Eighter -Chaos Desorder-
13ther 〜九星は闇に淪みて D〜
#7
ギギギンッギンギンッ
激しい鍔迫り合いが繰り広げられる……
白拍子かんな「くっ……」
自分の運をもってしても……姉には一歩及ばずか……いや、更にかれんの方が実戦経験があるので、防戦
一杯になっていく……
白拍子かれん「はっ!」
ババッ
暫く鎬(を削りあったところで距離を置く姉妹……
かれん「はあっ!」
かんな「やあっ!」
スカッ
双方、技を繰り出す……のだが、両方の斬撃は共に相手にあたることなく空を切る
かれん「……自分がどこにいれば安全なのかを予測して行動している貴女が……自分がどこにいればダメージ
を負わせることができるかを予測して行動している私には勝てないわよ!」
つまり、かれんは『勝つ為の剣』、かんなは『負けない為の剣』……そうである以上、後者が前者に勝つことは
出来ない……とかれんは言いたいわけである
ぼやあっ
*(……)
そして、再びかんなの近くに靄が……
かんな(……また……)
かれん(来たわね!)
どうやら、その靄はかれんにも見えるようだ……
そのまま2人は靄の方に目をそらしながら微動だにしない
某敢(「なっ!?……なんでござるか!?アレは!?」
その不審な挙動に敢(も唖然とする
*(……かんな……受け取りなさい……)
かれん「貰ったぁ!」
キュオオオッ
と、その時、大河の記憶が輝きだす。一同も一体何事かを首をかしげる……
*(まさか!?)
靄はそれに気がつき、瞬時に気配を消してゆく
*(……すみません、かんな……今は……これだけしか……伝えることができません……ですが……
あなたは……)
キュオオオオオオッ
そして、完全に靄の気配が無くなった後、炎の記憶も輝きだす
かれん「……ちっ……結局双方1つずつってわけ!?」
梓與鷹((な……何だ!?何の話をしているんだ!?)
話についていけないのは與鷹(だけではなく、一同もどよめく
かれん「……とにかく……死合は続けるわよ……かんな……羅神綺無(流……その技を見せて
みなさい!!」
かんな「……姉さん……」
敢((羅神綺無(……はて、どこかで聞いたことがあったでござるが……)
與鷹((……羅神綺無(流……まさか……存在するかどうかすら謎と言われていたあの流派か!?……
しかし……なぜそれがかんなに!?)
雨水朧((い、一体……何が起こっているわけ!?)
Eighter一行も、多様な反応を示す……
#8
かれん「……どうしたの!?かんな……来ないのなら……こっちから行くわよ!」
ダッ
そして、かれんは一足飛びにかかる
かれん「ハッ!煉獄舞刃(!」
炎の刃がかんなに襲いかかる
かんな「っ……虚無舞刃(!」
対するかんなも冷気の刃で応戦。
ゴジュアアアッ
かくて、かれんの炎の刃とかんなの冷気の刃とがぶつかり合い、相殺される
敢(「なっ!?」
朧((……炎の記憶が冷気の技で、大河の記憶が炎の技……普通、逆じゃないのかしら!?)
朧(、1人どうでもいいことを考える……
かれん「はあっ!煉獄舞刃(!!」
かんな「ていっ!虚無舞刃(!!」
ドゴギャアアアッ
炎と氷の波動がぶつかり合い、相殺されていく
かれん(くっ……炎は氷に勝つって法則はどうなったのよ!?)
※……いや、それ某ポ○○ンの理論じゃないか……
かんな、かれん「てえええいい!!!」
ドオオンッ
かんな、かれん「くっ……」
双方の剣圧により、双方、弾き飛ばされる。
ザガガガガガガッ
ダダンダンダンッ
かれん「ちいっ……」
かんな「くっ……」
弾き飛ばされたのち、距離を置いて再び対峙する姉妹
與鷹((やはり、勝負は振り出しか……いや、こんな凄惨な死合……かんなの方が不利なのでは!?)
與鷹(「かんなぁ!」
いてもたってもいられず咄嗟に叫んでしまう與鷹(……
かれん「……ええい、観客は黙ってなさいッ!煉獄舞刃(!」
ゴウンッ
與鷹(「うおぅ!?」
苛立つかれんの炎の斬撃が、與鷹(を狙う
かんな「リーダー!!」
ダッ
與鷹(「かんな!?」
かんな「虚無舞刃(!」
ジュオッ
與鷹(の前に出て、炎の刃を防ぐかんな
かれん「おしまいよぉ!かんなぁ!」
ゴッ
與鷹(を護っていた隙に間合いをつめるかれん。そのまま上段より熱気を帯びた大河の記憶が振るわれる
與鷹(「か……かんな!?」
グオウッ
無情にかんなに迫る兇刃……かれんは勝利を確信しているのか笑みをこぼす
かんな「……てぇええい!!」
ガキュインッ
キュラキュラキュラキュラッ
かれん「はっ!?」
間一髪……かんなの横薙ぎがかれんの大河の記憶を圧し折る
チキッ
かんな「はぁ……はぁ……姉さん……まだ……やりますか!?」
刃を突き付けるかんな
かれん「くっ……覚えておきなさい!かんな……次に逢う時は……アナタを……」
ヴオムッ
一同「なっ!?にぃ!?」
そう言い残し、かれんは転移して消える
與鷹(「……い……今のは……!?」
ふらりっ……
與鷹(「お、おい、かんな……」
かれんが去ってくれたことで緊張の糸が切れたかんなはその場に倒れこみそうになるが、與鷹(が支えて事無きを
得る。
かんな「……姉さん……」
こうして、九星団との死合は終わった……かに思えたのだが……まだケリはついていない……
次、出会うとき……それが決着となるのか!?……それとも……
END
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