Eighter -Chaos Desorder-
10ther 〜黒い虹を巡る錯綜 A〜



#0
これはとある巨大宝石ビッグ・ジュエルの物語……その巨大宝石ビッグ・ジュエルはただの巨大宝石ビッグ・ジュエルではなく……そう、王宮一級品ロイヤルコレクションの一つなの
である。

#1
東京都、ラグナ社、社長室
*「四半世紀を費やし、遂に、我が手に入ったわ……」
社長……欠々御かかお刃の眼前にある、巨大なブラックオパール
*「社長……お言葉ですが、200年もかかってはいないかと……」
と、眼鏡を指で直しつつ社長秘書、一陣風美かざみ
欠々御かかお刃「……何を言い出すんだ!?いきなり……」
一陣風美かざみ「いえ、今、『し・はんせいき』などという単語が出てきましたので、社長は200年も生きてはいない
 と訂正したまでです」
刃「……あのな……四半世紀と言うのはだな『しはん・せいき』と区切って読むもんだ……」
※四半世紀をぱっと見『1世紀/4』ではなく、『4×半世紀』だと想った人ってどれくらいいるんですかね?
風美かざみ「……い、今のはちょっとしたジョークです。……そ、そう、エスペラント・ジョーク!!」
焦って取り繕う社長秘書
刃「そんな冗談は聞いたことがない!」
と、まぁ、そんなやりとりがあったりしたのだが……それはそれでおいといて……
・
・・
・・・
天四斗あまよと、Eighter本部
梓與鷹よたか「……奪われたオパールを奪還してほしい!?」
*「……は、はい……」
やってきた依頼人クライアント……運転神泯ゆきひろ・かなみが言うには……大戦中、さるお方より献上されたオパールが、
先日、ラグナ社の一派に奪われたのだと言う……
與鷹よたか「大戦……?まさか……WWU!?」
運転神泯ゆきひろ・かなみ「……そう、聞いています」
となれば、奪われたものというのは、王宮一級品ロイヤルコレクションである可能性が高い。
早速與鷹よたかはその奪われたという宝石の写真を見せてもらうことに……
枳篤からたち・あつし「リーダー……」
そこには巨大なブラックオパールが映し出されていた
與鷹よたか「……黒い虹……やはりか!」
神泯かなみ「えっと……何か……?」
もともとは、自分の家のものだったんだ……と語りだす與鷹よたか
神泯かなみ「……そ、そうなんですか……分かりました。では、報酬はこちらの黒い虹で支払います」
あつし「……え!?……いいの?……アンタの家に伝わっていたものなんだろ?」
神泯かなみ「……ですが、本来の持ち主は梓さんでしょうし……」
と、言うわけでトントン拍子で依頼の話は進む。
神泯かなみ「では……よろしくお願いしますね」
與鷹よたか「ああ……」

#2
神泯かなみがEighter本部に依頼を出していたころ、九星団はと言うと……
*「ラグナ社が王宮一級品ロイヤルコレクションの1つ、黒い虹を入手したって情報を仕入れたわ……」
*「……つまり、取ってこい……ってこと?」
*「そう、話が速くて助かるわ。かぎり……」
金谷かぎり「別にそれはいいとして……」
*「……ラグナ社ってのは、フランスでショコラティエの称号を下賜された製菓メーカーとして有名な会社よ」
かぎり「……それも知っているけど……」
*「数日後、ラグナ社創業20th記念パーティーが行われるの……そこで奪ってくればいいわ。簡単でしょ?」
そんな簡単に言われても……物事はそう簡単に進まないのよ……と思うかぎり
*「大丈夫……別にアナタだけに潜入させるわけじゃないわ……しんぎもつけるから……」
かぎり「は、はぁ……」
2人いれば大丈夫ってな話でもないんだけど……とか思っているのだが……
土山しんぎ「まぁ、大丈夫だろ……俺ならあの会場に潜り込んでいたとしても別に不思議に思われない……」
と、しんぎもやってきて語る
*「そういうことよ、かぎり……あなたはさしあたりしんぎの姉ってなことでサクっと潜り込んでらっしゃい」
かぎり「……分かったわ……」
イマイチ納得できないけど……しんぎは何かラグナ社と関わりのある人物なんだろうかと考えるかぎり……
・
・・
・・・
そして、数日後の20th記念パーティー開催日
東京都、ラグナ社
與鷹よたか「流石はラグナ社……結構な人でだな……」
白拍子かんな「そうですねぇ……あっちにしのぎ財閥の総帥がいますし、向こうの方にはしずみ財閥のお嬢様もいます
 し……」
與鷹よたか「そいつはまた……確か、しのぎ財閥としずみ財閥と言えば日本で5本の指に入る財閥だったな……」
そして、しのぎ財閥としずみ財閥と言えば特筆すべきはその仲の悪さ。同族嫌悪なのか何なのか知らないが、事あるごとに
つっかかり、騒動を起こしている財閥同士であり……いわば天敵と言って過言ではない。
かんな「リーダー……今回の依頼は……」
與鷹よたか「あ、ああ、大丈夫だ」
財界の重鎮に気を取られつつある與鷹よたかをかんなが諌め……そして2人は黒い虹が保管されている場所へと向かう
そして、すれ違いざまにかぎりしんぎが……
かぎり「……流石、チョコレート菓子会社……ビル内部でもチョコの匂いが充満してるわ……」
しんぎ「……ちなみに、あんまりキョロキョロしてると不審に思われるぞ……」
かぎり「分かってるわよ……」
*「ほぅ?あなたは……土山の……お久しぶりですな……」
と、かぎりが浮かれている其の時、しんぎに語りかける紳士が1人
しんぎ「これはこれは……いつぞやは大変お世話になりました……」
礼儀正しく応対するしんぎ……そして、かぎりはびっくりして硬直したままである……
……まぁ、そんなことはおいといて……黒い虹は九星団、Eighter、ラグナ社の……誰の手に!?


続

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