Eighter -Chaos Desorder-
13ther 〜九星は闇にしずみて A〜



#0
九星団、Eighterに宣戦布告……そして、その挑戦を受けたEighterは九星団のアジトへ乗り込むことに……
そして、数々の幹部を打ちのめし、残り2人……この2人のうち、いずれかがいさむの追い求める仇なのだが……

#1
天四斗あまよと、星降る稜郭
某敢それがし・いさむ「……残るは2人……そして、そのうちいずれかが拙者の求める……仇……でござるが……」
梓與鷹よたか「……」
張原はるはらがそんなことをするとは思えないな……と與鷹よたか……と、なると必然的に……
冥時みょうじ萌「……来たか……俺は冥時みょうじ萌……」
橙の羽織と蒼い袴、藤色のポニーテールの彼女がそこに……かなえと萌……この2人には敵わないんだから……
とメンバーが口をそろえて言っていた片方……
いさむ「……お主が……もとより殿や……師匠、剣聖丈太郎殿を……」
萌「……ご苦労なことだな……」
ゴソゴソと懐から秘伝書を取り出し、いさむに見せる
いさむ「それはっ!?」
萌「そんなにコレが大事なのか……ならば……俺から力尽くで奪って見せろ!」
いさむ「無論……」
ズラッ
ー砕がんさいを抜刀しながらいさむは言う
萌「フン」
すすっと再び秘伝書を懐にしまい込む
雨水おぼろ(……どこに隠し持っているの!?あの人……)
ズズズズズズズッ
そして、殺気が辺りを包みこむ
萌「……」
ズララッ
萌もまた、無言で二刀を抜刀。
萌「お前も地田や剣聖と同じくあの世へ行くがいいわ!斬空破ざんくうは!」
ドドッ
両方の刀で刃風を巻き起こしていさむを斬りかかる
いさむ「きぇいっ!」
ズビュアアアッ
みたび明鏡止水流……天鳳閃てんほうせん……円を描くように抜刀し、その風圧にて迫る刃風を弾く
萌「ハッ!轟計都ごうけいと」
ゴッ
ドドッ
飛び掛り、そのまま左右のの刀で十文字斬りを放つ
いさむ「ぬぅん!」
ギャギャインッ
対するいさむ双龍斬そうりゅうざん……十文字に斬りこみ、萌の刀を受ける
萌「チイッ」
バッ
ザダダンッ
若干圧され気味となり、すぐさま距離を置いて対峙する萌
萌(コイツ……地田と同じような剣腕かと思いきや……剣聖のジジィと……いや、それよりも更に……)
いさむ「ぬぅ……」
萌「……」
そのまま微動だにせず睨みあう両雄
・
・・
・・・
暫く睨みあった末、萌が口を開く
萌「……いいだろう……お前は……元屠歳殺げんとさいさつ流で屠るに相応しい……」
いさむ「……元屠歳殺げんとさいさつ流?」

#2
萌「元屠歳殺げんとさいさつ流、四屠しとの陣……」
親指、薬指、小指で1本、薬指、小指の背と人差し指、中指で1本の刀を握るという指が潰れないのが不思議な
構えを両手で行い、4本の刀を構える萌
與鷹よたか「なっ!?」
※ちなみに、先ほどの二刀流は元屠歳殺げんとさいさつ流では『双屠そうとの陣』と言います……いや、どうでもいい話ですね。
いさむ「……某敢それがし・いさむ……参るッ!」
ダッ
萌「はあッ!!主歳殺しゅさいさつ」
ゴビュウッ
飛びかかるいさむを右だけでいさむの刀を受けつつ、左の刀でいさむの急所を狙う
いさむ「甘い……でござるよ……」
ドンッ
萌「う……お!?」
気合で萌を弾き飛ばし、攻撃を回避する
ザザザザッ
萌「……面白いッ!!」
ぐおおおおっ
萌の眼が怪しくあかく輝く……
一同「なっ!?」
いさむ「邪眼……でござるか!?」
萌「転移衝てんいしょう!」
ヴオムッ
と、突如萌の姿が消える
一同「んなぁ!?」
與鷹よたか(今……空間転移……したよな!?)
白拍子かんな(はい、邪眼の力を借りて空間を切り裂いて移動したのですよ)
與鷹よたかの疑問をかんながさらりと答える。
萌「死ね!!」
ゴウンッ
いさむの背後に突如出現した萌はそのまま一気にいさむに斬りかかる
いさむ「そこでござるか!」
ギンッ
すぐさま反応し、萌の刀を受ける
萌「な……んだと!!?」
萌(今まで数々の敵の裏をかき、そして屠ってきた……この空間転移に……後れを取らず反応しただと!?)
萌「ならば……こうだ!絶氷烈繭ぜっひょうれっけん!」
ババッ
バキバキバキバキバキッ
技を繰り出すと共に離れだす萌……
と、地面から氷の壁が迫出てきていさむを包み込む
萌「コレで貴様の動きは……」
いさむ「きぇえええい!!」
ババシュアアアッ
みたび明鏡止水流、龍駆天砕りゅうくてんさい……氷の壁を微塵斬りにすることで難なく氷の牢より脱出
萌「ぬ……ぬうう……」
やはり、いさむは剣聖のジジィより剣腕が上だ!とギリリと歯軋りする萌。そのままいさむを睨みつける
いさむ(……この邪気……いずれ自身を巻き込み、身を滅ぼすでござるよ……)
一方、いさむいさむで、萌の邪悪を憂えむ。
・
・・
・・・
そのまま距離を置きつつ両雄は動かず……
いさむ「哀しい剣客でござるな……お主は……」
暫くの後、いさむが口を開く
萌「ほざけ!貴様に俺の何が分かると言うのだ!」
憐れむような眼差しに萌は怒る
ゴゴゴゴゴゴゴゴッ
そして、萌の殺気が禍々しく膨れ上がる……
いさむ「……確かに、拙者にはお主のことはとんと分からぬ……だが、拙者はお主の兇刃を止めねばならぬ!!
 ……そして、秘伝書を取り返さねばならぬ!」
萌「だったら……やってみろ!!」
いさむ「参る!」
萌、いさむ「おおおおおお!!」
ドンッ
ガギギギギギギッ
そして両者は一足飛びにかかり、そのまま激しい鍔迫り合いを繰り広げる……
萌(こいつ……なんて哀しい眼をしている!?……人を斬る術を磨きながら……どうしてこんな眼が
 出来る!!?)
白熱する2人の死合……さて……勝つのは……どっち!?


続

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