Eighter -Blindness Wizard-
27ther 〜異例なき殺戮と罰 B〜



#3
 ラティオテクノロジー本社、上層の会議室
 通常ならばそこに突如人が殴り込んでくることなどありえなかった。
 しかし、シレントワイザードは常識をかなぐり捨てたヤバい組織なので、そんな常識は通用しないのだ。
(かみ)総介「行くぞ、與鷹(よたか)!」
梓與鷹(よたか)「お、おう……」
ウェステリア「あぁ、てめぇら、俺に喧嘩売ってんのか!」
ヒプノス・カイミン、オリフィー・エルノア「いや、それはこっちのセリフだッ!」
 思わず突っ込みを入れるヒプノスとオリフィーであった。まぁ、気持ちはわかるよ……
山咲(やまざき)桜「お二人はお下がりください。ここはもう戦場です」
ヒプノス「いや、会社だけどな……」
ドキエル「奇しくもリベンジマッチってわけか……いいぜ、受けて立つ!」
 バシと拳を拳にたたきつけてドキエルが獰猛な笑みを浮かべる
総介「フン、貴様との腐れ縁など御免だが、俺たちにも俺たちの仕事というものがある」
ウェステリア(チッ、ここには七罪塔(しちざいとう)はいないのかよ……マジで喧嘩売ってんのか!)
 本当に無茶苦茶だよな……
 さておき、前回と同じく総介はドキエルと、與鷹(よたか)はウェステリアと死合を開始する。
ドキエル「メイ!」
ウェステリア「ミーコ!」
ドキエル、ウェステリア「我が元に帰れ(ヴォレーゲン)!」
メイ(こくこく)
ミーコ「仰せの通りに……」
與鷹(よたか)「テノ、真書須らく翻れ(ウバゼッツァー)!」
テノ「だるだる〜〜」
 魔術師三人(正確には一人は拳法家)が自分が使役する魔導書娘を身に纏う。
ドキエル「大いなる種の住処、超銀河の颶風の魔星、その御力、我が翼となりてここに顕現せよ!イース!」
ウェステリア「我らが祖が住みたもうし刃金の魔星、その御力、我が理となりてここに顕現せよ!ストロンティ」
 続けてドキエルとウェステリアは魔形刀(マナヒョンド)を掲げて召喚呪術を使用。ドキエルは刃のついた鉤棍(トンファー)を、ウェステリア
はハルバードを作り出す。
 なお、與鷹(よたか)と総介は別に召喚呪術なんて使わないのが律義に待っていたりする。
※これが変身物の美学って奴か!?
 なお、そんな中、かんなは人知れずその場を脱出、屋上へと向かう。
 その理由は言わずもがな、屋上に七罪塔(しちざいとう)がいるからである。人知れずかんなが向かったのはシレントワイザード
に知られないようにするためである。

#4
 ラティオテクノロジー本社、屋上
*「やはり、先に来るのは《キツネザルの使途》か……」
 そこに静かに座すのは場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)の最高峰、七罪塔(しちざいとう)が《強欲(グリード)》アマイモンだ。
白拍子かんな「……」
 かんなの方を振り向かずにそう告げるアモンをひとまずおいといて、かんなもまた、アモンから視線を外して別
の場所を見やる。
 その方角の先にあるのは株式会社センサス本社である。
 かんなは株式会社センサスにいるであろう七罪塔(しちざいとう)を睨んでいるのだ。
※まぁ、向こうからは何もわからないだろうけどね……
アマイモン「この僕を無視するとは、《キツネザルの使途》は随分と余裕だね」
かんな「いえ、そちらがまだ仕掛けてこないとわかっていましたんで……」
アマイモン「チッ……」
 面白くないと言った感じのアモン。
 かんなの発言は正しい。
 アモンとしてもここでかんなと決着を付けることが今回の目的ではない。シレントワイザードの魔術師が使う謎
のアーティファクトを探ることが最大の目的だ。
 まぁ、その目的は今回もまた果たせそうにないかもしれないが……
※レヴィアの方も同じかもしれないですね。
アマイモン「龍の罪科たる牙(ファング・オブ・シンドラゴン)」
 かんなが神滅超越者(ラグナロクエクセル)を構えると、アモンもまた攻撃用場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)を召喚。
 今ここに、本当の意味で役者が揃った
アマイモン、かんな「はあっ!」
 ガキンッ
 まずは刃を打ち合わせて相手の様子を伺う。アモンもかんなもそれは同じだった。
アマイモン「チッ、《キツネザルの使途》め……」
 ガガガガガガッ
 そのまま両者は激しい鍔迫り合いを繰り広げる。
かんな「……」
アマイモン(ええい、忌々しい……)
 大技の一つを繰り出すことなく、ずっと神滅超越者(ラグナロクエクセル)を振るい続けるかんなだが、それには当然理由があるのだ。
 アモンの持つ固有技、淵鈎塞月(えんこうそくげつ)を恐れてのことだ。
 いや、正確には恐れているわけではないのだが……(恐れているという言い回しが不適切)
※ちなみに、改めて説明しておくと淵鈎塞月(えんこうそくげつ)とは相手の技を強奪して我が物顔で使う厚顔無恥なチート技である。
 だが、このまま大技を繰り出さずに勝てるほどアモンも甘くはない。
 さて、では、どうすればいいか……


続

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