Eighter -Chaos Desorder-
3rder 〜究極の偽ブランド A〜



#0
偽ブランド商品……ブランド物の名前だけを語って安物を高く見せかける詐欺……
これはそんな偽ブランド商品の中でも……『究極の偽ブランド』と呼ばれる代物に関するファイル。

#1
天四斗あまよと、某リサイクルショップ
*「ちょ、ちょっと、どういうことよ!買い取ってくれないって……」
緑色のチューリップっぽいロゴでおなじみのエルメスの鞄を持ってきた女性が激昂する。
※『緑色のチューリップっぽいロゴ』って『高級ブランドエルメス』じゃなく、『ララァ専用MAエルメス』の方かよッ!
*「申し訳ございませんが、お客様……」
*「はっ!?まさか……この保証書……昨今流行りの証明書までも精巧に作られた偽ブランドだとでも」
*「いえ、その証明書はベルトに関してのものでして、それと一緒に鞄を提示されましても、こちらとしまして
 は……」
*「はい!?」
とんだ赤っ恥をかいた女性客……だが、しかし、保証書は……彼女が間違えたものではなかったということ
が後に判明するのだが……
・
・・
・・・
天四斗あまよと、Eighter本部
雨水おぼろ「……いや、最近の偽ブランド商品ってすごいわ……保証書までも捏造するんだし……」
梓與鷹よたか「いきなりどうしたんだ?被害にでもあったのか!?」
おぼろ「いや、ちょっと流行に乗ってみただけ」
※いつの流行だ!?とか突っ込まないでください……
と、そこへ……依頼人クライアントがやってくる。
與鷹よたか「依頼……ですよね?」
*「はい……」
彼女は硴石花かき・しゃくか……天四斗あまよと工業の生徒らしい。つまり、かんなの後輩にあたる娘だ……
おぼろ「……先に言っておきますけど……あなた、学生ですよね……?報酬は……」
與鷹よたか「おいおい、いきなりお金の話に飛ぶのかよ……」
おぼろ「だって大事なことじゃない」
いや、まぁ、確かにそうかもしれないが、イキナリ、しかも堂々と切り出す話ではないだろう……と與鷹よたかは
思う
硴石花かき・しゃくか「あの……」
そんな中、依頼人クライアントはおどおどと……
與鷹よたか「あ、すみません。それで……依頼の内容は……?」
石花しゃくか「はい……実はですね……」
……そして、彼女から語られたことは……最近、世間に出まわってきている『究極の偽ブランド』に関する
調査依頼であった……
おぼろ「究極の……偽ブランド!?」
石花しゃくか「はい……」

#2
究極の偽ブランド……そこいらの二流並の鑑定師の目を欺く偽ブランド商品。どうも、保証書は確かに本物
だが、本体の方は偽物……というものを言うらしい。
百鬼あろえ「それ、会社がケチってるだけじゃないの?」
與鷹よたか「いや、保証書だけ本物で本体が偽物なんて出していたら、いずれ分かる。そして、その頃にはその社の
 信用はガタ落ちだ……大体して、ブランドを出している会社は儲かっているはずなんだから、そんな
 ハイリスクな方法は取らないだろ……」
與鷹よたか、正論を言い、おぼろをへこませてみる
おぼろ「まぁ、確かにそうよね……う〜〜ん」
と、考え込んでいると、そこへかんな颯爽登場
白拍子かんな「本物の高級ブランドと偽ブランド商品を用意して、本物は保証書無しですぐさま売りさばき、
 偽物の方に保証書をつけて高く売る……そんなカラクリですね」
いち早く、持ち前の超運を持って、事件のあらましを説明するかんな
與鷹よたか「なるほど……」
そんな方法を!?と與鷹よたかが感心していると……
石花しゃくか「運の女神……様!?」
石花しゃくか、かんなに気がつく。
與鷹よたか(そういえば……かんなは天四斗あまよと工業の出身だったな……ってことは……思い出話のひとつやふたつ
 あるのだろうか……)
先輩、後輩として、何か思い出でも語るのだろうか……と思っていたのだが……石花しゃくかの口から出たのは違う
ものだった……
石花しゃくか「写メ撮っていいですか!?」
すかさず携帯を片手に……自慢したい……と、いうか、お守りにしたい……のだそうだ……
一同「……」
流石に呆れる一行
かんな「……ご遠慮ください」
石花しゃくか「え〜〜〜!?」
すごすごと引き下がる石花しゃくか……
おぼろ「……それはそうと……依頼……受けるんですか?リーダー……」
與鷹よたか「ああ」
……ともかく……一行は究極の偽ブランドの真相を探るべく、調査に赴くのであった……
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・・
・・・
暫く調査したのち、おぼろがそれらしき情報を入手して、皆に伝える。
おぼろ「どうやら、究極の偽ブランド被害は……オンラインショップ・ファイヤースルーで買い物をした人
 に限られているみたいですね」
與鷹よたか「……うむ、その会社……どうも実体のないゴースト会社らしいな……」
與鷹よたかも、ファイヤースルーに辿り着き、知りえた情報を皆に展開する
おぼろ「連絡しようにも、連絡先の電話番号や住所も全くの出鱈目……で広告を出しているみたいですが……」
そこで言葉を区切るおぼろ……
おぼろ「変なんですよね……」
一同「何が……?」
……一体何が変だと言うのか!?
皆が注目し……暫く沈黙が続く……
おぼろ「……それが……」
果たして……一体、何が変だと言うのか……
そして、一行はファイヤースルーの真実に辿り着くことができるのか!?


続

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