Eighter -Blindness Wizard-
55ther 〜静謐なる魔術師達(サイレントウィザード) B〜



#3
化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「ええい、なんでもいい、行くぜ!野郎ども!」
天宮裕(あまみや・ゆたか)「貴様ッ!」
 その時、(ゆたか)梶太郎(かぢだろう)を発見して怒りを露にする
梶太郎(かぢだろう)「お前は……」
 まさか、貴様が與鷹(よたか)の走狗に成り下がっているとはなぁ!と叫ぶと同時に(ゆたか)が飛び出していく
ネサリウス「ま、待て、勝手に持ち場を離れるな」
(ゆたか)「あぁ!?てめぇの指図なんて誰が受けるかよ!」
韻麗(いんれ)「まぁ、いいではないですか……彼は呪装四天王の一員ではないのでしょう?」
ネサリウス「……」
 そういわれると強くは言えなくなるネサリウスなのであった。
(かみ)総介「俺たちも行くぞ」
 ここで立ち止まっているほど無駄な時間はない。
 だったら、突撃するしかないのだ。
天然蛍(あましか・けい)「じゃあ、またあとで会おうね〜」
冥時(みょうじ)萌「俺の邪魔をする奴は、斬る!」
白拍子かれん「あぁ、もう、どうにでもなれ!」
白拍子かなり「オ〜〜ッホッホッホッ、かなりに逆らいしものには"死"を!」
 四者四様といった感じで四人(プラスアルファ)は新生呪装四天王に襲い掛かっていく。

 そして、残った一行は、(ゆたか)と対峙する。
※なお、新生呪装四天王の元に行かなかったメンバーは全員ここにいます。人数バランスがおかしい気がするけど
(ゆたか)與鷹(よたか)の前にまずは貴様からブチ殺してくれるわ!」
梶太郎(かぢだろう)「ちょっと待ってくれ……俺とお前がいがみあう道理なんてないはずだ」
 ともに與鷹(よたか)を倒そう!とかここにきて裏切るつもりなのか……しかし、梶太郎(かぢだろう)の言葉に耳を貸さない(ゆたか)(ゆたか)「てめぇになくても俺にはある!俺の前に立ちはだかる者は全て殺す!」
梓與鷹(よたか)「もう、あいつに言葉は届かない……」
 ぽんと梶太郎(かぢだろう)の肩を叩いてふるふると首を横に振る與鷹(よたか)。
 更にぐぐっと拳を握りしめて叫ぶ
與鷹(よたか)「だから、奴を倒して引導を渡すしかないんだ……」
梶太郎(かぢだろう)「いや、ここは俺がやる!」
與鷹(よたか)「え!?」
 どんな心変わりがって思ったが、次の瞬間梶太郎(かぢだろう)はこう続ける
梶太郎(かぢだろう)「お前を倒すのは俺だからな、俺以外のヤツに倒されるのは納得がいかねぇ!」
 あ、そうですか……と言った感じの與鷹(よたか)であった。
 かくて、梶太郎(かぢだろう) VS (ゆたか)の死合が始まった

