Eighter -Blindness Wizard-
53rder 〜魔術師たちの相剋 C〜



#5
 逃げるには今しかないとエルザはエスティリオを抱きかかえる。
エルザ「マスター、行きますッ」
エスティリオ・アリーフ・ザンスパイン「ど、どこに、であ〜〜るか!?」
ネサリウス「マズイッ、奴を逃がすな!」
サーフィス「ににに、逃げられるとでも、お、おお、思うかッ?」
 カカッ
 閃光と同時にサーフィスがエスティリオに迫る。が、しかし、エルザがそれを阻む
エルザ「マスターは我が身を賭して守るッ」
 ザムッ
エスティリオ「え、エルザッ!?」
 サーフィスの雷でできた槍がエルザを貫く。
エルザ「マスター、生きて!」
一同「なっ、これは!?」
 カッ、ズドオオンッ
 突如巻き起こる大爆発。
天宮裕(あまみや・ゆたか)「ぐっ、一体何が起きた!?」
 そして、燃え散る本の切れ端。
 それは、エルザ……魔導書、エルザンドゥ草稿だったモノ
ウェステリア「おい、奴はどこだ!?」
バーニーヤ「はっ!?どこにも……いないッ!?」
 エルザ決死の大爆発……そして、その場にエスティリオの姿はどこにもなかった。
ウェステリア「くそがッ!逃したのってのかッ!」
エランドラ「ハッハ〜!逃げるなんて軟弱なっ、漢なら戦い抜け!」
(ゆたか)「だったら戦い抜いて見せろ!」
 ズドンッ
エランドラ「ぐはっ!?」
フキエル「エランドラ様!?」
ネサリウス「はい、そこまでだ!」
フキエル「クッ……」
 そして、ネサリウスに刃を突き付けられて、フキエルもまた降参するしかなかった。

ロズエリク「フム、どうやら奴は逃げたか……」
ネサリウス「ロズエリク様ッ!追撃の許可を!」
ロズエリク「いや、その必要はあるまい」
 捨ておけ……あんな奴に何かできるとでも?と言い放つロズエリクに、そこまで言うのであればと一行も納得す
る。
ネサリウス「ロズエリク様……エランドラとフキエルはどうします?」
ロズエリク「フン、地下牢にでも放り込んでおけ!」
ネサリウス「ハッ」
 と、言うわけでエランドラとフキエルは魔導書娘を没収され地下牢へと放り込まる
韻麗(いんれ)「どうやら終わったみたいですな」
ウェステリア「なんだ貴様!?」
 そこへやってきた謎の人物に、敵意をむき出しにするウェステリア。
 それに対し、ロズエリクはただ一言、仲間だと告げる。

#6
ウェステリア「仲間だぁ!?」
 てめぇ、喧嘩売ってんのか!といつものように突っかかるウェステリア。
 そして、それを宥めるドキエル。
※いつもの光景です。
ロズエリク「本来は呪装四天王の一員として追加し、五人になったことでその名を改めるつもいでいたが、結果的
にその必要はなくなった」
(ゆたか)「ケッ……」
 俺ン時とは違うな……なんて心の中で突っ込む(ゆたか)(ゆたか)も四天王になりたかったってこと?!
ロズエリク「これより私は大導師(グランドマスター)様の遺志を継ぐ!」
一同「オオッ!」
 それに対して、反対するものは誰もいなかった。
 いつも顔を見せないGB(グレートバシャール)とは違い、具体的な指令などはロズエリクが行っていたことが災いし、誰もがロズエリク
の方を信頼していたからこその結果だと言えよう
ロズエリク「ふむ。そうだな……これより私は名を変えよう」
(ゆたか)「名を変えるだぁ!?」
ネサリウス「総帥には総帥に相応しい名前というものがあるということだ」
(ゆたか)「ヘッ」
 名前なんてどうでもいい、ミサイルよこせってんだ!なんて心の中で突っ込む(ゆたか)。
 そんな(ゆたか)はさておき、ロズエリクは暫く考えたのちにこう告げる。
ロズエリク「これより私は偉大なるL(グレーテル)と名乗る!以後私のことはロズエリクではなく、偉大なるL(グレーテル)と呼ぶように」
※いや、グレーテルって……ヘンゼルもどこかにいるのかよ!?
一同「ハッ、偉大なるL(グレーテル)様」
 新星呪装四天王、新たなる大導師(グランドマスター)に忠誠を誓う。
偉大なるL(グレーテル)「早速だが、忙しくなるぞ!」
 シレントワイザードの当初の目的とは場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)を駆使して域外神(アウターゴッド)をこの世界に召喚すること。
 召喚儀式の触媒とする為に彼らは場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)七罪塔(しちざいとう)を求めてここまできたのだ
偉大なるL(グレーテル)七罪塔(しちざいとう)を配置したら、すぐさま召喚術式を執り行う」
 その制御はラキエル、ドキエル、バーニーヤの三人だと続ける
ネサリウス「ほう?それはなんでまた?」
偉大なるL(グレーテル)「呪装四天王には敵の排除を行ってもらいたいからだ」
 ここで言う敵とは、Eighterのことである。呪装四天王の配下に迎撃してもらうよりも、呪装四天王が迎撃につ
いた方がいいという考えた。


続

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