Eighter -Blindness Wizard-
45ther 〜もりかけ悍ましい A〜
#0
大阪の盛供学園と愛知の掛居学園……二つの学園をまたにかけた謎の大事件。
片方を盛供学園事変、片方を掛居学園事変と言い、二つ合わせて盛掛事変だ！
そして、これは盛り蕎麦・掛け蕎麦（悍ましい）でもあるのだ
※いや、ざる蕎麦（かわいい）からいい加減離れろや！
#1
化野梶太郎「チッ、その魔法、厄介だ！」
ラキエル「これは魔法ではない！召喚呪術だ！」
梶太郎「どっちでもいいだろうが！」
まぁ、外部からしてみれば魔法も呪術も変わらない？！
梶太郎「おらあ！極彩虎襲！」
ラキエル「祝えし棘芽！」
ギュルゴゴゴッ
梶太郎「ぐっ！？」
ラキエルに拳打の嵐を叩き込もうとした矢先、ラキエルは蔓のような刀身を梶太郎の腕に巻きつける。
梶太郎「痛ぇ……」
ラキエル「いや、俺にしてみれば、それで痛いで済むお前が異常なんだが……」
その蔓には棘が生えており、梶太郎の腕を穿ちにかかっている。これが常人ならば腕が使い物にならなくなって
いるところだ。
それを痛いの一言で済ませられるなんて思ってもみないラキエルは思わずそんなことを呟くのであった。
梶太郎「うるぁッ」
力任せに蔓ごとラキエルを持ち上げるというか、梃の原理で引き寄せる。
梶太郎「ハァッ！黄虎蹄！」
ズドンッ
そして、ラキエルの腹を突き抜ける拳打を叩き込む。
ラキエル「くっ……赤の絶壁」
しかし、梶太郎の拳打は、魔導障壁に遮られる
梶太郎「チッ、なんだよ、それ卑怯くせぇ！」
ラキエル「悪く思うなよ！」
梶太郎の腕に巻き付かせた蔓を一旦解いて、距離を置くラキエル。
梶太郎「ヘッ」
俺はいずれ與鷹を倒さねばならぬ身……そして與鷹も貴様らと同じような術を使うならば、ラキエルを倒すこと
はその足掛かりになる……だから、好都合！などと梶太郎は内心考えていた。
梶太郎「おらぁっ！白虎堕天ッ！」
ドゴッ
ラキエルの肩から食らいつき心臓を刳り取る掌打を叩き込みもうとする梶太郎。だが、蔓の刀身が梶太郎の拳を
阻む
ラキエル「啜り啼く棘痣！」
バシンッ
更にお返しばかりと蔓の刀身での斬撃を見舞う。茨の鞭で引っ掻かれ、通常ならばダメージを与えるところなの
だが……やはり、梶太郎にはダメージを与えるまでに至らない。
#2
梶太郎「てめぇのそれ、イラっとくるわ！」
唯一ダメージを食らったのは梶太郎の衣服。そのため、梶太郎はそんなことを毒づく
ラキエル（くそっ、なんなんだアイツ！？）
ラキエルも内心焦り始めてきた。俺にはザイクロトルを扱いきれないのではないかという不安が心をよぎる。
まぁ、少し前まではテノをパートナーにシャガイを駆使していたのだ。炎使いがいきなり草使いに転身しても、
その力を使いこなすのは難しいということだろう
※じゃ、違う魔導書娘をパートナーにすればよかったんじゃ？って疑問が出てくるのですが……
ラキエル（いや、そうではない……か……）
シャッ
梶太郎「チイッ、鬱陶しいぞッ！」
蔓の刀身で梶太郎の腕を絡みつかせると、梶太郎は煩わしいといった表情でそれを振りほどきにかかる
ラキエル（……やっぱり……奴は魔導障壁のようなものを纏っている？！）
そして、ラキエルは確信した。
ラキエル（思えばウディンも然り……ウディンが殺さないと気が済まないって言っていたあいつもまた然り……も
しかすると拳法家ってのは魔術師の隠れ蓑なのかもしれないな）
※いや、絶対にそんなことはないと思うぞ。ラキエルが出会った三人が特殊なだけだって……
ラキエル「このままその腕貰う！搾掠せし棘舞！」
梶太郎「なめんなッ！貴様にくれてやるわけにはいかねぇよ！銀號懺月！」
ぐぎぎぎっ
ズドゴオンッ
茨の鞭で締め付けてそのまま両断にかかるラキエル。
対して梶太郎は蔓が巻き付いた腕に力を込めて防御を行うと同時にもう片方の手で虎の咆哮の如き衝撃波を放つ
ラキエル「うおっ！？」
本来両手でやってこそ本領を発揮する銀號懺月を片手で無理やりやったことで威力は控えめだが、それでも巻き
付いていた蔓を吹っ飛ばすには十分だった。
梶太郎「ぬおっ！銀號懺月ッ！」
更に両手を駆使して全力の銀號懺月をラキエルにぶっぱなす
ラキエル「赤の絶壁」
ゴガアムッ
咄嗟に魔導障壁を展開してそれを防ぐのだが、しかし、魔導障壁が吹っ飛ばされる
ラキエル「な、なんだと！？」
漸く虎伏絶掌の真価が発揮される時が来たのだ！かくて、梶太郎の拳がラキエルに迫る。
続
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