Eighter -Blindness Wizard-
57ther 〜閃光なる魔術師達(シャイニングウィザード) A〜



#0
 富士の樹海、そこはシレントワイザード、改めサイレントウィザードの本拠地。
 そして、サイレントウィザードの野望を打ち砕くために最終決戦の幕は上がったのだが……
 ウェステリアとネサリウスは弱点を突かれて消化死合
 だが、残りの二人はそうはいかない(と、思いたい)

#1
 かれんはウェステリアと、(けい)はネサリウスと死合い、時同じくしてかなりはサーフィスと対峙していた。
サーフィス「ひ、退いて、くれない……か!?」
白拍子かなり「オ〜〜ッホッホッホッ、かなりに逆らいし者には"死"を!退けるわけないじゃない」
サーフィス「ならば、し、死んで……もらおうか」
 ドキュオッ
 雷光とともに目にも止まらぬスピードで駆け抜けては雷でできた槍でかなりに斬りかかるサーフィス
 スカッ
サーフィス「な、に?!」
 常人ならば、今の一撃で確実に仕留められたはずだが、しかし、かなりは無傷だった。
 と、言うか軽々と回避してみせた。
かなり「遅いわよ!」
 バサリっと鉄扇(真殺影刃(しんさつえいじん))を広げて仰いでは余裕の表情で告げるかなり
サーフィス「な、ななな、なめるなっ」
 今のは所詮小手調べに過ぎん!と言わんばかりに先ほどよりもスピードを上げて駆け抜けるサーフィス
 ガキンッ、ガキンッ
サーフィス「な、なんだと?!」
 しかし、その凶刃を悉く鉄扇で受けてみせるかなり。
かなり「遅いわね」
サーフィス「野に咲く雷鳴(ブリッツ・ビルトブルーネ)!」
 ビシャ〜〜ンッ
 ちょっとカチンと来たサーフィスは手あたり次第に雷の刃を降り注がせる
かなり「あら、大変、少し怒らせちゃったかしら!?」
 しかし、平然としているかなり。蛙の面に水ならぬ、かなりの面に雷だ
※いや、どんな(ことわざ)だよ!軽々回避しているだけだよ
サーフィス「き、貴様ッ冷たい雷鳴(ブリッツ・カルト)!」
 ヒュオッ、ガキンッ
 底冷えするような雷の刃で斬りかかるサーフィス。しかし、そんな凶刃も鉄扇で受け止めて見せるかなり
かなり「ふふん」
 ドヤ顔のかなりであった。これくらいかなりの力をもってすれば余裕である。
※今回も消化試合の展開を醸し出してきた
サーフィス「あっ、あまり……調子に、の、のるなよッ火花散る雷鳴(ブリッツ・フンケ)!」
 回転する雷の刃を飛ばして斬りつけるサーフィス

#2
かなり「さっきより少しはマシって感じね」
 ひょいひょいと鉄扇で迫る雷の刃をあしらうかなり
サーフィス(ここ、こいつはッ……)
 人を小馬鹿にしているが、強い……
サーフィス(イオッ!)
イオ(承知)
 しかし、サーフィスもまた、化野梶太郎と同様に時間が立てば立つほどに真価を発揮するタイプの人間だった。
 今まではほんの小手調べに過ぎない。ここからが本番だ!
※果たして最高潮に達するまでにかなりと渡り合えるのだろうか?
サーフィス「ししし、死ねよ!」
 サーフィスの殺気が膨れ上がる。
かなり「ふふん、ここからが本番ってワケ!?いいわよ、だったらこっちも少しだけ本気を出してあげるわ!」
 ぎゅるるんっ
 真殺影刃(しんさつえいじん)を鉄扇から大鎌の形状に変更するかなり
かなり「いくわよ!」
 ギンッガガガンッ
 今まで以上のスピードで駆け巡ると同時にヒットアンドアウェイを繰り返すサーフィス。
 しかし、そんなサーフィスのスピードについていって刃を打ち合わせるかなり。
 まだ余裕だ。
かなり(少しずつパワーアップしているみたいね……)
女王禍(出し惜しみ……しているわけでもなさそうだが……)
かなり(まぁ、エンジンがかかるのが遅いって感じでしょうね)
 そしてかなりはそんなサーフィスの力の秘密を既に把握していた。
※いや、かなりが持つ運のおかげで分かったというのが正しいんですけどね
サーフィス「ハッ、雷鳴響け混乱せし鴎(ドンナー・ウンオルドニング・メーヴェ)!」
 バリバリバリッ
 暫く斬り結んだ後、距離をとると、サーフィスはかなりに雷で作った鴎を打ち出す。
かなり「鳳鸞舞刃(ほうらんぶじん)!」
 ドゴオオンッ
 対してかなりは平安を(もたら)す鳳凰を解き放ってこれに応戦。
 鴎と鳳凰が激突し、そして双方が掻き消える。
サーフィス「互角……か!?」
かなり「わっ、びっくり!」
 凄まじく棒読みでそんなことを言いだすかなり。全然驚いていない様子だ。
サーフィス(いける……か!?)
 しかし、かなりはまだ全然全力ではないことをサーフィスは知らないのだった。
 仕方がないけどね……


続

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