Eighter -Blindness Wizard-
40ther 〜漆黒墜(ダウンフォール)警告使い(アラーティスト) C〜



#5
シャイターン「少しは考えたようだけど……」
ルシュファー「でも、まだ甘い!」
 ガッ
ドキエル「なっ!?」
 見えない何かをつかみ取る誠吾。それこそが不可視の風の刃だった。
ドキエル「くそっ、こりゃお手上げだぜ」
メイ(こくこく)
 ドカンと近くの壁に拳を叩きつけるドキエル。
ウェステリア「あぁ?!てめぇ、喧嘩売ってんのか!」
 ガっとドキエルの襟首を掴んでガンを飛ばすウェステリア
ドキエル「で、ですが、ウェステリア様……」
ウェステリア「チッ」
 そのままドキエルを荒々しく突き飛ばすウェステリア。
ウェステリア「ミーコ!我が元に帰れ(ヴォレーゲン)!」
ミーコ「仰せの通りに……」
 ドキエルが使えないなら、俺がやるしかない!とウェステリア動く。まずはミーコを纏いて力を底上げ。
ウェステリア「我らが祖が住みたもうし刃金の魔星、その御力、我が理となりてここに顕現せよ!ストロンティ」
 魔形刀(マナヒョンド)を手に召喚呪術でハルバードを作り出すウェステリア。
ウェステリア「……」
 しかし、誠吾のカウンターが怖いのか攻撃を繰り出すのを躊躇っていた。

 一方、先ほどのドキエルの攻撃を見て、総介は少し考え事をしていた
(かみ)総介(奴はさっきの見えざる風の刃は跳ね返さなかった……つまり、奴の能力も無敵ではない……)
山咲(やまざき)桜(目に見えないものなら、あるいは……と、いうことでしょうか?)
総介(いや、それだけではないだろうな……)
 その時、総介はあることを閃く。
総介「……試してみる価値はある……か……」
梓與鷹(よたか)「ん?総、どうした?」
総介「山咲(やまざき)!」
山咲(やまざき)桜「はい、警部」
 総介から密命を受けて、桜は嬉しそうにその場を後にするのだった。
シャイターン「何か思いついたみたいだけれど……」
ルシュファー「無駄な足掻きと知るがいい……」
総介「フッ、それはどうかな?」
 ニヒルな笑みを浮かべる総介。
 しかし、それはどこか邪悪を孕んでいた。そして、総介は誠吾めがけて歩みだす。
與鷹(よたか)「お、おい、総ッ!?」
獅肆渡(ししわたり)誠吾「警告する、それ以上近づくとケガするぞ?」
 誠吾が警告を発したその時、総介は歩みを止める。

#6
総介「俺も一つ警告してやろう、それ以上そこに留まっているとケガじゃ済まんぞ?」
シャイターン「何を言うかと思えば……」
 ドゴオンッ
ルシュファー「なっ!?」
 その次の瞬間、誠吾が突如吹き飛ばされる。思わずサタンとルキは誠吾の方を振り返る。
シャイターン「貴様、何をした!?」
総介「だから、言っただろう。そこにいるとケガすると……」
 総介に問いつつも、サタンは何が起こったのかわかっていた。
 何かが飛んできた。それを察知した誠吾は掌をかざしてそれを受け止めようとしたが、無理だった。
 飛んできたナニカというのが銃弾だったからだ。
総介「やはりな……」
與鷹(よたか)「どういうことだよ、総……」
白拍子かんな「つまり、彼の反応速度を超えたモノは返せない……と、いうことです」
 それが、誠吾の唯一の弱点だ。
※いいや、人間の反応速度限界を超えたものは返せないと言った方がいい気がするけど……
ルシュファー「気づかれてしまいましたか……」
シャイターン「だが、それでも貴様らに勝ちはない!」
総介「いや、この勝負、俺たちの勝ちだ!」
與鷹(よたか)「総…」
 なんでそんなことを確信できるのか、と與鷹(よたか)が訝しんでいると、ビキビキと何かに(ヒビ)が入る音が聞こえる。
シャイターン「まさかッ!」
 改めてよく見てみると、誠吾の銃弾を受けた手甲に(ヒビ)が入っている。
ルシュファー「こんなこと……いや、コレは!?」
 その時、ルキは気づいた、撃ち込まれた銃弾が漆黒に輝いていることを……
シャイターン「まさか、カオサイトの銃弾、だと!?」
 ダアンッガァンッ
 更に続けざまに撃ち込まれる銃弾。誠吾は辛うじてそれを受け止めようとするのだが、そのたびに誠吾の手甲の
(ヒビ)は広がっていく。
 先ほど総介が桜に告げた密命がコレだ。カオサイトの銃弾を遠距離から打ち込み誠吾を抑え込む。

 桜は今株式会社マーリン本社ビルから遠く離れた位置からライフルで狙撃を行っているのだ。
 しかも、このためだけにゼリーチップ社からアンチマテリアルライフルを購入したのだ。その名もアグネアステ
ラ!
※アグネヤストラのパクりみたいなネーミングだが、実際アグネヤストラのオマージュだったりする

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