Eighter -Blindness Wizard-
59ther 〜黒の果てに舞踊(を A〜
#0
サイレントウィザードは壊滅したも同然だが、新たに場違いな黒き遺物(の最上位存在が現れた。
しかも、敵はデミウルゴスのみに非ず!
撃砕したはずの《色欲(》、《怠惰(》、《強欲(》も黄泉帰り、事態は緊迫する。
果たしてこの状況を切り抜けることができるのか!?
#1
デミウルゴス「あぁ、別にここでお前たちと雌雄を決しようなんて思ってはいないのよ?」
梓與鷹(「は!?」
それは一体どういうことなのか!?思わず間抜けな声を上げてしまう與鷹(
デミウルゴス「そもそも、天命(を根こそぎ食らいつくしてしまうことが落ち度なのよねぇ……と、いうわけで、今
後はお互い不可侵っていうのはどうかしら?」
與鷹(「なっ、貴様ッ今更そんなことをッ!」
上(総介「……フッ、よかろう」
與鷹(「って総!?」
今まで散々人を弄んで、使い潰してきてそんなことが許されるとでも思っているのかと叫ぼうとした與鷹(を制し
て総介が受諾してしまう。
総介「と、言いたいところだがな、生憎とそれでは納得しない奴もいる」
※その筆頭代表が與鷹(である。(いや、與鷹(だけがそうじゃないですけど……)
デミウルゴス「だったら、どうするというの?」
まさか今までに食らった人間の天命(を戻してほしいなんて言わないでしょうねぇ?とデミウルゴス。
総介「フン、そんなものは望んではいない」
それに不可能だということもわかっている。
仮に天命(が戻ってきても、別の要因で既に死亡している人間も数多い。つまり、天命(を戻されても意味がないの
だ。
総介「貴様らの上から目線が気にいらねぇ」
そこでだ、こちらが指定した一人と死合ってもらう
與鷹(「おい、総……」
思わず総介の肩を掴んで與鷹(が叫ぶ。
総介「ここは俺に任せてもらおうか!」
與鷹(「……はぁ、わかったよ……」
総介の揺るぎない眼力に気圧されて、與鷹(も諦めモードだ。
デミウルゴス「ふぅん……そういうこと……いいわよ」
そんなデミウルゴスの言葉に七罪塔(の面々はいいんですか!?という表情で彼女を見る。
デミウルゴス「それで、誰が相手になるのかしら?」
総介「それは勿論、かんなだ!」
與鷹((まぁ、予想はしていた……)
やっぱり、かんな任せなんだなぁ……って與鷹(は思う。
#2
総介「俺たちが勝てば今後は不可侵ってことを確約しろ!」
與鷹(「え!?」
さっきソレあっちから提案してきたよね?って與鷹(がびっくりする
総介「フン、奴らの言うことを鵜呑みにできるほど俺たちは愚かではないッ!」
デミウルゴスが自分の言うことに責任を持つとも限らない……かもしれない。
※デミウルゴスのプライドとして自分の言を反故にする事などありえないのだが……
しかし、決闘の末に敗北し、認めさせるという手順を踏めば、それを盾に今後も何かしら有利にコトを進められ
るというのが総介の考えだ。
総介「では行け!かんな」
白拍子かんな「……」
無言のまま神滅超越者(を構え、かんなが一歩前に出る。
かんな「龍咬舞刃(!」
キュインッ
斬撃と同時に応龍(に変幻する光の龍がデミウルゴスに迫る
デミウルゴス「鋩隕鋩蝕(!」
ゴガガガッ
右手を翳すと同時にかんなの奥義を食らいつくして無効化する。
與鷹(「なっ!?」
流石は場違いな黒き遺物(の最上位存在……七罪塔(が使用する技も自在に使用可能なのか……と、いうことよりも
武器も持たずにかんなの繰り出した奥義を無効化する手腕に驚きを隠せなかった。
デミウルゴス「貴方の力はこんなものではないでしょ?」
かんな「当然です。今のは小手調べにも過ぎませんから」
かんなだってまだ茜瑙哭(覚醒もしていないのだから。
かんな「鳳鸞舞刃(!」
ドガンッ
続いてかんなは先ほどよりも力を引き出すと神滅超越者(を横に薙ぎ払う。
デミウルゴス「淵鈎塞月(!」
平安を齎(す鳳凰が迫るもデミウルゴスはそれを今度は左手を翳して受け止める。否、奪い去る
デミウルゴス「ぐっ!?」
バシッ
予想を上回る力を前に、デミウルゴスの左手に無数の亀裂が走り、そこから炎が噴き出す。
本来ならば鳳鸞舞刃(を奪い去って跳ね返すはずだったのだが、それができなかった故のこの惨状だ。
かんな「鳳鸞舞刃(!」
そして、ここぞとばかりに追撃を行うかんな。
デミウルゴス「クッ……狩血憎麟(!」
ズガアムッ
白い衝撃波と赤い剣閃のコンビネーションで迫る鳳凰に対抗するデミウルゴス。
だが、この一撃で勝敗が付くほど甘くはない。
続
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