#5
ウェステリア「唸る鉄刃(アイゼン・シュトーネン)！」
　一足飛びにかかると同時に一刀両断を浴びせるウェステリア
白拍子かれん「余裕……じゃないし、ちょっとストップッ！」
　水を得た魚のような感じで次に来る攻撃も炎でカウンターでも仕掛けようとしたかれんだったが予想を超えたス
ピードの斬撃に面食らう。
※炎を使っているのに水を得た魚って……
ウェステリア「貴様の炎もどうやら大したことないようだな……」
かれん「五月蠅いわね、燃やすわよ」
　ガンッ
　迫る凶刃をなんとか予兆共鳴者(オーメンレゾナンス)で受け止めてかれんが吠える。
　しかし、ウェステリアの攻撃はこれだけでは終わらない
ウェステリア「煌烈の鉄刃(アイゼン・フォンケル)！」
　カカッ
　閃光で目晦まし。と同時に十文字に斬撃を放つ
かれん「こんのぉ」
　ガガッ
　怯みつつも予兆共鳴者(オーメンレゾナンス)と炎の刃の二刀をもってしてそれを防ぐかれん。
ウェステリア「チッ……」
　炎を纏った刃とハルバードが激突するということは、ハルバードが溶断破砕されることを意味する。
　すぐさまハルバードを手放すとその場から後退るウェステリア
かれん「今度はこっちからいくわよっ！暝鳳極舞刃(めいほうきょくぶじん)！」
　ドンッ
　やられたらやれれっぱなし。ドMだもの……と、いきたいところだが、そういうわけにもいかない
※いや、今はそんなことどうでもいいですから。
　ここから先はかれんのターン、と、いうわけでもないが、この機を逃す程かれんも馬鹿ではない。
　闇の剣気で具現化させた火の鳥がウェステリアに解き放たれる。
ウェステリア「赤の絶壁(レッドクリフ)」
　ドオンッ
　魔導障壁を展開してそれを防ぐウェステリア
ウェステリア（やはり、普通の技では効果は薄い……）
　しかし、奥義を繰り出せば、かれんの炎の前に砕け散るのは必至。
　進退窮まったか！？
　いや、手の内を見せすぎたというのもあるだろう……ウェステリアは鋼タイプなのは今までの死合で明白だった
　ならば、炎タイプのかれんを仕向けるのは当然の策と言えよう
※いや、炎使いはもう一人、蛍もいますけど

#6
ウェステリア「てめぇ、本当に喧嘩売ってやがんな！」
かれん「だから、その喧嘩、買ってあげるっていったでしょ！」
　もはや会話が成立していない気がする
ウェステリア（だが、奴も無限に炎を繰り出せるわけではないはずだ……）
　ならば、あとはどちらの魔力が枯渇するのが早いか勝負あるのみ！
※かれんのは魔術じゃないんだけど……
ウェステリア「死ね！燃える獣王の鉱刃(エルツ・ブレナン・ルーヴァ)！」
　ドンッ
　投げつけたハルバードが鋼で武装した獅子となりてかれんに襲い掛かる
かれん「だから、無駄よ、無駄！暝鳳極舞刃(めいほうきょくぶじん)！」
　ドンッ
　そんな鋼タイプの獅子は炎タイプの鳥に焼き尽くされ効果が掻き消される。
ウェステリア「まだまだッ飛行せし鋼鉄の豹刃(シュタール・フリーガン・パンター)！」
　今度は投げつけたハルバードが鋼鉄の豹となりてかれんに襲い掛かる
かれん「何のこれしき、暝鳳極舞刃(めいほうきょくぶじん)！」
　ズズンッ
　しかし、結果は言わずもがな。またしても、かれんの炎の前に砕け散る。
かれん（さっきからしつこいわね……無駄だって分からないのかしら……）
　その後も何度か同じ攻防が繰り広げられると、流石のかれんの苛立ちが隠せなくなってくる
奠夷瑪(ディーヴァ)（根比べか……）
　長期戦に持ち込んで疲弊したところで炎も鋼も関係のない一撃で勝敗を決めるということなのだろうという推測
かれん（要するにあちらさんは手詰まりってことかしら……）
　だったら、丁度いいわ、ここで一気にカタを付けるべきねとかれんは決意を新たに最後の仕上げに取り掛かる
かれん「�K�R耀(こくげんよう)！」
　ゴアアアッ
　闇の炎がかれんを包み込む
ウェステリア「何！？」
　まさか今まで全力ではなかったのか！？とウェステリア、ここにきて驚きを隠せない
かれん「そして、もう一つオマケ！」
　カカッとかれんの額に燦然と輝くのは奠夷瑪(ディーヴァ)の御印。
　全力を出すと言えばそれまでなのだが、いくらなんでも超過出力が過ぎる。
※例えるならネズミ一匹潰すのに地球破壊爆弾を取り出すようなもの
かれん「消し飛べ！暝鳳極舞刃(めいほうきょくぶじん)！」
ウェステリア「燃える獣王の鉱刃(エルツ・ブレナン・ルーヴァ)！飛行せし鋼鉄の豹刃(シュタール・フリーガン・パンター)！赤の絶壁(レッドクリフ)！」
　ジュオッ
　ドゴオオンンッ
　武装した獅子も、鋼鉄の豹も、かれんの全力全壊の炎の鳥の前に一蹴され、さらに魔導障壁すら役立たずだ
ウェステリア「おおおお！？ば、馬鹿なぁ！？」
　かくて、ウェステリア、戦闘不能(リタイア)


続