Eighter -Blindness Wizard-
56ther 〜激突する魔術師達(クラッシャーウィザード) A〜



#0
 VSサイレントウィザード。その最初の一幕はウディンこと、天宮裕(あまみや・ゆたか)化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)。
 中盤くらいまでは梶太郎(かぢだろう)が優勢に思われたが、(ゆたか)の逆鱗に触れた梶太郎(かぢだろう)は砕け散る。
 そして、與鷹(よたか)(ゆたか)の因縁に決着を付ける死合が始まる!?

#1
天宮裕(あまみや・ゆたか)與鷹(よたか)、今日こそが貴様が死ぬ日だ!」
 ズズズズっとどす黒いオーラが(ゆたか)を覆う
梓與鷹(よたか)(ゆたか)……」
 やはり、貴様はもう、引き返せないところまできているのか……
 薄々感じていたことであるが、改めてその事実を突き付けられ、與鷹(よたか)はやるせない気持ちになる
(ゆたか)「出しな、てめぇのマジカル・フィストをな!」
※なんで唐突にJ〇Jo四部主人公みたいな言い回し!?
與鷹(よたか)(ゆたか)……いいだろう、ここで終わらせる。真書須らく翻れ(ウバゼッツァー)!」
テノ「だるだる〜〜」
 テノを纏いて魔術師としての力を引き出す與鷹(よたか)。
 律義にソレが終わるまで待ってくれる(ゆたか)。
 これから殺すことに変わりはないため、せめての慈悲だとでも言わんばかりだ。
(ゆたか)「その力、てめぇのものだけだと思うなよ!」
 ズビシっと指を突き付けて(ゆたか)が叫ぶ
與鷹(よたか)「どういうことだ!?」
(ゆたか)「見せてやる、俺が手に入れた貴様を殺す力を!深き果てに遜れ(ヘアッシェン)!」
ウェル(あ〜、うん。そね……)
エスティリオ・アリーフ・ザンスパイン「なっ、貴様、正気であるか!?」
 誰よりも先にソレに反応したのはエスティリオだった。
與鷹(よたか)「どういう!?」
エスティリオ「深き果てに遜れ(ヘアッシェン)……それは魔導書の力を強制的に引き出す禁術なのである」
與鷹(よたか)「禁術?!」
 しかし、今はそんなことを考えている場合ではないと、すぐさま意識を切り替える
(ゆたか)「ハッ!虐狼魔覇(ぎゃくろうまは)!」
與鷹(よたか)神狼九断(しんろうくだん)!」
 ガドドドドドドドッ
 激突する蹴撃と拳打。
與鷹(よたか)(ぐっ、この力……)
 強い。少なくとも今までの(ゆたか)とは一線を画する力。
 これが奴の言う深き果てに遜れ(ヘアッシェン)の真価なのか!?
エスティリオ(奴は正気ではないである……)
(かみ)総介(……お前は何か知っているようだが、アレはどういう力だ?)
エスティリオ(……むむぅ……アレは禁術)
 それはさっき聞いた。
エスティリオ(魔導書の力を強制的に完全開放させる……それは真書須らく翻れ(ウバゼッツァー)を凌駕することもあるかもしれな
いである……しかし、アレは……深き果てに遜れ(ヘアッシェン)とは、魔導書の力を使い潰す外法……だから禁術なのである)

#2
 (ゆたか)はこの一戦に全てをかけている。文字通りだ
(ゆたか)虐狼魔覇(ぎゃくろうまは)故窮屠主(コキュートス)!」
與鷹(よたか)神狼九断(しんろうくだん)来護重(らいごうえ)!」
 ガドオンンッ
 足に氷の刃を纏い、上空から重力加速をつけて一気に下降して襲い掛かる(ゆたか)と、九つの拳打を一つに束ねて一点
突破させる與鷹(よたか)與鷹(よたか)(ぐっ、これは、マズイッ……)
 深き果てに遜れ(ヘアッシェン)は、真書須らく翻れ(ウバゼッツァー)を凌駕することがある……
 今の(ゆたか)は怨執も加わって與鷹(よたか)を超えている……その結果、與鷹(よたか)は競り負けた。
(ゆたか)「見たかッ!これが俺の双狼拳(そうろうけん)、貴様を殺す俺の力だッ!」
ウェル(オアアアアッ)
與鷹(よたか)(な、なんだ!?)
 その時、與鷹(よたか)はウェルの悲鳴を聞いたような気がした。
(ゆたか)「ハッハァ!俺は強い!そして、それ以上に、貴様は弱い!」
與鷹(よたか)巫山戯(ふざけ)るなよ、そんなものが……」
(ゆたか)「いいぜぇ、貴様を完膚なきまでに叩き潰して俺は前に進める!」
テノ(だるだる〜〜)
與鷹(よたか)「天狼甲ショロトル!」
 今こそ、與鷹(よたか)も切り札を切る時が来た。
(ゆたか)「へっ、武器を使う拳法家など二流よ!貴様も底が知れたな!」
與鷹(よたか)「じゃあ、氷を拳に纏って武器にするのは二流のやることじゃないのか?」
(ゆたか)「……」
 ちょっとだけ黙り込んだのちに、ンなこたぁどうでもいいんだよ!と叫ぶ。
(ゆたか)「砕け散れ!戮狼戴天(ろくろうたいてん)鈍流斃無(ニブルヘイム)與鷹(よたか)神狼九断(しんろうくだん)来護重(らいごうえ)」
 拳に氷でできたウルフヘッドを纏い、與鷹(よたか)に殴りかかると同時に噛み砕きにかかる(ゆたか)。
 しかし、そのウルフヘッドは與鷹(よたか)の拳の前に叩き砕かれる。
(ゆたか)「何ィ!?」
 その手甲にどんな秘密が?!……いや、なんであれ破壊すれば問題ないと結論付ける(ゆたか)
(ゆたか)滅狼凍河塵(めつろうとうがじん)!」
與鷹(よたか)天狼激転生(てんろうげきてんしょう)!」
 與鷹(よたか)の幻影が四人出現すると同時に(ゆたか)を抑えにかかるが、冷気を纏った黒い気の拳でそれをズタズタに切り裂く
(ゆたか)。
 しかし、(ゆたか)が切り裂いたのは與鷹(よたか)の幻影だ。
 ドゴンッ
 そして、與鷹(よたか)本人の拳が(ゆたか)を捕える。
(ゆたか)「ぐっ!?」
 しかし、決め手にはまだ遠い。


続

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