Eighter -Blindness Wizard-
38ther 〜危険孕む母子孕む B〜



#3
(かみ)総介「フン、ならば、貴様らの神と俺の神、どちらが上か勝負だ!」
 ズシャアッ
*「何ぃ!?」
 総介の蒼王の刃(ブルーロード)藍后の刄(ブルーエンプレス)が鋼鉄を仕込んだコーランを切り裂く。
梓與鷹(よたか)「ハッ」
 ゴカンッ
*「嘘だろ!?」
 與鷹(よたか)の拳も鋼鉄が仕込まれたコーランを打ち破る。
化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「俺も負けちゃいられねぇなぁ……おりゃっ!」
 ドゴンッ
*「馬鹿なっ?!」
 そして、梶太郎(かぢだろう)の拳も鋼鉄が仕込まれたコーランを破壊する。
総介「どうやら貴様らの神は貴様らを救わないようだな」
梶太郎(かぢだろう)「この世界に神などいないってこったッ!」
 これじゃあどっちが悪役か分からんが、総介も梶太郎(かぢだろう)もノリノリだ。意外とウマが合うのかもしれない……
*「そんな馬鹿な……我々は清く正しい神官様だぞ!」
※いや、お前らどこの第一身分(ファウスト)だよ!
 既に雌雄は決した……所詮ボシ・ハラムも有象無象のテロリストに過ぎん。與鷹(よたか)、総介、梶太郎(かぢだろう)の前には無力…
…かに思われた。しかし……
*「狼狽えるな、戦士たちよ!」
一同「戦士長!」
 逃げ腰だったボシ・ハラムをかき分けて、数人の漢が現れる。
 口々に戦士長と叫ぶボシ・ハラム。もはやちょっとしたアイドル登場みたいだ。
 さておき、そんな彼らは、グラヌス・マクバ、レイド・アブス、セロニアス・ゴシュ……三人合わせてグラン・
レイ・セロだ
※いや、そのネーミングはアカン!
梶太郎(かぢだろう)「ヘッどうやらこいつらを倒さないと先に進めないようだな」
與鷹(よたか)「いや、進む先ってどこだよって話だけど……」
 ちょっと呆れ顔の與鷹(よたか)。
総介「無駄口を叩いているヒマがあったら敵を倒せ!」
梶太郎(かぢだろう)與鷹(よたか)「へいへい……」
 と、言うわけで與鷹(よたか)、総介、梶太郎(かぢだろう)の三人はグラン・レイ・セロの三人と対峙する。
 ここからが本番というわけだ。
梶太郎(かぢだろう)「うおりゃっ!」
 ガキンッ
梶太郎(かぢだろう)「痛ぇッ」
 なんだこれ、鋼鉄なんかじゃねぇぞ!とグラン・レイ・セロの持つコーランを殴って拳を痛めた梶太郎(かぢだろう)が毒づく
グラヌス・マクバ「フッ、我らの持つコーランこそが真に神より賜りしものッ!」
レイド・アブス、セロニアス・ゴシュ「これぞ正に神の威光である!」
 キラキラリンと光り輝くコーランを掲げて三人が宣言する。それはまるで宝石でもあしらわれているかのよう…
…
 いや、事実宝石が仕込まれているのだ……人工ではあるが、ダイヤモンドが!

#4
梶太郎(かぢだろう)「いくぜ、おらっ!極彩虎襲(ごくさいこしゅう)!」
グラヌス「導力接続、コーラン・二章五節!これらの者は、主から導かれた者であり、また至上の幸福を成就する
者である」
 ドガガガガガガガガガガッ
梶太郎(かぢだろう)「何ぃ!?」
 拳打の嵐を見舞うも、突如光り輝く六角形を組み合わせたような防壁が展開され、それら全てが阻まれる。
※導力接続とか〇章〇節とか、お前ら本当にどこの第一身分(ファウスト)だよ!
グラヌス「フッ、これこそアラーの御技よ!」
梶太郎(かぢだろう)「どう考えても物理法則無視してんだろ!」
グラヌス「フッ、だからこそ、神の御技なのだよ!」
 いや、物理法則を無視すれば神の力だとか、それはおかしい……
 さて、こいつらは七罪塔(しちざいとう)に唆されて、場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)に使われてこのような謎能力を身に着けたというわけで
はない。
 もともと魔術師としての素養があったのだ。日本にシレントワイザードという魔術師の集団がいたように、イス
ラムにも魔術師の集団がいたというわけだ。
※それがボシ・ハラムってわけじゃないけど……
グラヌス「導力接続、コーラン・三章一節!アリフ・ラーム・ミーム」
 ぐわああぁああんっ
 光り輝く六角形を組み合わせてできた鐘が出現し、鳴る。その音が、衝撃波となって梶太郎(かぢだろう)を襲う。
梶太郎(かぢだろう)「うぐおお!?……くっ、このっ銀號懺月(ぎんこうざんげつ)!」
 ドオンンッ
 梶太郎(かぢだろう)の方も負けじと虎の咆哮の如き衝撃波を放ってこれを相殺。
梶太郎(かぢだろう)「こりゃ本気でかからないとヤバい……虎伏絶掌(こふくぜっしょう)!」
 ズオオオオッ
 気を練り上げてパワーアップを図る梶太郎(かぢだろう)
梶太郎(かぢだろう)「うおおおっ!極彩虎襲(ごくさいこしゅう)!」
グラヌス「愚かな……導力接続、コーラン・二章五節!これらの者は、主から導かれた者であり、また至上の幸福
を成就する者である」
 ドコドコドコドコドコドコドコドコッ
 先程と同じように拳打の嵐を光り輝く六角形を組み合わせた防壁で防ぐ。
グラヌス「何!?」
 拳打自体は防壁を突破することはできなかった。しかし、防壁が押し返されていく。
梶太郎(かぢだろう)「おらっ!」
 ドゴオンッ
グラヌス「ぐお!?」
 そして、梶太郎(かぢだろう)渾身の右ストレートが防壁ごとグラヌスを吹っ飛ばす

続

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