Eighter -Blindness Wizard-
38ther 〜危険孕む母子孕む D〜



#7
レイド・アブス「貴様!」
 流石に鐘を一刀両断することはできなかったが、時間制限で消えるのか、暫くすると鐘はその姿を消すのであっ
た。
(かみ)総介「ここらへんで退いてくれるのなら、こちらとしてもありがたいのだが」
レイド「それは出来ん相談だな……我らの神は貴様らの死を望まれている!」
総介「チッ」
 その神からの言葉とやらは七罪塔(しちざいとう)によって歪まされていることを奴らは知らない。
 だったら、倒して目を覚まさせてやるしかないのだ。
 最も、総介にそこまでする義理なないので普通に倒しておしまいですが……
総介「ならば、貴様を選んだ神は死神だったということを思い知らせてやろう」
 そう宣言すると総介は蒼王の刃(ブルーロード)藍后の刄(ブルーエンプレス)を合体させて双身刀を作る
総介「神の特刀(デウス・エクス・ブルー)」
 これが、いや、これこそが総介の最大にして最高の切り札。
 だが、その力は人には強大すぎる故に多用することはできないのが欠点だ。
総介「臠蒼極連(れんそうごくりん)(あまつ)!」
レイド「導力接続、コーラン・二章五節!これらの者は、主から導かれた者であり、また至上の幸福を成就する者
である!」
 ズガガガガガガガガッ
レイド「な、何だと?!」
 先ほどは総介の攻撃を防ぎ切った防壁が、今度はまるで紙を切るかのようにいともたやすく切り刻まれる。
レイド「導力接続、コーラン・一章四節!最後の審きの日の主宰者に」
 ガアンッ
 迫る凶刃を光り輝く六角形を組み合わせて作った手甲を纏った拳で受け止めるレイド
 しかし、その手甲すらも、総介の凶刃は斬り砕いていく
レイド「馬鹿なっ!?この力、アラーの神の御力と同等……いや、下手をするとそれ以上!?ありえんッ!」
総介「終わりだッ!紺討蒼滅陣(こんとうそうめつじん)!」
 ズドッズババババッ
レイド「あぎゃああ!?」
 総介の幻影が三人出現、四方向から突撃と斬撃を食らい、防御する暇もなくレイドは直撃を受け沈むのであった

 そして、最後は與鷹(よたか)。その相手はセロニアス・ゴシュだ
※いや、ここで新たな人物が登場されても困るけどね……與鷹(よたか)「なんだよ、あの壁……」
 既に與鷹(よたか)も謎障壁で拳が通じないことを経験していた。
セロニアス・ゴシュ「フッ」
 降参するならば今のウチだぞと言いたげなセロニアス。生憎だがそんな選択肢はない

#8
與鷹(よたか)(アレは魔術……なのか!?)
テノ(だる?)
 だったら、魔術には魔術をもってして撃ち貫くのみ
與鷹(よたか)「テノ、真書須らく翻れ(ウバゼッツァー)!」
テノ「だるだるだる〜〜」
 あいあいさ〜とでも言っているのか……ともかく、テノの力を與鷹(よたか)が纏う。
 これが魔術師が到達する一つの究極!……いや、與鷹(よたか)は魔術師じゃないけど……と、ともかく、これが與鷹(よたか)の真
の姿というヤツだ。
※真の姿でいいのかどうかはおいといて……
セロニアス「なんだ!?ソレは……貴様もコーランを!?」
與鷹(よたか)「いや、全然違うが……」
 寧ろ、聖書の逆の魔導書なんだよなぁ……
セロニアス「それもそうだろうなぁ、神より賜りしは我らがコーランのみよ!」
與鷹(よたか)神狼九断(しんろうくだん)!」
セロニアス「導力接続、コーラン・二章五節!これらの者は、主から導かれた者であり、また至上の幸福を成就す
る者である」
 ズドドドドドドドドドッ
 バギャンッ
セロニアス「ン何ぃ!?」
 やはり、アレは魔術の類という與鷹(よたか)の読みは正しかった。光り輝く六角形を組み合わせたような防壁が魔術を駆
使した與鷹(よたか)の拳で粉砕される。
セロニアス「クッ……導力接続、コーラン・三章一節!アリフ・ラーム・ミーム」
與鷹(よたか)神狼九断(しんろうくだん)来護重(らいごうえ)!」
 ゴギインンッ
 すかさず鐘を作り出すセロニアス。しかし、九つの拳打を一つにまとめて一点突破する與鷹(よたか)の拳がそれを粉々に
打ち砕く。
セロニアス「き、貴様、一体何者だ!?」
與鷹(よたか)「ただの拳法家だが……」
※いや、絶対にそれは違うと思う
與鷹(よたか)「ハッ!神狼九断(しんろうくだん)翳噛(えいごう)!」
 今は問答している場合ではない。セロニアスが怯んだ隙をついて九回の拳打を叩き込む與鷹(よたか)
セロニアス「導力接続、コーラン・十章九節!本当に信仰して善行に励む者には、かれらの主は、その信仰によっ
てかれらを導かれる。至福の楽園の中に、川はかれらの足元を流れるのである」
 スススッ
 しかし、その九回の拳を事もなげに受け流して見せるセロニアス。
 そして、ここからはずっと俺のターンと言いたげな感じのドヤ顔でカウンターを放とうとしたのだが……
 ズドドドドドドドドドッ

#9
セロニアス「おごあ!?」
 発想はよかったのかもしれないが、神狼九断(しんろうくだん)翳噛(えいごう)は二段構えの拳である。影の拳をマトモに食らってセロニア
スもまた、沈むのであった。
與鷹(よたか)「ふぅ、なんとかなったか……」
*「ば、馬鹿な……戦士長が……」
 まさかグラン・レイ・セロの三人が敗北するなど思いもしなかったボシ・ハラムの連中は狼狽える。
化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「おっしゃ〜、死ね與鷹(よたか)ぁ!」
與鷹(よたか)「嫌だっての!」
 ドゴンッ
梶太郎(かぢだろう)「ふげ!?」
 珍しく襲い掛かってこないなって思っていたら今になって襲い掛かってくるのかよ……と呆れつつも迫る梶太郎(かぢだろう)
の拳を受け止めてはカウンターを叩き込む。
 梶太郎(かぢだろう)も消耗している今なら勝機があるとか思ったのかもしれないが、それは與鷹(よたか)のみが消耗していたらの話で
あって、梶太郎(かぢだろう)も消耗していたら結局同じことである。
與鷹(よたか)「……まぁ、これで終わりならよかったんだが……」
総介「フッ、どうやらそうは問屋が卸さんようだな……」
 ボシ・ハラムとの闘い、未だ終わらず……


END

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