Eighter -Blindness Wizard-
50ther 〜淫蕩に落ちた教室 B〜



#3
井藤遼平(りょうへい)「はっ!?」
 そして、気が付くと、いつもの学校風景に戻っていた。
 あれはほんの一瞬の出来事だったのか、それとも……
 ただ、さっきまでと違う点が一つ。目の前の彼女は虚ろな表情のままぼけ〜っと突っ立っている点にある。
 教師をハメて金をせびろうとしていた女とは思えない。それはまるで催眠にでもかかっているかのような……
遼平(りょうへい)「あ〜、これは大変だ、今すぐ補習授業をしなくては」
*「はい。喜んで」
 棒読みも棒読みだが、そんなことを告げると彼女も付き従う。
 その時、遼平(りょうへい)は心の中で『我が世の春が来た〜』と快哉を叫んだ。
※お前はどこのギン〇ナムだよ!
 そして、彼の受け持つクラスの生徒全員が彼の毒牙にかかるのは時間の問題であった。
 更に、異変はそれだけではない。彼の受け持つクラスの生徒が突如昏睡し、目覚めなくなるという事件が相次い
だ。

警官「例泥(れいでい)警部……またも小田原学園の生徒が昏睡したとの通報が……」
例泥馬供(れいでい・めきょう)「またか、今月で何度目だ!?」
警官「例泥(れいでい)警部、今はそんな些細なことは問題ではないでしょう」
 いや、些細な事じゃないよ。
警官「いずれも保健室で起きているということから、保健室の先生がアヤしげな人体実験でも行っているのではな
いでしょうか?」
馬供(めきょう)「俺も確かにそれを疑ったがな。事件が発生しているのは保健室の先生がいないタイミングだということが分
かっている」
一同「な、なんだってぇ〜〜!?」
警官「はっ!?」
 そして、その時、一人の警官が閃く
警官「例泥(れいでい)警部!もしかしたらこれは男子生徒が女子生徒を保健室に連れ込んでクロロホルムかなんかで昏睡させ
て強姦を行ったとかそういう可能性は!?」
馬供(めきょう)「確かに、その可能性も考えられるだろう、だが、それはない!」
一同「どうして断言できるんですか?」
馬供(めきょう)「それは、ここが女子高だからだ!」
一同「あっ……」
警官「じゃあ、生粋のレズが……」
 いや、そこは男性教員を疑えよ!
馬供(めきょう)「いや、待てよ、ここは確か小田原学園……」
 そんな中、こっそりと逃げ出そうとするのは遼平(りょうへい)である。
馬供(めきょう)「やはり貴様か!遼平(りょうへい)!」
遼平(りょうへい)「警部、こんなところで奇遇ですな、あははははっ」
馬供(めきょう)「貴様を重要参考人として連行する」
遼平(りょうへい)「逃〜〜〜げるんだよ〜〜〜」
馬供(めきょう)「逃がすな、追え〜!」
 こうして、兵庫県警と遼平(りょうへい)のリアルケイドロが始まった。

#4
 一方、そんな小田原学園の外側にて、学校の中を観察するものがいた。シレントワイザードの魔術師である
ウェステリア「くそっ、女子高だと、喧嘩売ってんのか!」
ドキエル(いや、特に喧嘩は売ってないかと……)
 そもそも、女子高に潜入というのであれば、前にエランドラがやっている。
 あの時はあまりに巫山戯た感じのコスプレで一目でバレてしまったが……
ドキエル「ウェステリア様、我々も女装してあそこへ潜入すればよいのではないでしょうか?」
ウェステリア「あぁ!?てめぇ俺に女装しろだと!?喧嘩売ってんのか!」
ドキエル「ですが、他に方法は……」
ウェステリア「見ろ、警察が来てるじゃねぇか!」
ドキエル「なるほど、警官に変装すればいいわけですね?わかります」
 かくて、ウェステリアとドキエルの二人は警官に変装して学園へと堂々と潜入するのであった。

 一方、少し時間は巻き戻り……
 天四斗(あまよと)、Eighter本部
(かみ)総介「今すぐ兵庫に向かうぞ!」
梓與鷹(よたか)「……」
 突如現れた総介はそんなことを言いだす。
 何が何だかさっぱりわからないのはいつものことなのだが、相変わらずもう少し説明をしてほしいものである。
 とりあえず、道中にて詳細を聞いてみることにして、與鷹(よたか)らは総介とともに兵庫へと向かうのであった
山咲(やまざき)桜「先日、兵庫県立の女子高、小田原学園で女子生徒が保健室で昏睡するという事件が発生しました」
 そして、その女子高生の意識は今だ戻る気配なし。意識がないだけでほかは健康そのものだという。
総介「そして、昏睡した女子生徒は一人だけではない!」
與鷹(よたか)「つまり、彼女らは七罪塔(しちざいとう)天命(ネフェシュ)を奪われて昏睡しているということか!?」
桜「そういうことになります」
 そして、その事件を解決するべく総介は立ち上がったのだ。
化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「よくわからねぇが、乗り込んで元凶をぶちのめせばいいんだろ?」
総介「お前は人の話を聞いていない奴だな」
梶太郎(かぢだろう)「あぁ!?」
與鷹(よたか)「あ〜、問題の場所が女子高ってことね……」
 前にもあったよね、こんなこと……などといいつつ、そちらへ向かう。
 果たしてEighter一行は間に合うのか!?


続

前の話へ 戻る 次の話へ