Eighter -Blindness Wizard-
47ther 〜憎悪燃ゆ憤怒の花 D〜
#7
某敢「おぬしは……涅苦別斗(……でござろう……だが、しかし……」
涅苦別斗(「神の前にその暴言、口を慎めよ……」
敢(「ぐっ!?」
言葉だけなのに謎の圧により、息が詰まる。
涅苦別斗(「まぁ、いい」
既に汝の手によって葬られた身であるならば、多少の無礼は大目に見るしか無かろうと言った感じの涅苦別斗(で
あった。
敢(「おぬしは……いや、そんなことよりも、ここはどこでござる?!」
涅苦別斗(「そんなことを気にするとは、人間(とはつくづく怪訝(しな生き物よ」
だが、そんなに知りたいのならば、教えてやろう。ここはいつでもなければどこでもない。
しかし、そんなことを聞いても納得できるわけがない。
ただ、今重要なことはそこではない。
涅苦別斗(「人間(よ、今再び、滅びるがいい」
敢(「なっ!?」
その時、気が付けば絶賛落下中の敢(は空中に立っていた。
何を言っているのか分からねぇと思うが、まるで空中に足場があるかのように何もない場所に立っていることが
出来たのだ。
そして、それは涅苦別斗(も同じ。
涅苦別斗(「我が生涯、たった一度の不覚」
それは汝に斬られたこと。
だが、たかが一度神を斬ったくらいでいい気になるとは笑止千万!
いつの間にか刀を手にする涅苦別斗(
敢(「是非もなし……で、ござるか……」
敢(も覚悟を決め明星幻爪(に手をかける。
涅苦別斗(「駆元紅天舞(!」
敢(「視薨一線舞(!」
ズダンッ
次元を駆け抜けて相手を切り裂く究極の一撃と空間そのものを横に薙ぎ払う至高の一撃とが激突。
空に亀裂が走る。
涅苦別斗(「これが人間の成長というものか……」
人には無限の可能性がある。それはなんと喜ばしいことかと言わんばかりの表情であった。
涅苦別斗(「だが、汝の剣もそこまでだ!」
敢(「確かに、拙者はまだまだ未熟、剣の道も半ばでござろう……だがっ」
ここで足踏みしているわけにもいかない
敢(「獅猊座~舞(」
神眼を最大限に発動。その気迫、剣気が獅子を具現化させ涅苦別斗(に襲い掛かる。
涅苦別斗(「ハッ」
対して涅苦別斗(は刀を最上段に構えて一気に振り下ろす。
天と地をまとめて両断する最大級の一撃が、獅子を斬り飛ばし、勝負はついたかに思えた
#8
敢(「キェイッ!」
ザムッ
だが、敢(はもう一閃涅苦別斗(に浴びせる。明星幻爪(が涅苦別斗(の刀と激突。
一瞬の均衡の後、砕け散るは涅苦別斗(の刃であった。
敢(「おおおおっ!」
涅苦別斗(「フッ」
勢いそのままに、敢(は涅苦別斗(を横に薙ぎ払う
涅苦別斗(「見事ッ!」
敢(には最後の一太刀はわざと食らったように見えて、違和感を覚えるのであった。
涅苦別斗(「人間よ……汝があの女を救いたいのであれば、見るべきものを見て、斬るべきものを斬れ!それが、汝
が進むべき剣の道!」
敢(「それは、どういう意味でござるか?!」
その時、突如として世界が歪む。
それは、敢(の意識が、魂が現実に引き戻されることを意味していた。
敢(「はっ!?」
気が付けば、敢(の意識は赫(眼同盟本部に戻っていた。
目の前には禍々しい殺気を放つ萌。そして、後ろには固唾をのんで見守る女侍たち
敢(「見るべきものを見て、斬るべきものを斬る……」
呟きつつ、改めて萌を見る敢(。すると、萌がまるでマリオネットのように操られているように感じられた。
敢(「某敢(、参る!」
前田松子(「戻った!?」
先程まで一切合切浄化する神々しい気配が消えて、敢(本来の気配が戻ったことに安堵する松子(。
いや、安堵しているのは松子(だけではない。
浄化という最大の脅威が消えたことで、サタンもまた安堵していたりするのだ。
敢(「萌殿、目を覚まされよ!」
ダムッ
一足飛びにかかると横から一気に萌の背後をとる敢(。
敢(「キィエイッ!」
ズザムッ
何もない虚空に対して一閃
伊達宗美(「おいおいおい、あいつ、何を!?」
敢(「拙者にできることは、ここまででござるよ」
そう呟き、明星幻爪(を納刀する敢(。
と、同時にまるで糸が切れた操り人形のように、萌が前のめりにぶっ倒れる。
一同「え〜〜!?」
驚いたのは彼女たちだけではない。サタンもまた、驚きを隠せずにいたのだ
※またかよって言いたくなってきますが、そこはまぁ……
シャイターン「馬鹿なっ、人間(如きが、僕の支配を断ち切るだとぉ?!」
#9
そして、ぶっ倒れた萌……彼女はその時、隼の頭を持つライオンの幻影を見る。
それは破弄廻理首(。萌の繰る元屠歳殺(流の開祖だ。
破弄廻理首(「我が息子、無様な姿よ……」
その破弄廻理首(の言葉に、萌は再び怒りに包まれる
萌「俺は、漢じゃねぇっつってんだろぉがッ!」
それは魂の叫びだった
一同「うおおっ、びっくりした!?」
気が付いたら、正気を取り戻していた萌は、立ち上がると、咆哮の如き勢いでソレを叫んでいた。
萌「なんだ、貴様らは!?ここで何をしている?」
一同「いや、それはこっちのセリフですが……」
ギロリと萌に睨まれて、委縮する一行
敢(「萌殿……おぬしは……」
先ほど見たアレ……それは場違いな黒き遺物(、その最高峰たる七罪塔(かもしれん。
で、あれば、ここから先はEighterの仕事だと敢(は言おうとした。
萌「貴様ら如きが手を出すなよ、アレは俺のエモノだ!」
俺を虚仮にした報いは必ず受けてもらう。
そんな覚悟とともに、萌はその場を後にする。
向かう先は修羅の門。そこで、サタンとの決着を付けるべく、萌は走るのであった
END
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