Eighter -Blindness Wizard-
28ther 〜位階なき嫉妬と徳 C〜



#5
 ここで話は再び株式会社センサスの方に移る。
エランドラ「在りし炎の禍(フランメ・ウングリュック)!」
レヴィアタン「凛葬鋩怨(りんそうぼうおん)!」
 ゴガアッズドムッ
 緑の炎の渦を巻き起こして相手を貫きにかかるエランドラだが、レヴィアがそれを焼き返す。
レヴィアタン「無駄ですよ、無駄」
エランドラ「ハッ、てめぇの方こそ俺に攻撃が当たってないぞ。そういうのを無駄って言うんだぜ、ガッハッハッ
ハッ!」
レヴィアタン「人間(パーツ)風情が、調子に乗るなよ!」
 怨嗟の声と同時に、レヴィアの姿が掻き消える
セラ(準備は出来ています)
エランドラ「うおおおっ!?」」
 いや、何の準備ができていたのかハッキリ言えよ!と突っ込みたくもなるが、それはおいといて……
 レヴィアが一気にエランドラの間合いに浸食。そのまま恫喝する妬み(ジェラシー・アイスクリーム)による斬撃をお見舞いする。
 しかし、直前にセラの警告(?)を聞いていたエランドラは辛うじてそれを回避。
エランドラ「今のは少し肝が冷えたぜ〜」
 最も、俺は燃えているけどな、ガッハッハッハと宣うエランドラ。本当に戦闘馬鹿である。
レヴィアタン「なめるな、人間(パーツ)風情がッ」
エランドラ「ハッ!燻る炎の爪痕(フランメ・サーデン)!」
 ドドドドッ
 大量の緑の炎の飛礫(つぶて)がレヴィアに襲い掛かる。
レヴィアタン「無駄だと言っているのが、まだわからないようね……凛葬鋩怨(りんそうぼうおん)」
 馬鹿の一つ覚えとは正しくこういうことを言うのだろうな。
エランドラ「フン、この俺がただ、何の考えもなしに責めているとでも思ったか?」
レヴィアタン「ふぅん、少しは考えがあるってことかしら?」
 いつになく真面目な表情をするエランドラにレヴィアもちょっとだけ警戒心を吊り上げる。
エランドラ「ガッハッハッハッハ!大正解だ!」
 だが、帰ってきたのは全然違う答えだった。
 あんまりな発言に思わずレヴィアもずっこけそうになる。
エランドラ「俺はなぁ、あれこれ考えながら戦うなんざ性に合わないんだよッ!……碧玉の荒ぶる双炎に照らされ
し灼熱の魔星、その御力、我が牙となりてここに顕現せよ、シャガイ!」
 ボッ、ボボボボボッ
 少しは考えた方がいいと思うのだが、ともかく、エランドラは魔形刀(マナヒョンド)をもう一本取り出すと緑色の炎を集めて大
剣を作る。

#6
エランドラ「おらっ!揺らぐ炎の羽撃(フランメ・フラッテルン)!」
 左右の緑の炎剣から巻き起こされた渦がレヴィアに迫る。
レヴィアタン「本当に、しつこい……凛葬鋩怨(りんそうぼうおん)!」
 しつこく付きまとってくるストーカーをあしらう感じで炎を炎で相殺するレヴィア。
エランドラ「はあっ!」
 ズガムッ
レヴィアタン「くっ」
 しかし、その炎渦はオトリに過ぎなかった。一気に距離を詰めたエランドラが左右の炎剣でレヴィアを挟み斬り
にかかる。
 ガガッ
エランドラ「おお!?」
 恫喝する妬み(ジェラシー・アイスクリーム)を一旦手放すと迫る凶刃を両手で一本ずつ掴み取るレヴィア。
レヴィアタン「嫉妬の炎に焼かれて死ね!凛葬鋩怨(りんそうぼうおん)!」
 ゴガアッ
 炎に包まれるエランドラ。通常ならばここで勝負はついていたはずだった……
エランドラ「ガッハッハッハ!いいね、おい!」
レヴィアタン「なっ、馬鹿な……」
 しかし、平然としているエランドラの姿を見て、愕然とするレヴィア
エランドラ「心頭滅殺すれば火もまた涼しってなぁ!」
※いや、それ滅殺されたことで何も感じないってことなのでは!?……正しくは滅却ですから、残念!
レヴィアタン「人間(パーツ)風情が、調子に乗るなぁああッ!」
 あまりに能天気なエランドラの姿に、レヴィアが切れた瞬間であった
レヴィアタン「だったら、お前には地獄を見せてやるよ……ハデステリトリー、バースト!」
セラ(退避の準備は出来ています)
エランドラ「まだ強くなるってのか、面白いッ!」
 だったらこちらも相応の力で相手をするのが筋ってもんだ!と言わんばかりにエランドラもエモノを構え直す
エランドラ「行くぜぇ!死を告げる炎獣の一突き(ローエン・トードレッシ・ヤーグアール)!」
 ゴガアッ
 緑の炎で作られたジャガーがレヴィアに襲い掛かる。
レヴィアタン「もう、何をしようと無駄なんだよ!凛葬鋩怨(りんそうぼうおん)!」
 ボッ
 炎のジャガーが炎に包まれ、相殺される。
レヴィアタン「終わりだっ!?」
 しかし、エランドラの攻撃はそれだけではなかった、炎の剣二つを駆使して突撃、貫きにかかる
レヴィアタン「なめるな、人間(パーツ)ッ!」
 ズゴムッ
 両手を掲げて(きっさき)を受けるレヴィア。
 果たして、勝負の行方は……


続

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