Eighter -Blindness Wizard-
53rder 〜魔術師たちの相剋 B〜



#3
 自らの野望のために大導師(グランドマスター)を抹殺し、その罪をエスティリオに擦り付けたロズエリク。
 そのまま悠々と通路を歩いていると、一人の僧侶と遭遇する。
韻麗(いんれ)「どうやらお取込みのようですな……」
ロズエリク「だが、直に収束する」
 なぜ、大神の降真靈(こうしんりょう)が高僧の一人がこの場にいるのか……
 それは、彼らが密かに盟約を結んでいたからである。
 そう、先日佐野SA(サービスエリア)にDAがいたのも、シレントワイザードと大神の降真靈(こうしんりょう)とが手を結んでいたからできたことだ。
※ともに目指すモノが同じならば、手を組むのもまた一興と言ったところか

 そして、話は窮地に陥ったエスティリオの方へと戻る。
ウェステリア「エスティリオ、やはり、貴様、大導師(グランドマスター)様を亡き者にする為にッ」
エスティリオ・アリーフ・ザンスパイン「巫山戯(ふざけ)るなッであ〜〜る!」
 魔形刀(マナヒョンド)二刀流で何とか応戦するエスティリオであるが、それにも限度がある。
ネサリウス「フム、やはり、エスティリオの保有魔力はずば抜けているか……」
サーフィス「み、みんな、仲良く……」
 積極的にエスティリオを害しようとするモノはウェステリア。
 サーフィスはおろおろするばかりで今のところ戦闘に加わろうとせず、ネサリウスもエスティリオの底を見極め
んと動かない。
ウェステリア「てめぇら、休んでないで協力しやがれ!喧嘩売ってんのか!」
エランドラ「ガッハッハッハ!俺は何人相手でも構わねぇぜ!」
ウェステリア「あぁ?!てめぇ、その言葉後悔させてやる!」
エランドラ「おう!後悔させて見せろや!」
ウェステリア「夢幻の鉄刃(アイゼン・エルシャイノン)!」
エランドラ「在りし炎の禍(フランメ・ウングリュック)!」
 ズゴオオンッ
 幻影の刃がエランドラに迫るも、エランドラは緑の炎の渦でそれを溶かし消す
ウェステリア「クソがッ!」
 やはり、鋼タイプでは炎タイプにかなわないのだ
※いや、だからなぜポケ〇ン理論!?
 ズドオンンッ
 と、その時、均衡していた?戦場に新たなる刃が降り立つ
天宮裕(あまみや・ゆたか)「ヘッ、随分面白いことになってるじゃねぇかッ!」
 ウディンこと(ゆたか)推参
 しかし、よく考えたら氷タイプの(ゆたか)も炎タイプエランドラ相手には相性が悪いので、あまりアテにできない気が
する。

#4
サーフィス「い、いい加減に、し、しろよ、お前らッ」
 ズキャアンッ
一同「ぬっ、なぁ!?」
 閃光、稲光でも走ったかと思うと、エスティリオ陣営もウェステリア陣営も動きを止める。
バーニーヤ「い、今のは、サーフィス……の!?」
ネサリウス(ほぉう、今のがサーフィスの力か……)
ラキエル(どうしてあんな弱気なのが呪装四天王なのかって思っていましたけど、呪装四天王の名は伊達じゃない
ってことですね……)
 初めて見るであろうサーフィスの実力にネサリウス、ラキエルは感嘆した。
(ゆたか)「てめぇ、邪魔するならてめぇも殺すぞ!」
サーフィス「ややや、やって、みみ、みろよ」
ウェステリア「てめぇも裏切るってか!?喧嘩売ってんのか!」
(ゆたか)「あぁ!?誰もンなこたぁ言ってねぇだろ、喧嘩売ってんのか!」
 ガン飛ばしあうウェステリアと(ゆたか)
ドキエル「いや、今はそんなことをやっている場合ではないですよ……」
エスティリオ(やはり、これでは多勢に無勢であ〜る)
 そして、大導師(グランドマスター)様をぶっ殺したシレントワイザードに未練などない。
 で、あれば、逃げるが勝ち。
エルザ(我が身を賭してでも、この場を切り抜けて見せる……そのためには……)
 我が生命など惜しくは無いという覚悟を密かに決めるエルザ。
エランドラ「おらあっ!揺らぐ炎の羽撃(フランメ・フラッテルン)」
 ズゴオオッ
 ウェステリアと(ゆたか)がいがみ合っているその隙に緑の炎の渦を二つ作り、けしかけるエランドラ
ウェステリア「なめるなッ」
(ゆたか)「殺すぞ!」
 相性が悪いにも関わらず気合と根性でそれを跳ねのけるウェステリア、(ゆたか)
エルザ(今ッ)
エスティリオ「な、何を?!」
 脱出するチャンスは今しかない!そう考えたエルザはエスティリオの元へ一気に駆け寄ると、同時にエスティリ
オに後ろから抱き着く
エスティリオ「なななっ、ワガハイにそんな趣味はないのであ〜る」
 とかいいつつ実はちょっとまんざらでもないエスティリオであった。
エルザ「五月蠅い、マスターは少し黙っててほしいッ!」
エスティリオ「あ、はい」
 有無を言わさず凄みに思わず従ってしまうエスティリオ。果たして、この後どうなるのか!?


続

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