Eighter -Chaos Desorder-
9ther 〜呪われた紅い宝石いし A〜



#0
ダイヤモンドは永遠の輝き……
とは言いますが……今回はそんなダイヤにまつわるお話……

#1
天四斗あまよと、Eighter本部
*「私、日本錬金術アルケミー学会会長の鋼或喰土はがねある・くえどというものでございます」
雨水おぼろ「あ……錬金術アルケミー!?」
突如やってきた錬金術師アルケミストらしき人物……それがこの事件の発端だった……
とりあえず依頼人クライアントを席へ移動するおぼろ……
梓與鷹よたか「……で、今回は……どういったご用件で!?」
鋼或喰土はがねある・くえど「……実は、現在、天四斗あまよと美術館にて行われている世界のダイヤ展のことなのですが……」
天四斗あまよと美術館……まぁ、どこにでもあるような美術館で、これと言って特筆することはないのだが……
おぼろ「世界のダイヤ展……ああ、そういえば、2〜3日前からやってますよね……」
で、それが何か?……錬金術アルケミーとどう関係があるのか……と思っていると……
喰土くえど「……まず本題に入る前に……『蒼き海の瞳ルックブル・ドランデール』をご存知ですか?」
一同「ルックブル……ドランデール?」
首をかしげる一同に、かんなが横槍を出す
白拍子かんな「蒼き海の瞳ルックブル・ドランデール……タイタニック號を沈没に導いたとも、ルイ家を処刑に導いたとも言われる
 曰く突きのブルーダイヤ……」
※ちなみに、この蒼き海の瞳ルックブル・ドランデールは昔見た映画・タイタニックに出て来たハート型の青ダイヤの名前だったと思う
 んだけど……検索しても全然ヒットしないのは……何か間違っているのかなぁ?(をひ……)そもそも
 何語だ!?コレ!?
喰土くえど「良くご存知ですね……」
ま、運の女神だからな……と一同。しかし、それが分かっても、今回の依頼の意図が全く見えない……
おぼろ「でも、パンフレットとかにはそんなの展示されているとか記載がなかったよ……」
喰土くえど「……ここからが本題となります」
おぼろ(長い前振り……)
喰土くえど「我々、日本錬金術アルケミー学会は、錬金術アルケミーを応用し、その呪いを中和しようと試みました……そして、その結果
 蒼かったそのダイヤは真紅の『赫き海の瞳ダルフィン・アイズ』に変化しました」
おぼろ「あ、分かった……呪いが解けた途端、奪われたから取り返してほしい……ってそういうことね?」
喰土くえど「……違います……話を最後まで聞いてください」
與鷹よたか「……待て……今のが違う……となると……まさか!?」
與鷹よたか、一抹の不安を覚える……
喰土くえど「……はい。試みは失敗し……呪いのダイヤはますます呪いが強力になってしまったのです」
おぼろ「なななな……なぁ!?」
あまりの展開に衝撃を受けるおぼろ……

#2
喰土くえど「……その錬金術師アルケミストは自宅で呪いを解除しようとしていたのですが、失敗した結果、強盗団が押し入り
 一家もろとも殺された揚句、ダイヤも奪われました」
更に、その強盗団も呪いのせいで仲間割れし、殺しあって自滅。その後も、点々と人々を呪い殺し、かくて、
今美術館にあるという……
喰土くえど「我々の調べた結果、呪いは日に日に強くなっていくばかり……どうか、お願いします……このまま
 では……天四斗あまよとを起点に世界は呪い殺される……」
與鷹よたか「……つまるところ、貴方方の行った行為の尻拭いをして欲しいと……」
喰土くえど「……悪く言うと……そうですな……」
ドカッ
と、その時、喰土くえどは持っていたアタッシュケースをテーブルの上に……そして、その中には……
おぼろ「うわぁ!」
大量の札束……
喰土くえど「……これは、前金……キャッシュで1億あります……引き受けていただき、完遂時にはこの倍の額
 を支払います」
かんな「……お金を払うのは別にいいんですけど、錬金術アルケミーで作りだしたものじゃないですよね?これとか」
喰土くえど「ハハハハハハ……そそそ、そんな馬鹿な!」
一同(錬金術アルケミーで作った金なんかい!)
與鷹よたか「……まぁ、天四斗あまよとを中心に世界が滅ぶって状況を黙って見過ごすわけにもいかないんだが……」
一体この仕事、誰がやるべきか……と困ってしまう與鷹よたか……
と、そんなとき……
かんな「あ、私がやりますよ」
一同「え!?」
まさかの立候補に一同唖然。
與鷹よたか「……しかし……」
かんな「……多分、この仕事は……私以外には無理だと思います」
與鷹よたか「……確かに……」
運の女神……彼女の超運をもってすれば呪いをようやく打ち消せるかもしれない……それほどの相手なのだ
與鷹よたか「……分かりました……引き受けましょう」
喰土くえど「おお!」
與鷹よたか「ただし、報酬は、錬金術アルケミーで作ったものじゃない真っ当なお金でお願いしますよ?」
喰土くえど「う……わ、わかりました……善処します」
一同(絶対錬金術アルケミーで作る気だ……)
そして、依頼人クライアント喰土くえどはEighter本部を後にする。
與鷹よたか「……かんな……」
かんな「はい、大丈夫です。リーダー……」
心配そうな與鷹よたかに笑顔で答えるかんな
かんな「では、行ってきますね」
與鷹よたか「ああ……任せたぞ……かんな」
かんな「はい、任されました」
かくて、かんなは単身、天四斗あまよと美術館へと向かう……世界を破滅へと向かわせるであろう呪われしダイヤ、
赫き海の瞳ダルフィン・アイズを滅するために……
超運VS呪詛……勝つのは……どっちだ!?


続

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