Eighter -Chaos Desorder-
13ther 〜九星は闇にしずみて C〜



#5
九星団も残すところ、盟主1人……
日原かなえ「いらっしゃい。待っていたわ……」
そして、盟主のいる部屋へと入り込む一行……
そこには銀髪混じりの藤色の髪を持つ……オッドアイ(右・オレンジ、左・空色)の女性が……
梓與鷹よたか張原はるはら……リサ……」
アトランティスで情報を知っていたとはいえ、実際に逢ってみるとやはりショックを隠せない與鷹よたか
かなえ「……そういえば、そんな風に名乗ったこともあったわね……」
一同「それすら偽名なのかよ!」
サラっとトンでも発言をしたことで一同唖然
白拍子かんな「……やっぱり……あなたは……だから、全ての辻褄が合う……」
と、そんな中、かんなが1人で納得。
雨水おぼろ「ちょ、かんな……どうしたの!?1人で納得なんかしちゃって……」
かんな「……あの女性ひとの本名はかれん……私の……姉です」
一同「って、ええぇええええ〜〜〜!?」
かんなの発言に再び会場騒然
梔曹くちなし・つかさ「……似てない……」
つかさが呟くのも無理はない……第一、かんなはピンク色のショートカットに紅色の目。あとカチューシャなんか
つけていたりするのですが……
※前回、萌が何か言いたげだったのはかんなとかなえは血縁者なんじゃ!?とかそんな類のことです。萌……お前
 無駄に鋭い……
白拍子かれん「嬉しいわね……ここ何年か逢ってなかったから、忘れられていたかと思っていたけど……
 覚えていてくれたなんて……」
かんな「……姉さん……」
與鷹よたか「……」
姉妹には姉妹の語らいが……積もる話も……あるのだろう……
そう、考え、口を噤む與鷹よたかではあったが……
かれん「まぁ、そんな私達の積もる話はまた、いつかにしておいて……本題に入るわよ……」
一同「え!?」
どう見ても和やかに会話をするという雰囲気ではなく、一同はざわつく
かれん「炎の記憶を渡しなさい……」
與鷹よたか「なっ!?」
なぜかれんがそのことを知っている!?と與鷹よたか……だが、よく考えたら、かんなの姉なんだから、運で分かった
のかな……などと思う
すすっ
かれんはかれんで小太刀を取り出す
某敢それがし・いさむ「むっ!?それは……」
かれん「……大河の記憶……別名金狽丸きんばいまる……貴女の炎の記憶に対をなす……」
いさむ天国あまくにの作……でござるか!?」
……と、言うか、なぜ欲しいの?とおぼろは首をかしげて見たりする
かれん「実は私、天国あまくにのコレクターなの。だから、炎の記憶も欲しいの。お願い、かんな」
かんな「……でも、ダメです」
かれん「可愛い姉が頼んでいるのに!?」
おぼろ「自分で自分のことを『可愛い』って言うなんて……」
※ってか、普通は逆でしょ……姉じゃなく、妹が言う台詞でしょ……それ……
かんな「……でも、できません……」
與鷹よたか「……」
與鷹よたか(確かに、炎の記憶はかんなにしか抜刀できないから渡せないのは分かるが……それにしても頑な過ぎる
 のは……)
與鷹よたか、かんなを見つめながらそんなことを想う
かれん「かんな……貴女……自分の運で私が天国あまくにのコレクターなんかじゃないって分かっちゃったの!?」
一同「それもウソなのかよ!」
かんな「……」
かれん「……はぁ、じゃ、仕方ないわね……」

#6
スラッ
大河の記憶を抜刀するかれん
かれん「力尽くで奪うことになるけど、いいのね、かんな」
かんな「……」
スラッ
かんなも哀しそうに炎の記憶を抜刀する
つかさ(いや、本当になんで炎の記憶が欲しいんだ!?)
おぼろ(私に聞かれても……)
ドッ
ギインッ
一足飛びにかかる両者……そして、しのぎしのぎがぶつかり合い、そのまま組み合う
かんな「くっ!?」
若干圧されるかんな……そこにかれんが言葉をかける
かれん「……分かっているでしょ、かんな……炎の記憶と大河の記憶は使い手を選ぶ……」
かんな「知っています」
かれん「だから、炎の記憶も本来私の物のはず……私が大河の記憶に選ばれたのだから……」
ギリギリッ
つかさ「……どういうことなんだ!?」
いさむ「……そういうことでござるか……」
疑問を浮かべるつかさと、理解するいさむ
與鷹よたか「……なるほど、使い手を選ぶ神刀……炎の記憶と大河の記憶は対をなす刀……本来、それぞれが
 別の使い手を選ぶなどと、おかしな話……というわけか……」
かれん「そういうことよ……つまり、どちらかが正当な所持者で、どちらかはオマケってことなのよ!」
ギンギンギギンッ
鍔迫り合いを繰り広げながらかれんは語る
與鷹よたか「……張原はるはら……いや、かれんか……だったら、なぜ……姉妹で争わなければならない!?」
かれん「アナタには関係の無いこと……でもないわね……訂正するわ……あなたには分からないわ!」
與鷹よたか「おい……」
いさむ「まずいでござるよ……與鷹よたか殿……かれんは実戦慣れしているのか刀の使い方を心得ているでござる
 ……しかし、かんな殿は……戦闘訓練をつんだことが無いのではござらぬか!?」
おぼろ「え!?……でも、互角に戦っている気がするんだけど……」
與鷹よたか「……運の力のおかげ……か?」
かんなの運は姉にどこまで通用するのか……
かんな、かれん「はあああ〜〜〜〜!!」
ガギンッ
正しくしのぎを削る死合……この勝負……一体どう決着つくのか……


続

前の話へ 戻る 次の話へ