Eighter -Blindness Wizard-
44ther 〜もりかけ恐ろしい C〜



#5
(かみ)総介「止めるなよ、與鷹(よたか)、あいつは敵だ!」
梓與鷹(よたか)「総、何を!?」
 MyThRIr(ミスリル)の調査員たる天城声吉(ごえよし)に対して敵だと断言する総介。
 つまり、それは奴が既に七罪塔(しちざいとう)の傀儡となっているという意味だ。

 そして、先ほどシレントワイザードはまだ来ていないと言ったが、実はつい先ほど到着していたのだ。
 盛供(もりとも)学園の近くにて
ラキエル「ネサリウス様……少し出遅れてしまったみたいですが……」
ネサリウス「……」
 しかし、ネサリウスは動こうとしない。
ラキエル「ネサリウス様?」
 どうして動こうとしないのか……怪訝に思っているとネサリウスは口を開く
ネサリウス「少し様子を見るか……」
ラキエル「は、はぁ……」
 ネサリウスは情報厨である(酷い言いよう……)だから、情報収集のためにまずは事の成り行きを見守ろうとい
うことなのだ。
 そして、オイシイところは掻っ攫う。ずるい生き方である。
 だが、しかし、今回はそういうわけにもいかなかった
化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「あぁ!?なんだぁ、てめぇら、邪魔をするな!」
 遅れてやってきた梶太郎(かぢだろう)に潜伏がバレてしまう。
 ちなみに、念のために言っておくが、ネサリウスとラキエルは別に梶太郎(かぢだろう)の邪魔をしているわけではない。
 そして、そんな梶太郎(かぢだろう)の叫び声に気づかない與鷹(よたか)ではない。
與鷹(よたか)「今の声は……」
ネサリウス「チッ、気づかれた……」
 與鷹(よたか)梶太郎(かぢだろう)の声のする方を見ると、そこには梶太郎(かぢだろう)の他にシレントワイザードの魔術師もいた。
梶太郎(かぢだろう)「そこにいたかッ!與鷹(よたか)ッ!」
 そして、與鷹(よたか)を見るや即襲い掛かる梶太郎(かぢだろう)
與鷹(よたか)「少しは落ち着けこの野郎ッ!」
 ドカンッ
梶太郎(かぢだろう)「へごっ!?」
総介「フッ、遅かったな!」
梶太郎(かぢだろう)「五月蠅ぇ!何が大阪で待つだ!」
 今回はちょっと趣向を変えて一旦歴史の墓場へ転移して現実世界の別の場所に出直してから大阪へやってきたり
する與鷹(よたか)一行。
 毎回梶太郎(かぢだろう)に襲い掛かられるのがウザかったからだ。
 なお、梶太郎(かぢだろう)はEighter本部の入口に残してきた大阪で待つという張り紙を頼りにここまでやってきたのである
※でも、まぁ、ごらんの通り効果はなかったな……

#6
天城声吉(ごえよし)「どうやら役者は揃ったようだね……」
 そう告げるなり突如ドタンとその場にぶっ倒れる声吉(ごえよし)。そしてその陰よりヌルリと姿を現すサタン。
與鷹(よたか)七罪塔(しちざいとう)……」
ネサリウス「漸くのお出ましか……」
 ならば、ここから先はEighterとシレントワイザードによる七罪塔(しちざいとう)の奪い合いだ
※いや、Eighterは別に七罪塔(しちざいとう)が欲しいわけじゃないけど……
ネサリウス「ルル!我が元に帰れ(ヴォレーゲン)!」
ラキエル「ハンナ!我が元に帰れ(ヴォレーゲン)!」
ルル「イエス、マスター」
ハンナ「(イエス)」
 まずは魔導書娘を纏いてパワーアップを図る。そして魔形刀(マナヒョンド)を構えるネサリウスとラキエル
ネサリウス「凍てつく無貌の闇に包まれし黒き魔星、その御力、我が爪となりてここに顕現せよ!ヤークシュ!」
ラキエル「碧玉に中てられし悲壮なる大樹の魔星、その御力、我が刃となりてここに顕現せよ!ザイクロトル!」
 召喚呪術で巨大な爪を彷彿させる感じのカタールを作り上げるネサリウス
 一方のラキエルは蔓のような一見斬撃を放つことができなさそうな木刀のようなものを作り出す
與鷹(よたか)「テノ、真書須らく翻れ(ウバゼッツァー)」
テノ「だるだる〜〜」
梶太郎(かぢだろう)「行くぜコラ!虎伏絶掌(こふくぜっしょう)!」
 與鷹(よたか)もテノを纏い、梶太郎(かぢだろう)も不完全ながらパワーアップを図る。
梶太郎(かぢだろう)「行くぜ!先手必勝の極彩虎襲(ごくさいこしゅう)!」
 ゴガガガガガガガッ
 一足飛びにかかると拳打の嵐を見舞う梶太郎(かぢだろう)
ラキエル「無駄だ!」
梶太郎(かぢだろう)「何!?」
 蔓のような刃が拳打の嵐を撓りながらいなす。
與鷹(よたか)「おいおい、油断するなよ」
梶太郎(かぢだろう)「五月蠅いわっ!」
ネサリウス「死合のさなかによそ見とは、余裕だな……」
與鷹(よたか)「今のが最初で最後の油断……ってところだ……」
 それに、そっちだってまだ襲い掛かるつもりもなかっただろう?と與鷹(よたか)は問う。
ネサリウス「……」
 敵の情報を収集してから対策を練る。それがネサリウスの根底であるからこそ、ネサリウスの方から動くことは
ない。
※いや、今までもさんざん観察してきた気もしますが……それでもやっぱり身についた習性って言うのは簡単に修
 正できないと言いまして(いや、駄洒落かよ!)

#7
ルシュファー(それで、大丈夫なの?)
 歴史の墓場から一部始終を観察していたルキはサタンに問いかける。
シャイターン(何が?)
ルシュファー(いや、何か勝算があってこんなことをしているのかと聞いているの)
 Eighterとシレントワイザード……どちらが勝っても七罪塔(しちざいとう)に迫ることは間違いない。
 その時、サタンはどうするのか!?
 未だ謎のアーティファクト、七元徳(ななげんとく)に対する対抗策があるわけでもない。
 そして、むざむざ破壊されるわけにもいかない。
 で、あればどっちに転んでも逃げるしかないのではないか……
※行き当たりばったりだなぁ……
シャイターン(まぁ、確かにいざとなったら逃げればいい……というのはある)
 ただ、見逃してくれるのかどうかはまた別……だが……
 ちなみにだが、蛍がやったような転移を封じるなんて芸当は今のメンバーにはできない。そして、シレントワイ
ザードにはそれができるのかと言われると……分からないと言わざるを得ない。
 はてさて……勝利の女神はどちらに微笑むのか!?
※いや、既にかんなという運の女神がいるんですけど……


END

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