイアの柄を握りれんじを炎に包み、焼き尽くす
れんじ「お……ごえぇああぁああ!!?」
ボジュオオオッ
かれん「……結局、手に入ったのは煉獄舞刃れんごくぶじんだけ……まぁ、いいわ……この魔剣・ガイアは大河の記憶
 よりも上の刀……うふふ……かんな……次は……潰す!」
そして、かれんはその場を立ち去る。
※Q:ガイアの方が大河の記憶より強いのなら、何故今回使わなかったんですか?
 A:多分、今回は小手調べにすぎない……ってなことなんじゃないでしょうか?

#2
再び漆黒の空間……
水野きゆみ「……ここ……どこなわけ!?」
土山しんぎ「……俺が知るかよ……」
海源留うみもと・るーぶる「……少なくとも、星降る稜郭……ではないわよね!?」
ザッ
一同が困惑していると、そこへかれん登場
かれん「ちゃんといるわね……?いや、まぁ、全員呼んだんだから、ちゃんといないとおかしいんだけどね
 ……」
木柳ゆがみかなえさん……」
金谷かぎり「……いや、火渡がいないんですけど……」
と、ここでかぎりれんじがいないことに気がつき、発言。
かれん「あ〜〜、きっと、怖くなって逃げ出しちゃったのよ……あの世に……」
一同「ええ!?」
きゆみ「ってか、ここはどこなの!?かなえさん……」
冥時みょうじ萌「フン、ここがどこだかなんて……瑣末なことだ……そんなことよりも、教えてもらおうか……
 なぜ、偽名を使っていたのか……ということを」
一同「へ!?」
かれん「……あら?分かっちゃった!?」
萌「……日原かなえ……いや、白拍子かれん……」
るーぶる「なっ!?」
その名前を聞いた途端ざわつく一同
しんぎ「あの……超運の一族の!?」
かれん「ま、隠しても仕方がないから、言うけど……萌の言った通りよ。……偽名を使っていた理由だけど
 ……私が白拍子一族の人間だって分かると色々としがらみが出てきて面倒だったからよ……」
……今までバれなかったのは単にかんなのおかげ……かんなとかれんとでは容姿が結構異なるからである。
※ちなみに、なぜ容姿が違っているのかは……まぁ、そのうちに……
かれん「さて、そんなことより……今後のことについてだけど……」
天宮裕「尻尾まいて逃げるだなんて、冗談じゃないが!?」
かれん「まさか……そもそも、今回は相手の力量を図るってのが目的だったし……」
一同「……」
それは初耳だ……と一同。
かれん「ともかく、次、逢う時には叩き潰せるよう、早速今から修行でもはじめるわよ……大丈夫。時間なら
 たっぷりあるわ……いえ……造れるわ……」
一同「……」
……と、言うわけで、大敗を喫した九星団は……修行にはげみ、雪辱戦を挑むことに……
しかし、時間ならたっぷりある……むしろ造れる……とはどういう意味なのか!?
そして……かんなとかれん……2人は和解することがないのか……いや、そもそも、かれんは何故にかんな
を憎んでいるのか!?
……全ての謎は……いずれ……分かる時が……来る!?


END

前の話へ 戻る 次の話へ