Eighter -Blindness Wizard-
56ther 〜激突する魔術師達 B〜
#3
天宮裕「己ぇ、與鷹ッ」
ギロリと與鷹を睨みつける裕。
梓與鷹「もう終わりにしよう、裕！」
そんな裕を悲しそうな眼で見つめつつ與鷹は告げる。
裕「いいぜぇ、てめぇの生命を終わりにしてやるぁ！」
両雄、距離をとって対峙。そして、互いに次の一撃に全てを出し切るために微動だにしない。
暫く緊迫した空気が流れ……
裕「斃狼氷翳殺！」
先に動いたのは裕。自らを氷で包み込み巨大な氷狼となして與鷹に突撃する
與鷹「麗狼天冽華！」
ズアアアッ
與鷹の幻影が八人拳を握りしめ、本体と同時に裕に殴りかかる。
與鷹「終わりだ！裕ッ」
ドドドドドドドドドッ
その九つの拳打は、それぞれが神狼九断・来護重に匹敵する。いや、神狼九断・来護重そのもだ。
九つの拳を束ねて一点突破する豪の拳が九回！それはもはや必殺を超えた究極の一撃。いや九撃！
裕「がはあ！？」
さしもの裕も一撃必殺の九連コンボの前には成す術もなかった。
與鷹「裕……」
與鷹の拳をマトモに食らい、派手に吹っ飛んだ裕。そんな裕の元に無言で歩み寄る與鷹
與鷹（……魔導情報サーキット……それは魔術師としての命脈。コレを断てば魔術師としての人生は終わる）
ガドッ
ウェル「あ〜、うん。そね……」
與鷹が拳を突き立てると同時に、裕に融合していたウェルが裕から飛び出る。
そして、彼女はすぐさま魔導書の姿に戻る。魔導書の力を酷使しすぎた結果がコレだ……
裕「貴様ッ、何を……」
すぐさま起き上がろうとするが、しかし、手足に力が入らない。
與鷹「さっき言ったはずだ……終わりだと……」
裕「なん……？！」
與鷹「お前を魔術師たらしめる因子、魔導情報サーキットを破壊した。これでお前は召喚呪術を二度と使えない」
裕「貴様ッ」
更に、悲しげな眼をしながら残酷な事実を続ける與鷹
與鷹「……そして、お前の手足を潰した……もはやお前は拳法家としても再起不能だ」
※ちなみに、日常生活する分には問題ない程度に破壊してあります。
裕「アアアアアッ！與鷹ァアアアアッ！貴ッ様ァアアアアッ」
慟哭と叫び、怒りと恨み……しかし、何をしようとも、今の裕は無力そのものだ。
それは無駄に長く続いた與鷹と裕との間にあった因縁が断ち斬られた瞬間だった。
#4
與鷹と裕が因縁の死合を始めたころ、他のEighter一行らは、新生呪装四天王の待つエリアへと飛び込んでいた
まずは、ウェステリアとかれんだ。
ウェステリア「待っていたぜ！」
ドカンとハルバードの鐓を地面に叩きつけて叫ぶ。
白拍子かれん「ええと、待たせて悪かったわね？」
ウェステリア「あぁ！？てめぇ喧嘩売ってんのか！」
いや、だったらどう返せばよかったのか……なんて言っている場合ではない。
死合はすでに始まっているのだ。（え〜！？）
ウェステリア「サイレントウィザードの邪魔をする貴様らには死を！」
叫ぶと同時に飛び掛かるウェステリア。
かれん「別にこっちだって好き好んで邪魔しているわけじゃないんだけど」
そんな迫る凶刃を予兆共鳴者で受け止めるかれん
ウェステリア「あぁ！？てめぇ、喧嘩売ってんのか！」
かれん「五月蠅いわね、じゃ買ってあげるわよ」
これが本当の売り言葉に買い言葉だ。
ウェステリア「夢幻の鉄刃！」
ゴガガガガガガガッ
かれん「そんなものっ、光焔熾！」
予兆共鳴者を右手のみで持ち、左手は炎を集めて刃を作る。そして、迫りくる大量の刃の幻影に対抗するかれん
ウェステリア「何！？」
かれん「え！？」
炎のゆらめきにより、幻影の刃は全て掻き消され、本命のハルバードだけが残る。
ウェステリア「貴様ッ」
かれん「隙ありってね」
ズカンッ
予兆共鳴者と炎の刃で挟み込むようにハルバードを両断するかれん。ウェステリアは柄だけになったハルバード
を投げ捨てると距離をとって、懐から魔形刀を取り出す。と、同時に再びハルバードを作る。
炎を操る事に長けたかれんの前に鋼タイプのウェステリアは相性が悪かった
※いや、だからなぜポ〇モン理論？！
ウェステリア「てめぇ……」
ギロリとかれんを睨みつけたまま動かないウェステリア
ウェステリア（炎が相手じゃ圧倒的に分が悪い……だが、やるしかねぇ……いけるか？ミーコ？）
ミーコ（仰せの通りに……）
この死合、早々にケリがつくやもしれん……
続
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