Eighter -Blindness Wizard-
36ther 〜漏斗と新人類の手 C〜
#5
梶太郎(とユース……双虎拳(の同門対決?は決着した。
ならば、あとは当初の目的通りアントノワールを回収するだけだ。
梓與鷹(「ってか、さっきの死合中韓国はずっと動かなかったのは不思議だよな……」
パク・ルンヤデ「フッ、勝った方を倒せばいいだけの話。無駄な労力は避けるに越したことはないのさ」
上(総介「フン、ならば、始めるか?」
ルンヤデ「当然よ……まさかアメリカが日本に負けるとは思いもしなかったが……」
さて、ここから先は私が相手をする!と言わんばかりのルンヤデ
ふおおんっ
アントノワールもそれに答える感じで宙を舞う。
化野梶太郎(「いいぜ!もう一戦」
與鷹(「おいおい、大丈夫なのかよ?」
梶太郎(「と、言いたいところだが、正直キツイ……だからお前に任せるぜ!負けるんじゃねぇぞ!」
まぁ、そうなるよな……と與鷹(は思うのであった。
と、言うわけで、梶太郎(は後方で桜と福井冬利(ともに待機だ。
ルンヤデ「剣だの銃だの……そんなものはもはや時代遅れよ……これからの時代はアントノワールが戦場を支配す
るのだ!」
総介「フッ、それはどうかな?」
冬利(「そうだ!まだ構想の段階だが、アンチ・フィールド・システムが完成すればアントノワールも失墜する!」
※いや、本当にガ〇ダムじゃないんだから……
ルンヤデ「……なるほど、ならば、ここで貴様を確実に殺しておかねばならぬようだな……行けぃ!アントノワー
ル!忌まわしき記憶と共に!」
ルンヤデの言葉に呼応するかの如く、アントノワールが走る。
與鷹(「おらっ!」
総介「ハッ!」
與鷹(と総介も応戦するが、まるで意思を持ったかのように動くアントノワールは嘲笑うかのように與鷹(と総介を
翻弄する。
ルンヤデ「フッ、勝った!」
勝ち誇ったかのような笑みを浮かべるルンヤデ。
事実、アントノワールの凶刃は桜らのもとに迫っていた。
與鷹(「マズイ!」
総介「フッ」
焦る與鷹(とは裏腹に、総介は落ち着いていた。
ズカカッ
ルンヤデ「何!?」
その時、ルンヤデの予想だにしない出来事が起こった。
アントノワールが切り払われたのである。
白拍子かんな「……」
そう、運の女神の手によって!
さしものアントノワールもかんなの持つ超強運には敵わなかったということだ。
#6
ルンヤデ「まさか、貴様も俺と同じサイキッカーか!?」
かんな「いいえ、違いますけど……」
ルンヤデ「……」
暫くの沈黙……
ルンヤデ「ンなわけあるかッ!」
アントノワールの軌道を常人が読むなどありえない!と言った感じのルンヤデだった。
※実際のところ、かんなはアントノワールの軌道を読んでいるわけじゃないからねぇ……
ルンヤデ「ならば、見せてあげましょう、アントノワール、オールレンジ攻撃を!」
ゴガガガガッ
アントノワールを通じてルンヤデの怒りが伝わってくる。そんな荒々しい動きのアントノワールがかんなに襲い
掛かる。
かんな「ですが、無駄なんです……」
ズガンッバカンッ
しかし、運の女神たるかんなに怒りに任せた攻撃など通用しない。
すぐさまアントノワールはかんなの手によって切り払われてしまい、全てが地に落ちるのであった。
ルンヤデ「馬鹿な……こんなこと、ありえん!」
*「だっ、第二波!すぐ予備のアントノワールをもって来い!」
ルンヤデ「いや、あるだけ全部だ!」
一同「イェッサッ!」
直ちに予備を含めてありったけのアントノワールを持ち運んでくる韓国陸軍であった。
そして、それら全てを操って見せるルンヤデ。
ずおおおんっ
槍衾(ならぬ、漏斗衾(……と、いったところだ。
ルンヤデ「戦いは数だよ!」
※いや、だからガ〇ダムかッ!
ルンヤデ「これだけの数のアントノワールを相手に手も足も出まい!」
かんな「もう、やめてください……」
ルンヤデ「断る!」
日本人の言葉など聞く耳持たずのルンヤデ。だが、これ以上アントノワールを……いや、場違いな黒き遺物(を使
うのであれば、取り返しのつかないことになるのは必定だ。
しかし、それが分かるのはやはり、Eighter一行のみなのであった。
総介「お前にすべて任せるぞ」
かんな「……はい」
與鷹(「いや、総……」
いくら何でも丸投げは酷くないか?と思う與鷹(だが、総介はアントノワールをかんなにすべて任せると言ったに
過ぎない。
その間に與鷹(と協力してルンヤデを無力化するのが作戦というわけだ。
ルンヤデ「死ね!そして、独島(を返してもらおう!」
與鷹(「いや、いきなり何を言い出すんだお前は……」
#7
かんな「鳳鸞舞刃(!」
ドゴオンッ
ちょっとだけ本気を出す……と言わんばかりでかんなは横薙ぎ一閃。剣閃が平安を齎(す鳳凰を具現化し、迫りく
るアントノワール全てを破壊する
ルンヤデ「そんな、馬鹿なぁ!?」
あまりの出来事に愕然とするルンヤデ。それは致命的な隙だった。
総介、與鷹(「終わりだ!」
ルンヤデ「はっ!?」
ドゴオンンッ
そのまま與鷹(と総介の挟撃を受け、ルンヤデは沈むのであった。
與鷹(「さてと、これで依頼は完了ってわけだ……」
場違いな黒き遺物(の方は総介がこっそりと破壊し、アントノワール本体は與鷹(の手から冬利(へ渡される。
福井冬利(「ありがとうございます!」
ユース・N・パワープラント「そこだッ!」
しかし、これを待っていました!と言わんばかりにユースが横から掻っ攫う
ユース「アントノワールはアメリカが有効活用してやろう!」
冬利(「そんなっ!」
総介「フン、それはあれを見てから判断しろ!」
ユース「あぁ?」
総介が指さす先……そこには芋虫のように地を這うルンヤデの姿があった
ルンヤデ「どどど、どういうことだ!?手足が、体が……全く動かないぞ!?」
総介「それを使いすぎれば、奴と同じ結果になるんだぞ」
ユース「……」
力なくアントノワールをその場に落とすユースであった。
実際には場違いな黒き遺物(を使ってしまった結果なのだが、この際どうでもいい。
こうして、アントノワールは日本に戻ってきた。なお、アントノワールを使いすぎても体が動かなくなることな
んてないのになぁ?と冬利(が首を傾げ続けていたのは言うまでもない。
END
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