Eighter -Chaos Desorder-
9ther 〜呪われた紅い宝石いし B〜



#3
天四斗あまよと天四斗あまよと美術館
*「ああ、あなた……あなた……しっかりして!!?」
*「お……ごごっがああ!!?」
美術館では既に被害者が続出している
警備員「何があったんですか!?奥さん……」
*「知らないわ……ただ……ダイヤをみたら突然……」
警備員「まさか……ダイヤ恐怖症!?」
一同「マジメにやれぇ!!!」
……そして、通報により駆けつけたレスうキュー隊員は突如苦しみだした男性を担架で運んでいく
白拍子かんな「……早く、しないと……いけないですね……」
そんな現場を目の当たりにし、かんなは決意を新たに、赫き海の瞳ダルフィン・アイズが展示されている場所へと向かう
*「が……がががががっ!!?」
警備員「うぐぐ……な……なぜか……体が……体が……」
赫き海の瞳ダルフィン・アイズに近付くにつれ、被害者と被害状況は酷くなっているようである……
※ちなみに、みなさん惨状のせいで、運の女神に気付いていません。
かんな「……アレ……ですね……」
見る人が見れば、禍々しい邪悪なオーラを放っているのが分かる紅いダイヤを目前に、かんなは炎の記憶を
手に取る
スラッ
かんな「てぇぇ〜〜〜い!」
ダッ
ガキイインッ
抜刀、と、同時に一足飛びにかかり、斬撃を繰り出すかんな……・だが、相手はこの現実世界で一番固い天然
物質……そう簡単に終わらせてくれない
かんな「くぅう……」
ダイヤを斬りつけた衝撃の反動で腕がしびれるかんな
かんな「やはり、斬ることは敵わないみたいですね……」
チャッ
そして、かんなは刺突の体勢を取る。
そもそも、ダイヤとは……ある特定のポイントからの攻撃にはもろく、砕け散るのである。そして、かんな程
の超運を持つものならば、どのポイントが一撃でダイヤを四散させるポイントであるか手に取るように分かる
かんな「たぁああああ〜〜!!」
ギャギイインンッ
正確に破砕点を貫くかんな……だが、錬金術による呪いの強化……その邪悪な気が刺突を阻む
かんな「くっ……」
ザッダダンダン
邪悪なオーラが自分に襲いかかってくることを予感したかんなはすぐさま飛び退り距離を置く
かんな「……」
*(……それでは駄目……)
かんな「……?」
もう一度、刺突を繰り出そうとした矢先、どこからか声が聞こえる
*(……我の声が聞こえますね……)
どうやら、声は炎の記憶から……いや、炎の記憶の近くから聞こえる……
*(貴女の腕では正確な破砕点を見極めることができても、届くことは敵わない……しかし、剣の達人でも
 届くことは敵っても、破砕点に正確に打ち込むことは出来ない……)
かんな「……あなたは……?」
*(我は……いや、今は名乗る時間も……惜しい……受け入れなさい……我らが力……始原の刀鍛冶
 ……天国あまくにの創りしその刀ならば……我らが力の行使に耐えられる……)
かんな「……」
コオオオオオッ
そして、炎の記憶は輝きだし……冷気を纏う
かんな「……はっ!……やああああ!!」
かんなは、気合を入れ、炎の記憶を構え直し、一足飛びにかかる……
ガッ
先ほどと同じ破砕点を正確に……
かんな「てぇええ〜〜〜いっ!」
ビキッ
冷気を纏った一撃は……呪詛すらも凍りつかせ……そして、破砕点を貫き砕く
バギャアアアアアッ
そして、赫き海の瞳ダルフィン・アイズは四散した……いや、四散というより粉砕……分解!?……ともかく、赫き海の瞳ダルフィン・アイズは
跡形も無く砕け散った……
一同「……はっ!?」
そして、呪いのダイヤが砕け散ったことで、その呪いも掻き消える
パチリッ
かんな「……帰りますか……」
かんな、炎の記憶を納刀し、その場を後にする。
無論、誰もかんなの日本刀を所持(=銃刀法違反)に気がつかず……事なきを得る。これが、運の女神、かんな
の力だ!

#4
天四斗あまよと、Eighter本部
かんな「ただいま〜」
梓與鷹よたか「おかえり、かんな……」
早速報告を行うかんな……勿論成功の報告だ……と、言うわけで、與鷹よたかはすぐさま依頼人クライアントと連絡を取り、
再び鋼或喰土はがねある・くえどを呼び寄せる。
・
・・
・・・
鋼或喰土はがねある・くえど「おお!ありがとうございます……何とお礼を申し上げてよいのやら……」
ゴトッ
そして再びアタッシュケースをテーブルの上に……
喰土くえど「報酬の4億……勿論、真っ当なお金です……」
雨水朧「あれ?4億……なんですか?!」
前金と合わせて報酬は3億の予定だったのだが……余程感謝されたのであろうか……などと考えていると
……
喰土くえど「……ところで、物は相談なのですが……サンシー・ダイヤを知っていますか?」
與鷹よたか「……」
かんな「……所有する者は、必ず赤き血にまみれると恐れられる、桃の形にカットされたペアシェイプド
 ダイヤモンド……世界の名だたる王家の間を渡り歩き、その親族を死に至らしめてきた呪われたダイヤ
 です」
黙り込む與鷹よたか……助け舟を出すかの如く、かんなは説明を行うのだが……
朧「ちょっと待って……まさか……」
喰土くえど「またも、ウチの研究員の話になるのですが……」
與鷹よたか「……また呪いを解こうとして失敗したわけ!?」
喰土くえど「……ルナディーと呼ばれるダイヤになりまして……そこで……恥を忍んで依頼したいのですが
 ……」
一同「自分達でやったことは自分達で責任を持てぇ!!!」
と、言うか、何故同じ過ちを繰り返すようなことをするんだ!?……と、一同はあきれ果てるのであった……


END

前の話へ 戻る 次の話へ