Eighter -Blindness Wizard-
49ther 〜奇妙な同居の秘密 B〜
#3
素行調査を続行させてから数日後、家にて夫婦の営み(?)意外では肩身の狭い思いをしていた吉貴の元に一本
の電話がかかってくる
武田権三郎「ほっ、仏の……慈っ、悲ぃっ」
嘉駕吉貴「え?なんだって!?」
だが、その言葉を最後に、通話は途絶えた。
東京、某所
警官「ホトケは武田権三郎……都内にある啄木鳥探偵事務所に勤める探偵だそうです」
警官「どうやら覚醒剤を大量投与されたことであの世で覚醒してしまったようです」
上(総介「何が覚醒剤であの世で覚醒だ、あまり巫山戯(たことを言っていると叩き出すぞ!」
一同「かかかかっ、かっかかかっ、かかかかっ上(警部ぅ!?」
こんなところに総介がくるはずがないだろうと思い込んでいた警官一行は突如現れた総介に思わず委縮する。
山咲(桜「はぁ……」
いい加減、そのリアクションには飽きましたとため息をつく桜。
とはいえ、どうすればいいんだって感じの警官一行であった
警官「あの〜〜、上(警部……どうやら先日保釈された後田寿樹(に覚醒剤を販売していたグループによる犯行……と
のことらしいですが」
総介「フン。では、なぜ奴はそんなものを調べていた?」
警官「それが分かれば苦労しないんですけどね」
総介「お前警察をなめてんのか!?」
警官「ヒッ、すいません!今すぐ調べます!」
総介にギロリと睨まれて、警官一行は蜘蛛の子を散らすかのようにその場を後にするのであった
総介「行くぞ、山咲(」
桜「はい、警部」
そして総介は探偵事務所へと足を運ぶ
*「警察の方ですか……」
総介「ここに武田権三郎なる探偵がいたと思うが」
*「あ、はい。今日はまだ見かけませんね……」
桜「残念ですが今後も会うことは叶いません」
*「それはどういう?」
総介「殺されたんだよ」
吉貴「な、なんだと!?」
総介「なんだ、てめぇは!?」
吉貴「ヒッ」
*「この方はその権三郎さんに妻の素行調査を依頼していた人で……」
総介「おい、貴様、探偵から何か聞いていないか?」
吉貴「あっ、はい。その、仏の慈悲がどうのと……」
総介「な、なんだと!?」
その言葉を聞いて顔色を変える総介。
総介「山咲(!」
桜「はい。今呼んでいます」
#4
『仏の慈悲』などという言葉を使うヤツは総介の知る限りひとつしかない。大神の降真靈(である。
そうであるならば、この事件は総介の管轄だ。桜がEighterに連絡している間に、総介はSRAPの権限で権三郎殺
人事件の捜査に関わるなと警視庁に命令を出した。
梓與鷹(「で、総……」
ちょっとだけ疲れた顔の與鷹(。それはもう、ここに来る途中で梶太郎(に襲われたものの毎度の如く返り討ちにし
てきたためである
※もはややられるシーンすら割愛される梶太郎(
総介「あぁ、聞いての通りだと思うが、人が一人消された」
與鷹(「それはまた穏やかな話じゃないな……」
桜「殺されたのは武田権三郎。そこにいる嘉駕(吉貴が妻の素行調査を依頼した探偵でして」
吉貴「え?俺、アンタらに自己紹介したっけ?」
総介「今はそんなことはどうでもいいっ」
吉貴「はい、すいません。些細なことでした!」
総介に睨まれて、委縮する吉貴なのであった。
與鷹(「妻の素行調査ってことは浮気かなんかの疑いがあったってことか?」
桜「はい。彼の妻、嘉駕(馬帆さんは先日保釈された後田寿樹(を自分の家に匿っていたようです」
與鷹(「……自分の家に!?」
そのまま與鷹(は馬帆の夫である吉貴を見る
吉貴「な、なんだ!?」
與鷹(「アンタは自分の妻が家に他の男を住まわせていることに気づかなかったのか!?」
吉貴「ま、まぁ、その……気づかなかったからこうして探偵に依頼したわけで……」
総介「今はそんなことはどうでもいい」
與鷹(「いや、どうでもよくはないと思うんだが……」
総介「ええい、気になるんならあとで桜に聞け!」
吉貴「え!?俺に聞くんじゃ!?」
総介「五月蠅い、お前は黙ってろ!」
吉貴「はい、すいません!」
妻にも総介にも頭の上がらない男、吉貴。
総介「話を戻すぞ……」
権三郎は殺される前に、『仏の慈悲』という断末魔を残したそうだ。そこからこの事件は総介の管轄だという事
になり、今に至っている。
桜「そして、気になる点はもう一つ。馬帆さんには双子の姉妹などいないのですが、権三郎と接触した際は双子の
姉妹がいると言っていたそうです」
與鷹(「どうしてそんなウソを!?」
総介「いや、違う」
それはどういうことなのか!?
続
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