#4
(ゆたか)「てめぇの後に與鷹(よたか)をブチ殺さねぇといかねぇからな……とっとと終わらせる!」
 既に我が元に帰れ(ヴォレーゲン)は発動済みの(ゆたか)※ちなみに、他の新生呪装四天王も同様です
(ゆたか)邪狼群憑(じゃろうぐんひょう)!」
梶太郎(かぢだろう)虎伏絶掌(こふくぜっしょう)!」
(ゆたか)虐狼魔覇(ぎゃくろうまは)梶太郎(かぢだろう)極彩虎襲(ごくさいこしゅう)!」
 ズドガガガガガガガガガガガッ
 互いにパワーアップを図ってからの一撃
 上空に飛んでから下降すると同時に蹴りの連打を食らわす(ゆたか)と、普通に拳打の連打を浴びせる梶太郎(かぢだろう)
(ゆたか)「チッ、互角か……」
梶太郎(かぢだろう)「ヘッ、だが、勝負はこれからよッ!」
 (ゆたか)梶太郎(かぢだろう)虎伏絶掌(こふくぜっしょう)が未完成であり、時間が立たないと本領発揮できないことを知らないはずだ。
 そして、今の時点で互角であるならば、時間がたてばたつほどに梶太郎(かぢだろう)が優位になるはずだ。
梶太郎(かぢだろう)(この勝負貰った!)
(ゆたか)双虎拳(そうこけん)……だが、貴様はわが双狼拳(そうろうけん)の前に砕け散る!)
(ゆたか)戮狼戴天(ろくろうたいてん)ッ!」
梶太郎(かぢだろう)銀號懺月(ぎんこうざんげつ)ッ!」
 ゴドガッ
 纏ったオーラが狼の顔を形成しそのまま喰らい付き闇へと引きずり込む拳と、虎の咆哮の如き衝撃波。
 二つの拳(いや、片方は拳じゃないけど……)がぶつかり合い、相殺される。
梶太郎(かぢだろう)「次、行くぜ、おらぁっ!金鯱流楼(きんこるろう)!」
(ゆたか)「貴様、あまり調子に乗るんじゃねぇぞ!獄狼砕界天(ごくろうさいかいてん)!」
 両手、頭に黒い気を纏い、ケルベロスのような姿で相手に襲い掛かる(ゆたか)。
 しかし、梶太郎(かぢだろう)は流れる水のような華麗な動きで迫る拳を回避してはカウンターを叩き込んでいく。
(ゆたか)「ぐっ……ごおっ!?」
 今日の梶太郎(かぢだろう)はいつもより調子がいいのか、既に(ゆたか)を凌駕しつつあった。
梶太郎(かぢだろう)(ヘッ、これが貴様の双狼拳(そうろうけん)か……あまり大したことはないな……)
 梶太郎(かぢだろう)は毎回與鷹(よたか)にボコボコにされているイメージしかないが、それでも、正当な想いの果てに修練を積んでい
るため、着実に力はついているのだ。
 (ゆたか)も怨執の念を捨てて修練に励めば梶太郎(かぢだろう)と同じような力を手に入れることができたはずなのに……
與鷹(よたか)(……何か、おかしい……確かに今は梶太郎(かぢだろう)(ゆたか)を上回っているように見える……しかし、この底知れぬ不安
はなんだ!?)

#5
梶太郎(かぢだろう)「どうした、双狼拳(そうろうけん)ってのはそんなモンか!?」
與鷹(よたか)「はっ、やめろ!梶太郎(かぢだろう)……」
 それ以上はいけない!しかし、與鷹(よたか)の忠告は遅かった。
梶太郎(かぢだろう)双狼拳(そうろうけん)も大したことないな……」
(ゆたか)「貴様ッ」
 ズゴゴゴゴゴッ
 その一言は(ゆたか)にとって逆鱗に触れる行為だった。
 そして、それは虎伏絶掌(こふくぜっしょう)の最高潮を軽く凌駕する(ゆたか)の怒りとなる。
(ゆたか)「……死ね!」
 ズドムッ
梶太郎(かぢだろう)「がはぁっ!?」
 (ゆたか)の姿がブレたと思った次の瞬間には梶太郎(かぢだろう)の眼前に(ゆたか)の姿があった。
 そして、ガードも回避も不能のまま、梶太郎(かぢだろう)(ゆたか)の拳が突き刺さる。
 ソレは比喩表現ではない……文字通り、梶太郎(かぢだろう)の体に(ゆたか)の拳が突き刺さった!と、言うか、貫通した。
(ゆたか)「あぁ!?誰が、なんだって!?」
 そのままゴミを投げ捨てるかのように、梶太郎(かぢだろう)をポイ捨てする(ゆたか)(ゆたか)「待たせたな、與鷹(よたか)。貴様が死ぬ時間が来た」
與鷹(よたか)梶太郎(かぢだろう)……」
 しかし、梶太郎(かぢだろう)のことも気になるが、今は(ゆたか)をどうにかすることが先決か……
 さぁ、ここで因縁を終わらせよう!


END

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