Eighter -Blindness Wizard-
42nder 〜白鳩の嘘殺(きょさつ)黒蜥蜴 A〜



#0
 少女の嘘は世界を変える……
※いや、それはもういいっちゅ〜に!
 重力制御を可能にするアーティファクトを巡る日本と中国……Eighterと七罪塔(しちざいとう)の激突。
 果たして、その果てになにがあるのだろうか!?

#1
*「どどど、どうしましょう、()主席……」
虎宙典(こ・ちゅうてん)「クッ、まさかこんなにアッサリバレるとは予想だにしなかった……」
 奴らの言葉通りだが、護衛でもつけておけばよかったか……と、今更ながらの後悔。
 正しく、後悔先に立たずであった。
宙典(ちゅうてん)「こうなったら実力行使だ!我らに歯向かった愚かしさを後悔させてやれ!」
※いや、これまで鶺鴒大学と袁教授の家の襲撃に失敗したことを忘れてないか?
一同「ハッ!」
 そして、人民服を着た兵士がぞろぞろとイヌンカムイウタラの中から出てくる
(かみ)総介「フッ、虎の威を借れなかったらこうなるわな……出番だぞ!」
化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「へいへい」
 総介の行く手を遮るバカの露払いは梶太郎(かぢだろう)の役目。
 と、言うわけで梶太郎(かぢだろう)出陣す。
*「なんだ、貴様、俺たち相手にたった一人で挑もうってか……」
*「よほど死に急ぎたいと見える」
梶太郎(かぢだろう)「お前らじゃ話になんねぇよ……」
 とっとと失せな!とハエを払うかのような仕草をする梶太郎(かぢだろう)
一同「いいだろう、ならば死ね!」
 梶太郎(かぢだろう)の仕草にカチンと来た皇殉(こうじゅん)の連中はいっせいに襲い掛かる。
 ズドドドドドドッ
一同「げふぉあ!?」
 しかし、梶太郎(かぢだろう)にとってこいつらは世紀末のモヒカンに等しい有象無象。
 束になってかかってこられたところで梶太郎(かぢだろう)を抑え込むことはできないのだ。
*「ほぉう、貴様、少しはできるようだな……」
梶太郎(かぢだろう)「何だと!?」
 その時、イヌンカムイウタラの中より新たなる人物が現れる。ちょっとした上から目線に思わず梶太郎(かぢだろう)はその漢
を睨みつける
梶太郎(かぢだろう)「貴様は!?」
*「聞いて驚くなよ、俺はかの毛沢東の子孫……かもしれない漢、毛桔彊(けっこう)よ!」
梶太郎(かぢだろう)「は、はぁ……」
 子孫と断言せず、かもしれないなんて言われれば、そんな反応にもなる。
毛桔彊(けっこう)「貴様もどうやら双虎拳(そうこけん)の使い手のようだが……」
梶太郎(かぢだろう)「ほぉ、ってことは、貴様も双虎拳(そうこけん)の使い手ってことか?」
 ならば、日本と中国、どちらの双虎拳(そうこけん)が上か、白黒つけようじゃないか!

#2
梶太郎(かぢだろう)桔彊(けっこう)「おおお!極彩虎襲(ごくさいこしゅう)!」
 ドドスバキベキッ
 これはほんの小手調べと言わんばかりにお互い拳打の嵐を見舞う。
桔彊(けっこう)「少しは出来るようだな……」
梶太郎(かぢだろう)「貴様の方こそだ!」
桔彊(けっこう)「ならば、全身全霊をもってして相手してやろう」
梶太郎(かぢだろう)「ケッ、それはこっちのセリフよ!」
梶太郎(かぢだろう)桔彊(けっこう)虎伏絶掌(こふくぜっしょう)!」
 ドオンッ
 互いに気を練りあってパワーアップを図る。
 しかし、違う点が一つだけある。梶太郎(かぢだろう)のそれが未熟故に時間をかけないとエンジンがかからない仕様に対し、
桔彊(けっこう)のそれは最初からフルスロットルでいけるというところだ。
梶太郎(かぢだろう)桔彊(けっこう)「ハッ!極彩虎襲(ごくさいこしゅう)!」
 ドッガガガガガガガガッ
梶太郎(かぢだろう)「ぐ、ぐほお!?」
 再び拳打の嵐が繰り出される。しかし、先ほども言った通り、梶太郎(かぢだろう)はまだ本調子ではないために桔彊(けっこう)の拳打に
撃ち負ける。
桔彊(けっこう)「それが貴様の本気とは、笑わせる!」
 ズドンッ
梶太郎(かぢだろう)「ふげっ!?」
 そして、トドメと言わんばかりに梶太郎(かぢだろう)の顎に叩き込まれる鉄拳。
梓與鷹(よたか)「おいおい、大丈夫か!?」
梶太郎(かぢだろう)「ぐっ……貴様に心配されるいわれはねぇぞ!」
 いや、足元が覚束なく、ふらついているから不安なんだが……
総介「奴の好きにさせておけ!」
 見てられないと思ってここからは俺が死合おうと思った矢先、総介に止められる
與鷹(よたか)「総……」
 仕方がないので與鷹(よたか)は死合を見守ることにするのだった。
桔彊(けっこう)「日本の双虎拳(そうこけん)など恐るるに足らず……」
梶太郎(かぢだろう)「いいや、まだ貴様は俺の底力を知らん!」
桔彊(けっこう)「ハッ!そんなボロボロの姿で言われても説得力はねぇな!」
梶太郎(かぢだろう)「だったら、もう一回やってみろよ!」
桔彊(けっこう)「いいだろう、ならば、次こそ貴様を殺す!」
梶太郎(かぢだろう)桔彊(けっこう)極彩虎襲(ごくさいこしゅう)!」
 ズドゴゴゴゴゴゴゴッ
 やはり、まだままだ本調子ではない梶太郎(かぢだろう)桔彊(けっこう)の拳打の嵐に対抗できず、先ほどと同じ結果となる。
桔彊(けっこう)(何がしたかったんだろうなぁ、こいつは……)
 そして、トドメの一撃を繰り出そうとしたその時、梶太郎(かぢだろう)も負けじと拳を振るう
 ガギンッ
桔彊(けっこう)「な、なんだと?!」
 顎への一撃が決まらず若干困惑する桔彊(けっこう)
梶太郎(かぢだろう)「俺の本気はここからよ!」
 ここから梶太郎(かぢだろう)の反撃が始まる……?


続

前の話へ 戻る 次の話へ