Eighter -Blindness Wizard-
49ther 〜奇妙な同居の秘密 C〜
#5
上総介「権三郎は馬帆と彼女に瓜二つの女性の二人に出会って、問いただしたことで馬帆が双子の姉妹だと告げた
ということだ」
梓與鷹(「それは、まさか……」
山咲(桜「ええ、おそらく、大神の降真靈(の手により何らかのオーパーツが馬帆に与えられたこ
とによる影響でしょう」
総介「あとは大神の降真靈(の連中がどこにいるかだが……」
與鷹(「こればっかりは本人に聞くしかないな……」
総介「と、いうわけでお前の家に案内しろ!」
嘉駕(吉貴「はっ、はい、ぜひとも案内させてください!」
そうして一行は吉貴の家へと赴く。
一同「……」
だが、一行が吉貴の家にたどり着いたとき、唖然とする出来事が発生した。
いや、既に発生していたのだ。
と、言うか、家のドアに張り紙がしてあった。そこには以下のように書かれていた
駆け落ちします、探さないでください
吉貴「馬帆〜〜〜〜ッ!」
自分よりも浮気相手を選んで駆け落ちしたことに愕然とする吉貴であった。
與鷹(「総、まさかのいきなりの手詰まりなんだが……」
総介「これは流石に予想外だ……」
*「まさかオーパーツを持ち逃げさるなどとは、思いもしませんでした」
一同「な、この声は!?」
與鷹(、総介が振り向くと、そこには一人の僧侶が立っていた。
彼こそは大神の降真靈(が高僧の一人、韻麗(であった。
化野梶太郎(「貴様は確かアドバンス〇ブゼータ的な名前の……確か、はいぜんすれい、いや、きはある?」
與鷹(「いや、韻麗(だっての!」
寧ろ、間違ってそっちを覚える方が面倒くさいだろといつの間にかやってきた梶太郎(に突っ込みを入れる與鷹(
総介「貴様……」
韻麗(「そう怖い顔をしなくてもいいでしょうに」
ただ、ここであったのも何かの縁でしょうなぁ……などと呟く
韻麗(「私が彼女に貸し与えたのは謎の分配器(なるオーパーツです」
與鷹(「お前、何を考えている!?」
どうしてそんなことを教えてくれるのか、疑問で思わず與鷹(は身構える。
韻麗(「どうせなんだかんだと聞き出すのならば、先に答えてあげるのが世の情けというやつですが?」
なんで妙に□ケット団の口上みたいに喋ったし!?
#6
総介「謎の分配器(……」
桜「自分を半分に分けて分身を作る場違いな白き遺物(ですね……」
そそくさと桜が調べあげて情報を伝える。
與鷹(「なるほど、それで双子の姉妹が出来上がったというわけか……」
桜「なお、自分を半分に分けるので、当然本人も分身も少し小さくなります」
吉貴「背ぇ縮んだかなぁ?って思ったのは気のせいじゃなかったってことか」
いや、そこは気づけよ!ってか不審に思えよ!
※ってか、実際に自分を半分に分割する道具がドラ〇もんの秘密道具にあったような……
梶太郎(「で、お前は何の用でここへ来たってんだ!?」
まさか馬帆の安否を気遣ってきたというわけでもあるまい
韻麗(「いや、当然かとは思いましたが、やはり、一個だけでは異世界の神召喚ガチャはうまくいかないものですね
と……」
総介「貴様ッ」
ただ失敗の報告に来たというわけでもない。異世界の神召喚ガチャが失敗した結果、どうなったかを見に来たと
いうことだ。
総介「奴をぶっ倒せ!」
梶太郎(「へいへい。仰せのままにっと」
しかし、そんなことは確認しなくともある程度予測はできるはずだ。と、いうわけで総介は韻麗(を倒せと梶太郎(
に命ずる。
梶太郎(「おらあっと!」
ガキンッ
梶太郎(の拳を轟曦真靈杖(で受け止める韻麗(。
韻麗(「あちらの方は随分と殺気立ってますね」
梶太郎(「あぁ!?そういうてめぇはずいぶんと余裕じゃねぇか!」
しかし、この死合は長くは続かない。もともと韻麗(としてもここで死合うメリットなど何もない。
暫く梶太郎(に付き合ったのち、韻麗(は閃光と共にその場から姿を消すのであった
與鷹(「総……」
いきなり怒りを露にした総介に、與鷹(もちょっと困惑気味だった
桜「自分自身の肉体に作用している状態で、そのオーパーツが破損した場合、どうなると思います?」
與鷹(「……はっ!?」
一体何が総介をそんなに怒らせているのかと與鷹(は考えようとした矢先、桜が答えを出す
※いや、答えというかヒントですけど
自分自身を半分に分割する場違いな白き遺物(、謎の分配器(。それを使用している最中に、もし、謎の分配器(が破
損したならば、一体分裂した人間はどうなってしまうのだろうか?
分裂したまま元に戻れないだけならば、まだ救いがあるかもしれない。だが、もしも、違うのであれば……
そして、その悪い予感は的中することとなる。
#7
その日、東京から東北へ向かう新幹線の一つが急遽運転を停止する事件が発生した。
車内で男が同乗していた女性を突如一刀両断したからである。
死亡した女性は勿論、嘉駕(馬帆。犯人は当然、後田寿樹(であった。
しかし、不思議なことに女性を一刀両断した刃物はどこにも見当たらなかったという。
こうして、後田寿樹(は保釈中に殺人を犯したとして急遽再び投獄されることとなる。
と、いうわけで、後味が悪いまま、この事件は幕を閉じることとなった。
韻麗(の後を追うにしろ、手掛かりが少なすぎるため、一行は帰るしかなかったのだ。
ちなみに、その後の吉貴はというと……相変わらず懲りてないというかなんというか、浮気していた六人の女性
の中から正妻を選んで再婚。
馬帆と同じように再婚相手に絶対の服従を誓うことを条件に残りの五人と爛れた生活を送る日々を勝ち取ること
に成功したのであった。
※お前どんだけヤりたい盛りなんだよ……
END
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